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思い出のアンナミラーズ

国内最後のアンナミラーズの実店舗である、品川店が8月でついに閉店する。

最後にもう一度行きたいと思って日曜日に行ってみたけど、お昼を前に既に3時間待ちとのことで諦めてしまった。多分、このままお別れになるだろう。

私のアンナミラーズ初体験は、幼稚園の頃。仲良しだったなっちゃんとその子の若い叔母さん2人(まだ20代だった記憶)に二子玉川の高島屋に遊びに連れてってもらった時だったはず。なっちゃんの家族はオシャレで外国っぽい物をよく身に付けてたり、私にプレゼントでくれたりした。

その日も上の階でセサミストリートのメモだかペンをなっちゃんの叔母さんたちが買ってくれて、お茶しよう!と言って入ったのがアンナミラーズだった。外国の絵本とか映画に出てくるレストランみたいな内装にときめいたのを今でも鮮明に覚えている。何を食べたか明確に覚えていないけど、多分チェリーパイだったと思う。生クリームのケーキが苦手だった私は、甘酸っぱいさくらんぼがたっぷり入ったパイに魅了された。この先自分が外国に行くとか何も考えてなかったけど、アメリカの人はこんな美味しいものを食べてるのかーとアメリカへの憧れが強まったことを覚えている。

その少し後、またもなっちゃんとなっちゃんのお母さん、私の母との4人で夏休みに渋谷で映画を観た帰り、またアンナミラーズでパイを食べた。ガーリーな服で有名なピンクハウスの、豪邸みたいな路面店の前を通って行った記憶が何故か強烈に残っていて、あの頃、渋谷は外国なんだと小さい私は本気で思うくらいオシャレだった。

それから時が経ち、大学生になった私は夏休みに短期留学でアメリカへ。ある週末、みんなでシカゴ旅行に行く途中で立ち寄ったレストランで私はついに本場のアメリカのパイを食べることが出来た。ぎっしり詰まったさくらんぼは甘酸っぱくて、パイ生地はしっかり。アンナミラーズのパイに少し似ていた気もした。本場のパイを食べたことに感動しながら、アンナミラーズはアメリカらしさを忠実に再現していたんだなーとしみじみ思った。

お店に入るだけで外国みたいでワクワクして、外国への憧れを与えてくれたアンナミラーズ。間違いなく私の人生に影響を与えた存在だったな。閉店はさみしいけど、近い将来、どこかでまた会えたらなと思う。そんな、忘れ得ぬお店です。


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