韓国の美容整形事情④
「医療観光」、「医療ツーリズム」とは
「医療観光」、「医療ツーリズム」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか? 今世界各国で、医療サービスをその国の産業の一つと捉え、シンガポール、マレーシア、インド、韓国などでは、外国人を誘致するために様々な医療分野で、積極的に活動を行っています。 そして、日本でもやや遅れて、一昨年より観光庁を中心に医療観光推進プロジェクトを立ち上げその準備を進めています。 当院も美容医療のパートで、その実証事業に参加し、昨年から今年にかけ中国、台湾へと日本の美容医療のプレゼンテーッション講演を行ってきました。 韓国は、数年前よりこの事業を推進しており、特に美容整形はその柱として、多くの患者さんをすでに迎えています。 日本としては、よきライバルであり、将来アジアの美容医療を発展させていくパートナーとも言えるでしょう。 受け入れる側として、様々なシミュレーションをしてみると、日本人が韓国に美容整形、美容医療ツアーをした場合の注意点、問題点も気づくところがあります。
韓国での美容整形、美容治療の注意点
1.病院、クリニック選び
これは日本でクリニックを選択する場合も迷うところでしょう。
広告やネット上の口コミだけでは分からないところです。
ただ日本ならとりあえず、言ってみてカウンセリングを受けてみることはできますが、海外ではそういうわけにはいきません。
医療観光の斡旋業者は多くあり其々が、クリニックと契約している為、結局は自分で選ぶしかないところです。
国が定めた適正クリニックという形も、その選定の客観性、公平性が難しいようです。
結局、行ったことのある友人の情報や自分なりの調査で選び、一方的な情報だけで鵜呑みにしないようにすべきです。
最低限、医師の経歴、形成外科(韓国では成形外科)、皮膚科などの専門医資格の有無は確認すべきです。
2.カウンセリング
当然日本語ができるカウンセラーや通訳はいるでしょうが、カウンセラーのみの一方的説明では、十分に自分の希望が伝わらない可能性もあります。
あくまでも治療を行う医師と通訳を通してでも、一対一の説明を受けられるようにしましょう。(これは日本でも全く同じことが言えます・・・)
横文字の治療用語やレーザー機械、治療材料に関しても十分に説明を求めてから納得して受ける必要があります。
特に、手術的な治療であれば、希望する部位、形、状態をはっきりと示し、術後の経過に関しても詳しく説明を受けてください。
3. 治療後のケアー
簡単と思われる注射や肌のレーザー治療でさえ、施術後のケアーを十分に行わなければ、期待する効果が得られなかったり、時にはトラブルを起こすこともあります。
ましてや手術的な治療の場合、手術と同じぐらい術後のチェック、ケアーが重要なことも少なくありません。
その点をしっかり認識し、ある程度滞在できる期間が取れない場合は、治療を考慮するか、日本で信頼できる治療機関を見つけておくことも必要です。
斡旋業者も、その点は曖昧なところも少なくありませんので事前にチェックしてください。
どんなに高い技術があっても、治療とケアーは表裏一体です。
また、肌の若返りやシミの治療にしても、一回の治療で解決するものは皆無であることは知っておいてもらいたいと思います。
4.治療効果、治療結果
肌質や体質は一人一人皆異なります。 それだけに肌の治療でも、その状態、肌質に合わせて選択しなければいけません。
最新の機会が勝手に治療してくれるわけではないのです。
知り合いが良かったからと、自分にも効果があるとは限りません。
また、手術に関しても、二重や鼻の手術でも、それぞれ個性や好みが違います。
韓国では好まれる目の形や鼻のラインも、日本では少しどうかと考える場合もあります。
とにかく、はっきり意志を伝え、治療効果、結果に関しても説明を受けられることも事前に確認しましょう。
これから医療観光を考えている方は、以上の点などを参考にして良い治療を受けていただきたいと思います。また、日本のクリニックで美容治療を受ける場合も基本的には同じであるため参考にしてください。