令和三年司法試験予備試験一般教養科目
設問1.私達は、文学についてある2つの先入観を持っている。一つ目は文学とは誰もが読むべきものであるという前提である。もう一つ目は文学とは誰にでも読めるものであるという前提である。まず前者はこうである。歴史的に言えば文学とは教養であり、支配階級の特権であった。民主主義が発達した以降は老若男女がこれを教養のため、人格形成のため、人や世を知るため、より良い社会を作るためと読んできた。しかし、文学は誰もが読むべきというものではなく、面白いから読む単なる一つの遊びに過ぎないのである。次