花火

花火を見て感じるものがたくさんあった。

僕は、今日家族で花火を見に行った。元々は見るつもりもなかった。それに加えて家族で見ようとも思わなかった。しかし、パパが皆んなで見に行こうと言ってきたのだ。パパは颯爽と家から出て車の中で待っていた。そのため、僕らは急いでパパに連れ出されたように車の中へ向かった。そして、花火が見えるスポットまで車を走らせた。僕は車の中で内心、「絶対花火見ても面白くないと」と感じていた。なぜなら、行こうとしてもいないのに連れて行かれたからだ。そんな花火、感動なんてしない。僕はその時までそう思っていた。

そして、花火が見えるスポットにつき、車を止め、花火をみた。車内では、「すごおい」「次来るぞ」とか色んな言葉が出てきた。でも僕にとってその言葉は何も感じれなかった。最初はそんな感じで賑やかだったが、途中になると無言が続いた。隣で見ている車の中からは楽しそうな声が聞こえる。本当に楽しそうな声が。

なんだかんだで花火もクライマックスになった。僕は静かに花火を見ていた。やはり、すごい。動かされるものがあった。クライマックスになればなるほど。大きな花火から出る、キラキラ。どこまでも高く登る打ち上げ花火は綺麗な丸を描いて弧を描くように垂れる。美しい。何か目がじわ〜ってきた。今日の日のために、花火職人は毎日毎日汗を垂らしながら花火を作って来たのだろうと感じる。また、僕はこの花火を見に行こうって言ってくれたパパにも感謝しないといけない。照れ臭いけど、パパに伝えたかった。

家に帰って僕はいつ言おうと考えていた。家族全員の前では言えない。だからパパと二人で入れる時間に。パパがお風呂に入っていた。その時だ。
お風呂場のドアを開けて、座って頭をシャワーでゴシゴシと洗っている最中に。

ありがとうってパパに伝えれた。



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