見出し画像

2024年の楽天イーグルスを考える

今江新監督のもと、新たな挑戦が始まる2024年の楽天イーグルスの注目ポイントについて書いていきます。


打線・つなぎと粘りが魅力の打線は今年も健在

機動力を生かした野球

昨年は、小深田大翔選手が自身初の盗塁王を獲得しました。それだけでなく、楽天は昨シーズンのチーム盗塁数は102個を記録していて、2位の西武に22個もの差をつけてパ・リーグトップです。この数字は、佐竹学前楽天1軍野手総合兼外野守備走塁コーチ (現DeNA走塁担当アナリスト) と、昨年まで楽天に在籍した西川遥輝選手らによる「走塁改革」の影響が大きいと考えられます。2人とも昨年限りで退団しましたが、この走塁に対する意識は変わらないと思いますし、今年も機動力を生かした野球が期待できます。

1発狙いではない「つなぎの野球」

楽天の打線は1発の怖さが少ない打線だと思われがちですが、昨シーズンのチームホームラン数はリーグ2位タイであり、決してホームランが出ない打線ではありません
また、楽天打線は、三振が少なく、四球を多く選ぶ傾向があります。また、ランナーがいる場合に進塁打を打つケースも多いです。しかし、楽天はダブルプレーの数がリーグ最多であり、それが裏目に出る場合も多いです。ただし、ダブルプレーが多い楽天打線は今に始まったことではなく、球団創設3年目の2007年に史上最多の144併殺を記録した頃から変わっていません。なので、そこまで問題視する必要はないと思います。

島内、茂木、阿部の復活はなるか

昨年は前半戦が不振だった島内宏明選手ですが、今年はオープン戦から好調を維持しています。これまでのデータを見ても、オープン戦で好調の年は、シーズンでも調子を維持できていることから、今年は春先からしっかりと役割を果たしてくれるのではないかと思っています。
次に、昨年は僅か8試合の出場に終わった茂木栄五郎選手ですが、今年は新たにセカンドやファーストの守備にも挑戦し、キャンプからアピールしています。茂木選手は試合に出ていれば必ず安定した成績を残してくれる選手なので、キャンプからオープン戦まで、アピールしている姿を見れて、非常に安心しています。また、茂木選手は怪我に悩まされるシーズンも多いので、特にファーストのポジションは負担が軽減できるという面を考えても、良いのではないかと思います。
そして、昨年は打撃不振に苦しんだ阿部寿樹選手ですが、オープン戦では絶好調で、3月16日のヤクルト戦では4番に座っていました。内外野の複数ポジションを守れるユーティリティプレーヤーなので、自慢の打撃が復活すれば様々な起用法が考えらます。生まれ育った東北の地で再び輝くことを期待しています。

使いたい選手が多い=選手休養をさせながら戦える

今年の楽天は、前述のような茂木、阿部や小深田、伊藤裕季也選手など、複数のポジションを守れる選手や、今季の活躍が期待される選手がいるのでスタメン争いが大渋滞しています。なので、調子を見極めたり、相手の先発投手に合わたりして選手を休ませながら起用することができます。楽天はこれまで何度もシーズン終盤に失速してきました。今年もそれを繰り返さないために、しっかりと考えて起用して欲しいです。

浅村、小郷、辰己は心配無用

今年も主砲としてチームを引っ張ってくれるであろう浅村栄斗選手、昨年のブレークで一気に外野のレギュラーの座を掴んだ小郷裕哉選手、昨年もゴールデングラブ賞を獲得した辰己涼介選手はあまり心配していません。今年もしっかりとやってくれるでしょう。

投手陣・世代交代が一気に進む1年となるか

則本昂大投手の抑え転向によって、先発が駒不足になった、という見方もありますが、どちらかというと、則本投手を抑えにすることで、若手に先発の枠を争わせ、ベテランに頼りすぎない先発ローテーションを構築することで、強引に世代交代を進めさせようとしているのではないかと思っています。ベテランも、若手に対抗して調整を進めていたので、チームとしても良い競争が生まれているのではないでしょうか。

早川、荘司が先発の軸に

則本投手が抑えに転向し、今年は早川隆久投手荘司康誠投手が先発の軸になると考えています。さらに、今年から先発に転向する内星龍投手や新戦力のコディ・ポンセ投手藤井聖投手がおり、先発投手の頭数は揃っています。

ベテランは調子と登板感覚を考えて

ベテラン投手は、田中将大投手岸孝之投手辛島航投手がいます。田中投手は開幕ローテーションを外れることが決まっていますが、岸孝之投手は安定感があるため、開幕ローテーションに入り、調整も挟めば1年間投げられると思います。

抑え・則本も心配無用

抑えに転向した則本投手については、一切心配していません。役割が変わったことで調整法の変化はあるでしょうが、これまでの則本投手の実績から考えても十分に役割を全うしてくれると考えています。

最後に

オフの補強はある程度十分かつ的確

楽天の戦力で足りないところはとにかく投手でした。それを考えると、オフに獲得したポンセ投手、ニック・ターリー投手、現役ドラフトの櫻井周斗投手の補強は的確であったと言えます。投手は何人いても良いと言われるので、まだ足りないところもあるでしょうが、オープン戦での投手陣の調子を見れば、今のところは十分だと思います。
また、山田遥楓選手の獲得も地味に大きいと思います。本来なら昨年ブレークした村林一輝選手山崎剛選手のレギュラー争いが予想されていましたが、山崎選手の出遅れたため、山田選手が事実上の控えのショートとなっています。これまでの経験と持ち前の明るさを生かしてチームを支えて欲しいと思います。

ここが怖い・昨年のデータや選手の情報が流出している可能性は否定できない

昨年のオフに、奈良原浩前楽天育成総合コーチ (現ソフトバンク1軍ヘッドコーチ) 、炭谷銀仁朗選手が退団しました。どちらもパ・リーグの球団に移ったため、昨年のデータや情報を生かしてくる可能性があり、対戦時には警戒が必要です。ただし、これまでも同じようなことはあったはずなので大丈夫だろうと思っています。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?