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名刺MVP

※書いている途中で、大晦日と令和2年に追い抜かれた。
 が、内容を変えずにそのまま書く。

2019年がそろそろ終わろうとしている12月の今、(あー、そういえば師走っていうのでしたね)私の心を占めているのは3つのことだ。
「心を占めているのは」とかカッコつけて書いている間にも時間はどんどん
過ぎ去っていく〜。ああ、11月に誰か戻して。

①:あー、マンチェスターのKとMにクリスマスカードと
  プレゼント送らなくちゃ〜。柿の種は絶対入れるでしょ〜。
②:あー、(数少ない)友人宛の年賀状も書かなくちゃ〜。
③:ぐふふ。名刺MVPはやっぱり彼女だよな〜。

はい。①と②は多かれ少なかれ、今この時期に、細かいことは違えど同じ
ようなことを考えている方は結構いるのではないでしょうか。
だから、気になるのは③だと思うのですが。(そうでなくても気になると
言って)

2019年は、私個人的に「何だか私はずいぶん変わったような気がする」年でして。2018年に「やってみてからジャッジする」を個人的目標に掲げて
から、2019年はそれをさらに「やってみたいことはやってみよ!」に発展
させて、思えばinnocent japanのフルーツガーデンに突撃しに行ったり、色々これまでの私からしたら多少「らしくないかも?」なことをやってきたのです。そのうちの最たるものが、

【初対面の方も友人も混ぜこぜにして、古民家でカレーを食べよ】

というものでした。これはある日、突如「カレーを食べる会をやるもん」と思い立ち、カレー作るのが得意と言っていた職場の人に「カレー食べる会
やるでしょ?」とNOは受け付けない目力で迫り94%くらい強制的に
「やります」と言わせ、企画から実行まで3ヶ月半(これは短いのか、
長いのか?いかんせん初の突発的試みなのでよく「標準」がわからん)
かけて、先日めでたく本番を迎えたわけであります。会の趣旨としては、

① 普段会わないバックグラウンドの人が混ざると面白い(はず)
② そこで、美味しいご飯を一緒に食べたら楽しい(はず)
③ 隙あらば、私がゴロゴロできる場所だと素敵(これは譲らん)
④ それぞれの「得意なこと」を聞いて、おもしろがったり、新しい何かが
    生まれるきっかけになれば素晴らしい(予定というか妄想)


というようなものを「うっすらと」掲げておりました。「企画したり、人を呼んだりするの結構大変なんじゃない?」「会場とかってどうやって探すの」「カレーだけで大丈夫なの?そもそもカレーだけを食べるの?」など
など考え始めたら色々とあるのでしょうが、我々にとっての不安材料と
言ったら、たった1つだけ。

この2人でホントに実施にこぎつけられるのか

いやね、この2人(1人は私であります)、バックグラウンドも年齢も性別も違うのですが、周囲から見た時不安を掻き立てる(のかもしれない)特質
だけは異様に「そっくり」ということがありまして……。それは……
「大抵のことは何とかなるでしょ」と考えちゃうマインド!

それにより手伝ってくれた人たちを多少(あくまでも多少だと思いたい)
混乱もさせていくのだが、それも含めてのおもしろさであるので
それを書いていきたいのであります。

<まずは会場探し>
当初予定していたのは、私が普段お世話になっているヘアサロン。
あまり通常ご飯なぞ食べたりしない場所だからこそ面白いんでは?と
思っていたのだが、調理設備と使用料での折り合いがつかずに断念。
うーんうーん、とうなっていたら素晴らしい場所が見つかった。
台東区の上野桜木と云うところにある古民家を改修して、イベントスペースにしている「上野桜木あたり」というところ。8畳ほどのお座敷を開放して
いて、入り口の引き戸が他のお店や共有の路地に向かって開かれている
という場所。人の家に「こんちはー」とひょいとお邪魔するような
気軽な感じで来られそう!と即決。しめしめ。

<カレーの会の目的?>
まあそんなものはあるようでないのであるが、一応カッコつけて考えて
みる。何もかも制限なく自由!というのは却って場を盛り上げないものだ
とうっすら考えてもいたし。
「ちがいを楽しむ」というのをざっくりとした目的に据えた。そこから
しばりを2つだけ設けた。

