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アクションゲームになるかと思っていたら経営シム+パズルが出来上がった話

どうして

ビル、植えちゃいました。

ある日、ただバス停に立っていた。来ないバス、やっと来たと思えば回送バス。待たされ、フェイントをかけられ、待たされ、なんとなく見上げた。青い空、白い雲、灰色のビル。そのとき、ふと考えがよぎった。

「ビルを植えるゲーム、アリだな・・・」

というわけで、植えた。

Unity1週間ゲームジャム お題「あける」に参加し、制作した。植える植えると書いているが、ビルを爆破解体して土地を「空ける」要素も重要なのでセーフ。

今回のUnity1週間ゲームジャムには、ロクに開発できる時間もないだろういうことで参加しないつもりだったが、開催期間の途中で、あるキャンペーンの話を耳にする。

「キャンペーンプレゼントほしい!!」となったので急遽途中参加することにした。遅刻確定なのに、自分の都合で普段よりも開発に使える時間が少ない。故に、アクションゲームが経営シミュレーションパズルになっても致し方ないのである。

本記事では、そんなビルを植えるゲームがアクションっぽい経営シム+パズルになってしまった様と、経営シムになったことで地味に複雑化してしまったルールについて書く。

はじめはアクションのイメージだったのに

最初にアイデアが浮かんだときのイメージと、完成形のぱっと見の印象はほぼ同じに仕上がっている。「手でビルをドゴォォーン!!ドゴォォォーーン!!!!と植える」イメージだ。

ああ、映像がアクションにしか見えない。こんな画面揺れヒットストップマシマシなのに実態が経営シムでは、アクションを期待してプレイした人を困惑させてしまうかもしれない。そうでなくとも、タイトルと映像だけで経営シミュレーションと思って手を付ける人がいるのだろうか。

そしてアクション経営シミュレーションパズルへ・・・

「ビルを植える」というアイデアだったので、ビルの要素で何かあるか考える。自然と「賃料」「土地」と不動産な要素が浮かぶ。そしてそれをアイデアに組み込み「ビルを土地に植えながら、全体を管理する」という経営シミュレーションな企画に定まった。

ビルの形状や土地の高低差の利用などのアイデアも加わり、結果的にパズル要素も生まれた。

かくして、アクションな経営シミュレーションをしつつパズルもするという、おそらく斬新な(非常に宣伝文句に困る)ゲームが出来上がるのだった。

アクション経営シミュレーションパズルのためのルール

変なシステムのゲームを生み出すときは、ルールを整えるのが大変。だって参考にできる同じようなシステムのゲーム知らないんだもの。

そういうわけで、ビルをドンドコ植えるパズル経営シミュレーションアクションを面白くするルールをひいひい言いながら考えた。

そもそもゲームジャムに参加を決めた時点でアイデアを修正する余裕なんてなかったので、途中で「あれ?面白くならない?」となろうが、今のゲームを可能な限りバランスよく面白くするルールを考えるしかない。納期だけが絶対(遅刻はする)。

ルール群
・横長、縦長、小さいビルの3種類のビルを植える
・ビルを持った手が左右に素早く動き、ボタンを押すとその位置で植える(ここアクションっぽい)
・ビルを爆破解体するとスコア加算
・爆破解体は2秒のクールタイムあり
・ビルは15秒で崩落
・ビルが土地にあると、毎秒家賃収入が得られる(スコア加算)
・ビルを植えるときに、土地代がかかる(スコア減少)
・一等地から三等地まであり、一等地が家賃収入と土地代が高い
・一等地のビルの上に植えると、そのビルは一等地に植えたときと同じスコア計算がされる
・各土地には高低差がある
・ビルが落下して着地すると、家賃収入が土台の部分の等級のものに変化
・ビルを高く積みすぎると、動きが制限される
・制限時間は40秒

多いッッッッ!!!!
最初はシンプルなアクションになる予定だったのにどうして...

直感的に伝わるルールであれば多くてもさほど問題ではないだろうが、ビルを植えるということでモチーフが不動産だ。ビジュアルやサウンドを多少工夫するくらいではプレイヤーにルールを伝えきれない。チュートリアルが必要になる。

アクション経営シミュレーションパズルのためのルールのためのチュートリアル

そういうわけで、チュートリアルはテキストベースにした。言語化しないと伝わりにくいルールが多いため、本番と同じ操作が可能で、なるべく触りながら理解できるようにした(短時間で作りやすかったからというのもある)。

これは開発中の映像で、出来上がったものよりも説明が少ないが、ノリはそのまま。

チュートリアルのテキストがそこそこアクが強い。淡々とルールを述べるよりも、どことなくユーモラスな話し方にすることで、次々に説明を読みたくなるよう意識した。地味にルールが複雑だし。

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プレイヤーをヒマ呼ばわりする失礼極まりないチュートリアル

さすがに時間を割いて遊んでくれている相手にヒマ呼ばわりはどうかと思ったが、ルールを一通り伝えた後に、リセットして本番を始めるよう促される。それをプレイヤーが無視して進めて「不要な部分を自分の判断で読み進めている」状態にすることで、プレイする上で知らなくても問題ない攻略のコツを、自然な流れで伝えている。勝ち方を知っていた方が楽しいもの。


という具合に色々考えてきたが、正直勝ち筋が見えづらいルールになったと思っている。ゲームが破綻しないこと最優先でルールを組んだからだ。コツを説明されたとしてもどうすれば勝てるのかはわかりにくい。少なくともアクションを期待していたプレイヤーにとっては、よくわからずプレイしてもあまり面白くないかもしれない。

だが逆に言えば、試行錯誤の楽しさはあるのかもしれない。試行錯誤を面白く感じる段階まで遊んでくれれば、楽しめるのかもしれない。少なくともビルを植えるアクションの手触りはいい。最初はアクションをイメージしていたから。よくわからなくても辞めずに触り続けてもらえれば、楽しめるのかもしれない。

普段なら「これは神ゲーだ。作者が保証する。やれ。」というお気持ちになるのだが、今回は、かもしれない。
でも、面白いと言ってくれる人がいる。じゃあ面白いね!!

まとめ

無理してゲームジャムに参加すると、アクションゲームが経営シミュレーションパズルになることもある。

その他

・ビルを「植える」と表現しているが、浮かんだアイデアが「手で地面にビルをドンドコ突き立てる」イメージだったため。「植える」が妙にしっくりきたため。ビルは植えるもの。

・拙作の缶を集めて壊すゲームが、ビル植えの時系列の後という設定を超雑につけた。せっかくだしビル植えの背景に缶を置いてみた。よかったら遊んでくださいお願いします。

・拙作の豆腐が食われるノベルゲームから、ウシとネギがビル植えの背景に出演している。よかったら遊んでくださいお願いしますお願いします。


・論文書かなきゃ

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