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猫と噺【バトンリレー企画】 #異文化カルチャーシェア活

 チェーンナーさんの企画に参加いたします。
 ほのラジ仲間の穂音(ほのん)さんから、バトンを受け取りました^^

 今回のバトンリレー企画はフォロワーの皆さんがちらほら参加されていたので知っておりましたが、自分には回ってこないだろうと高を括っていたら、見事に割と早めに回ってきてあたふたしております。

 そして企画の趣旨はだいたい(だいたいでゴメンナサイ)

カルチャーショックを与える受ける

 とのことで考えましたが、やはり身内に関係者がいるので、落語に纏わる事を書こうと思います。

 落語に関する事と言っても今はたいていネットで調べると出てきたりするし、noteにも落語ファンや天狗連の方(アマチュア落語家)、プロの落語家さん(確か、三代目桂やまと師匠が公式記事を書かれていました。他にも沢山いらっしゃいます)がいるので、目新しい事が書ける自信はないです(笑)

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 僕と落語の出会いは小学校の林間学校です。

 就寝前の楽しい時間に友達のトキタくん(フルーツポンチの友達)が一人でラジオを聴いていたので、「何聴いてるの」と問うと「らくごだよ」というつれない返事を貰ったのが最初。

 でも、このつれない返事がなければ落語と縁がなかったかもしれません。つまり今の奥さんと出会っていない可能性もありました。トキタくん、ありがとう。

 林間学校から三十数年が経った今は、お世話になってる落語家さんを優先的に聴きに行く日々です。こういう状況ですから今はさすがにお客さんの入りは良くはないのですがもうしばらくの辛抱です。

 演者さんから見える客席の光景も様変わりしました。マスクをしたままなので大きな口を開けて笑っている顔を見る事が出来ない。ウケたのかウケてないのかわかりづらいそうです。


 と、マクラ(前置き)はこの辺にしておきます。

 ただいまアイコンが猫でありますぼんやりRADIO、「猫と落語」が揃ったところで話の幕開きでございます。

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 さて演題に「猫」が付いている古典落語というと、

「猫の皿」、「猫と金魚」、「猫の災難」、「猫の忠信」はこれまでに生でも聴く事が出来た噺で、今も寄席や落語会などで聴ける噺だと思います。続いて「猫の恩返し」、「猫久」は個人的にはまだ生で聴いた事がないですし、今は演る噺家さんがいらっしゃらないのかもしれないです。とても好きな噺で、いつか生でも聴けたらいいなと思っている噺です。

(ほかには古典落語の登場人物を猫に変えた改作、新作などがあると思うけど、ここでは便宜上割愛させて頂きます。)

 上に挙げた噺で猫が軸になっている噺は「猫の恩返し」のみ(笑点でお馴染みの好楽師匠が演られるみたいです)。

「猫の皿」は旗師(旅をしながら骨董品を買い付けている人)と茶屋の主人の滑稽噺。猫が餌を食べている皿が高価な品だと気付いた旗師が猫ごと皿を買い取ろうとするが…という噺で猫はほんの脇役。

「猫の災難」は酒好きが酒にありつきたいがために嘘を重ねる噺。鯛の刺身がなくなった事を隣の猫のせいにしてしまうが…。これは主人公が酔っ払いで猫はちらりとしか登場しません。

「猫久」も普段はおとなしい性格の長屋の人物・久六のあだ名が「猫久」で、最後にちらっと猫が魚を盗む役で登場するのみです。

「猫と金魚」は少しだけ猫の登場時間は多いのですが、こちらも店主と奉公人や出入りの職人がメイン。

「猫の忠信」(通称「猫忠」)は化け猫が自分の両親の皮で出来た三味線が目当てで人間を騙す噺ですが、やはり「猫」の割合は少ないです。

 こんな風に「猫」濃度がとても薄いのに、なぜ演題に「猫」と付いているのか。

 これはきっと、噺の中で「猫」の印象が強いせいだと思います。もしくは昔も「猫」というのは人気アイコンだったのかもしれません。

 印象が強くて人気の「猫」をタイトルにつけた方が客ウケが良いならタイトルにするのは当たり前だ、と思うかもしれませんが、実はちょっと事情が違うのです。

 落語の内容の本筋とは関係なくても題名に「猫」とついた方が噺家さん同士で「ああ、あの噺か」とすぐにわかるからなんです。

 その根拠の一つに、寄席のネタ帳があります。

 落語にはどうしてこんな名前が付いてるんだろうと思える噺が多くあります。しかし内容を知ってしまえば「なるほど」と納得するものばかりです。

 それはなぜか。

 寄席では前座(※)さんが必ず「ネタ帳」を付けています。あとから楽屋に入った師匠方がそのネタ帳を見てネタが被らないようにするためです。

 ネタ被りを防止するだけではなく、似たような噺も避けるのが噺家さんの暗黙のルール、不文律だからです(似た噺を演ることを「ネタがつく」と言います)。

 古典がまだ新作だった頃にはまだ噺に演題がなく、前座さんが聴いて内容を要約したものがネタ帳に載ったそうです。つまり、前座さんが聴いて勝手に題名をつけていたのです。そして前座さんは忙しいので、噺を聴いてささっとネタ帳を書かなければなりません。