① 名刺を作って(持って)くること
 名前と得意なことの記入は必須。ただし形式などは自由
② ご飯(メインはインドカレー)を食べるための器とコップを持参すること

① 形式は自由:サイズもデザインも材質も自由。「名刺」「得意なこと」と
聞いた時、何をイメージするのかが人それぞれ違う。みなさん一体どんな
想像を膨らませるのであろうか→ちがいを楽しめそう→わくわく
② 器とコップ・スプーンなども、普通なら揃って紙皿にーーーーとするのがおそらく参加者にも負担なく、楽な道。しかし私は時々スパルタン。
→自分の好きな物持ってきてね→一体みんなどんなの持ってくるのかしら
→すんごい深くてでっかい器持ってきて「一体全体どれだけカレーを食べる
つもりなのか?!」と各方面からツッコミが入ったら面白い→1人でニヤニヤ

<さてMVP>
事前調査(準備段階)で、もう一人候補になれそうな人がいたのだが、
彼は残念ながら時点となった。ちなみに、その方は【A4の紙に】【10枚
書く】【それを10セット準備しなくてはならない】と思い込んでいたそう。
半生を綴ってそれを初対面の参加者に渡すおつもりか。ほぼ自費出版。

さて、輝く第一回名刺MVPは我が友のMに送られることとなった。
彼女はとても真面目な人で、何事にもだいたい全力投球。しかし、端から
見ていると、時として違うベクトルに全力で球を投げ「なんで誰も取りに
いかないのーーーーー?」とふしぎ顔をする人である。見切り発車を度々
繰り返すのが、見ているこちらとしては楽しくもある。その彼女、名刺の話をしたところ、ものすごい早さで(おそらく参加者の中で一番早く)
取り掛かった。時々質問がメールで飛んでくる。「ねぇ、こういう文で
通じるかな?」「名刺のサイズって普通の名刺と同じくらいでいいの?」
それも含めて自分で定義するのがおもしろいんだってば。カレーの会の
2日前にメールが来た。いたってシンプルなメールだ。

「名刺できたーー!でもすんごいことに今、気付いちゃった」
(なになに)
「名前書くの忘れた」
(えええええええーーーーー。名刺の意味?)

名刺たちは、参加者の人たちがカレーを待つ間ひまつぶしができるように
ボードに貼り出して置いておくことにしたのであります。彼女の名刺は
サイズもA4の半分くらいと、割と場所とる。しかも両面印刷。そして内容の
方はというと・・・いひひ。「自分のこと」じゃなくて、「自分の出身地域のこと・魅力」について大いに語っていた。「名刺のイミ・・・?」
しかし、言ってみたらそういうふうに「名刺」をとらえちゃうというのが彼女らしさでもあるわけで。しかも「みんなどういうふうに定義するのかな」と違いを楽しもうとしていたのだから、ある意味「大成功」と言えなくも
ない・・のか?というわけで、名刺MVPは彼女に(密かに)贈呈。

<名刺にまつわるおもしろ話もうひとつ>
前の職場の同僚だった方が連れてきたお子さん(5歳男児)が大人たちの「はわわ〜かわいい〜❤︎」を一身に受けており、交換した名刺を首から下げた自分のホルダーに大事そうにしまっていた。それなのに、カレーを作ってくれたその日のシェフから名刺をもらった瞬間、「来年見ようかな!」と
一瞥もくれずにそそくさとしまっちゃって愉快。もう「来年」になったわけだから見てくれているといいなー。

突発的な思いつきだった割には、なかなかおもしろかったなー。
ご飯はカレーを含めて7〜8種類のおかずもあって盛りだくさん。
唯一の心残りは、「座敷でごろごろ」がかなえられなかったことだ。

そういえば、MVPは初対面なのに、シェフに会った早々、ネギを
切らされていた。しかしMVPは「なぜ」「何のために」ネギを切るのかが
ひどく気になる。ゴールがわからないと進めないMVP。ネギの次に
別の野菜を切らされた時も「えーーーとこれは最終的に何に使うんですか」
知りたがるMVP。「えーとですね・・」困惑するシェフ。しかし、
「ちょっとかいわれと氷買ってきてくれる?」と頼むと、それについては
「何に使うの?」はなかった。ナゼなんだMVP。その違いは何なのだ。

もしサポート頂けたら、ユニークな人々と出会うべくあちこち出歩きます。そうしてまたnoteでご紹介します。