噺家殺人事件【ショートショート】
寄席の楽屋で大御所の房頭亭 むくろ師匠が死んだ。どうやら毒殺らしい。
その訃報を聞いた船越亭 歌さすが現場に駆け付ける。むくろ師匠の亡骸は警察がとっくに運んでいたが、発見したテケツ(チケット売り場)のおばさんに話を聞けた。
そして 歌さすにはすぐに犯人の目星がついた。
ーーー 下を覗けば波が岩場にぶつかって砕け散る、崖っぷち。
船越亭 歌さすが崖淵家 片平を追い詰めていた。
「片平、お前がやったんだな」
「ど、どうしてわかったんだよ 歌さす兄ぃ」
「むくろ師匠の足袋だよ」
「足袋!?」
「そう。テケツのおばさんが発見した時、むくろ師匠は片方の足袋を脱いで、壁際に置いていたのさ」
「!?」
「むくろ師匠は死ぬ前にダイイングメッセージを残したんだよ。片方の足袋を壁、片方を壁、かたほうをへい、かたへい…」
「そ、そんな…」
その場にがっくりと膝をつく片平。
「片平、お前、どうしてむくろ師匠を殺したんだ?」
「むくろ師匠に頼まれたんです。『もう俺の落語で誰も笑わねぇ。生き恥さらすより死んだ方がましだ。でも自分で死ぬ勇気もねぇ。頼むから殺してくれ』って。だから俺、今から思い切り毒を吐くので死んで下さい。これで毒殺ってどうです……って…それで……師匠の落語はつまらねぇって言ったら顔を真っ赤にして本当に死んだんです…」
泣き崩れる片平。
「そうだったのか…。でも何故むくろ師匠は犯人がわかるようにしたのか…」
そこへ 歌さすの相棒的な存在、 聖母乃家 子守歌が現れた。
「それはむくろ師匠の最期の、ギャグという仕返しだったんじゃないでしょうか」
「やっぱりつまらねぇ……」
白目になる 歌さす。
さらに泣き崩れる片平。
どや顔の 子守歌。
ーーー ドローンカメラが崖っぷちの三人から徐々に遠ざかる。
キャスト
冒頭で死ぬ噺家: 房頭亭 むくろ
犯人を見抜く噺家: 船越亭 歌さす
犯人の噺家: 崖淵家 片平
事件解決後に出て来た噺家: 聖母乃家 子守歌
脚本: ぼんやり亭 らじ男
🐈 🐈 🐈
えっと💦 これを読んでしまった皆さん!
本当に申し訳ございません!
こういう物凄く意味がないものを書きたくなってしまったんです!
どうかお許しを!
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