 例えば「猫の皿」だったら「旗師の失敗」と書いてもいいところ、一番印象に残った「猫の皿」と書いたのが定着して今に至る。というのが落語の題名の付き方だそうです(「猫の皿」の由来がそうかは定かではありません)。

 今も漫談などで高座を下りてきた師匠がいた場合、ネタ帳を書く前座さんが自分のセンスで要約したものがネタ帳に載ります(新作の場合は決まってる場合があります)。

 そして、先ほども書きましたが、演題はあくまでも「噺家さん同士でわかる」事が一番の目的です。お客さんに分かりやすい演題ではなく、噺家さん同士に伝わるようになっているのです。寄席や落語会では噺家さんの名前が「めくり」に出ても、演題は出ません。これは前もって何の噺を演るか決めずにその時のお客さんの状況を見て決めるからです(たまにネタ出しの落語会はあります)。

 つまり、落語の演題は決してお客さんウケを考えて付けられたのではないのです。にも関わらず、古典落語の演題というのはずっと落語ファンにも馴染んで愛されているというのがなんとも不思議だと思います。

 そういう経緯で付けられた演題に「猫」が付くものがこんなにあるというのがまた、猫という生き物の不思議であり魅力なのかなとも思うのです。

(※)落語家さんの身分制度は、前座、二ツ目、真打となっております。

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 CDやラジオやテレビ、そしてネット配信で聴く落語も決して悪くありません。記録が残っている、残せる時代を生きてる僕たちは恵まれています。今はもう鬼籍に入られた名人達の落語を聴くことが出来る幸せな時代です。コロナ禍においては感染リスクを避けられる生配信も必要です。

 でもやっぱり寄席や落語会で生の落語を聴いて頂きたいです。

 一度でも生のイイ落語(上手い下手ではなくイイ落語ってあるんです)を聴いた事があるかないか。その笑いの共鳴共振空間を味わった事があるかないかでは全然違います。

 何が違うか。その後の人生とまでは言いません。

 ただ少なくとも、生じゃない落語を聴く時の楽しみ方の助けになるのは間違いありません。


てぬぐい



 うん。ちょっと選挙演説みたいになっちゃいましたね…。


 さて、おあとと交代ですが、このバトンを誰に回せばいいのやら…

 お願いしたい方は沢山いらっしゃいますが…

 普段仲良くさせて頂いているnoterさんはすでにバトンが渡っていますね…

 ここはやはり、

 noteの輪が広がるきっかけを作ってくれた

 しめじ兄さんにします!

 しめじさん、よろしくお願いします!

 そして!

 チェーンナーさん、バトンを回して頂きました皆さん、そしてお読み頂いた皆さん、ありがとごじゃいます♪


【期間】7月20日(火)まで  
【バトンリレー】ルール
1.バトンが回ってきたら、noteを書く。
自分が薦めたいマイカルチャーを記事にする。表現や書き方は自由。
2.noteを書いたら、次にバトンを渡すnoterさんを指名する。
指名するnoterさんの最新の記事を貼る。
3.指名するnoterさんは、最大2名まで。
4.チェーンナーさんの記事を貼る。
5.ハッシュタグ、「異文化カルチャーシェア活」を入れる。
【バトンリレー】の返還について
1.バトンをもらったけどnoteを書きたくないという人は、バトンをチェーンナーさんに返還してください。方法は以下のどちらか。
①「チェーンナーさんに返します」という記事を書いたものに、上記チェーンナーさんの記事を貼って投稿。 
②チェーンナーさんの記事のコメント欄で「バトンを返します」と申告
返還すると、チェーンナーさんがオススメのカルチャーを書いて投稿されます。
2.バトンをもらって記事を書いたけど バトンを回すのがいやだという人は、チェーンナーさんにバトンを返してください。その際記事に「チェーンナーさんに返します」と書いていただければ、チェーンナーさんが引き取って、おススメマイカルチャーを書かれます。バトンは遠慮なく返して大丈夫です。

宜しければサポートお願い致します。今後の活動費にさせて頂きます♪