雲出ずる国への道 その参-①

〜かみさまも困惑〜

さて、敏腕◯◯さんの素晴らしきアドバイスにより、無事
飛行機も寝台列車も両方体験できることになった我らの旅。
ニヤニヤしながらいざ、雲出ずる国へ上陸するのであります。

我が友は、(中学の時はそんなに気にしたことなかったのだが)
よくよく考えると、結構マイペースな人だと思う。おもしろい!
て思うことがあったら突進していくし、美味しいものには目が
ないし。一人っ子だからなのか、見ていておもしろいなぁと思うのが
「自分で決めたこと」がはたから見ていると、ちょっとずれてる?
っていうことだ。例えば、この旅行の集合から私は腰砕けだ。
お互いが集まりやすい駅のホームで待ち合わせしたのだが、
2泊3日なのに「え?」て言うくらいの軽装の友、遠方より現る。
黒い、割と普通サイズのリュックを1つ背負っているだけなのである。
「よく入ったね?その中に。2泊分?」
「そう!いつもはね、もっと荷物多いんだけどね、今回はちょっと
荷物を少なくすることにチャレンジしてみたの」
「へぇ・・」片や私は、小ぶりながらキャリーケースを引きずって
いる。「お土産はね、多分たくさん買うから、エコバッグ2個
入れてきた!」がはは。まぁ、私のキャリーバッグもたったの2泊
なのに?と思う人もいるだろうからお互い様か。でもなんとなく、
寝台列車の個室にキャリーバッグで入室。想像しただけで
ニヤニヤしてしまうではないか。むふ。旅っぽいじゃないか。
やっぱり自分のやり方が素敵て思い込む、ていうところで共通してるのか、我々。

飛行機の時間までまだそこそこの時間があり、食いしんぼう達は空港の
ご飯屋さんを探索する。割と気温も高かったから、冷たいうどんが
食べたい〜とか電車の中で二人共言っていたくせに、純粋なるうどん屋さんは立ち食いしかなかったので見なかったふりして通り過ぎ、
フードコートにもちゃんとうどん屋さんがあったのに並ぼうともせず
「どうしよっかな〜」などとそこを見ないようにして物色している。
私は知っている。うどん屋さんの食品サンプルを見て、「なんかちがう」と
瞬時に判断したのだ。二人共。うどんだなんて口にもしてませんよ、
みたいな感じを装って(しかもそれを多分お互いに薄っすら感じ取って
いながら敢えて突っ込まずに)結局、友はエビフライ丼(丼?)、
私はオムライスに落ち着いた。そうそう、友は食べ物に対する突破力も
素晴らしい。私はどちらかというと慣れ親しんだ(想像できうる)味
を求めがちであるのに対し、「なにこれ〜食べてみた〜い」という純粋なる
興味で突発的に選ぶのである。エビフライ「丼」なるものを選ぶところに
彼女の能力、遺憾なく発揮されとる。

離陸前にシートベルトを確認しに回ってきたCAさんを呼び止める友。
なんだなんだ、どうしたんだ。と眺めていたら、「あのー、ピンが・・
取れかかっていますよ」とCAさんに教えてあげている。いい人。
飛行機は揺れに揺れ、そして揺れる。お飲物をとメニューを見せて
いただくと、珍しく「キウイジュース」で二人とも一致した。緑色が
なんとなくちょっと酸っぱそうでいいなーと思ったのでした。味は
キウイと言うより、なんだろ。凍らせて食べる清涼飲料水(駄菓子屋さん
でよく売ってそうな)が溶けたやつという感じですかね。ごくり。

空港に降り立つと、バス乗り場を目指す。空港から松江市内まで
のシャトルバスが出ているからだ。訪れる人が多いからだろう、
飛行機の到着時間とシャトルの出発は乗り継ぎ調整されているらしい。
しかし、トイレに行ったり顔はめパネルに夢中になったりしていたら
そのタイミングにぴったりのバスを知らないうちに逃していたらしく、
「そろそろ行こうか?」と乗り込んだバスは、次の大阪からの便の
お客さんを待ってたバスで、そのタイミングとしては「早すぎた」
らしい。運転手さんに「大阪のはもう着いたんですか?」と聞かれる。
「いえ!まだです!(たぶん)」「お客さんたちは、どこからの・・・」
「東京です!」「なんで今来たんですか」「トイレとか行ってたら
バスを逃しました!」「……そんなオチか……」苦笑される旅人。

1日目は1日目でひとまとめにしようと思ったのであるが、
脱線しすぎて長くなりすぎそうなのでその参-②に分けることに
しました。「全然ここには来ないんだねぇ(嘆息)」という
神さまの声が聞こえるような気もするが神さまのところには、
明日!明日!ちゃんとお邪魔します。

〜雲出ずる国への道 その参-②に続く〜

もしサポート頂けたら、ユニークな人々と出会うべくあちこち出歩きます。そうしてまたnoteでご紹介します。