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大人と100均のスライム

 大人になっても100均に行くとたまにおもちゃコーナーがみたくなる。なんかこう…おもちゃ買いたいというより小さい頃「これ欲しい!!」が叶わなかった自分を慰めるためにとりあえず覗いてみる。

 ここまで書いて使用したワードをみるとなんとなくR18っぽい雰囲気が醸し出されていて複雑な気持ちになった。一時期「大人の〜味」みたいなお菓子が量産されていたけど何がこう背徳的な気持ちにされるんだろう。

 100均おもちゃのラインナップと量とクオリティはすさまじいが実際私たち大人の選択はやはり狭い。

 ドッキリ系のおもちゃは仕掛ける相手と機会が中々ない、却下。レジスターのおもちゃなどで遊べるほどの煌めいた心がないためなりきり系のおもちゃも全滅。ちょっとしたミニゲーム系のおもちゃはお家でVRやswitchが待っているため、敗北。

 大体残ってくるのはパズル系の頭脳を使うやつか、スライム系の消耗品となってくる。

 そうなるともうここは一択。スライム以外ありえんよ。こんな時に頭脳使ってられっか。

 子供×スライムの脅威を知っている両親から幾度となく没収されてきたスライム。皆さんも多分布とか髪とか書類とかにスライムをでろ〜ってつけて大人の顔を青ざめさせてきただろう。

 開封。いつでも触るたびにスライム好きの気持ちが溢れてくる。大人になったから自分の髪にスライムつけちゃったり、溢したりすることはない。大人としてこの流動体に触る。

 そして、スライムを容器に戻し、捨てる。

 小さい頃は埃まみれになって強制的に捨てられるまでがオチだったのに、衛生的に、とかそういう考えのために捨てちゃう。100円で買い直せるし。100円の煌めきは薄れたし、1万円札で遊びに出かけるには心もとなくて。

 そんなこと考えてたら、スライム触った後の手から子供の頃と同じ匂いがした。

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