2020 ヤクルトスワローズ通信簿。



コロナ渦で開幕が遅れ無観客試合からスタートした2020年プロ野球もシーズンが無事に終了しました。

現在ポストシーズンが行われ、開幕が遅れたとはいえこの時期までプロ野球が観れるのはファンとして嬉しい限りです。

我らがヤクルトスワローズは一時は首位に立つこともありましたが残念ながら41勝69敗10分と2年連続リーグ最下位に沈みました。

悔しいシーズンとなりましたが良かった点も悪かった点もこの一年を振り返っていきたいと思います。


・投手


チーム防御率は4.61とぶっちぎりの12球団ワースト。

文字通り「投壊」状態となりました。

今シーズンの一番の敗因は投手陣と言っても良いかもしれません。

・先発投手

中でも先発投手防御率4.81とこちらも12球団ワースト。

規定投球回を達成した投手は一人もいませんでした。

その中で気を吐いたエースの小川泰弘。

防御率こそ4.61と数字を落としましたが10勝を挙げノーヒットノーランも達成するなどローテーションも守り活躍してくれました。

スアレスもケガで出遅れましたが復帰後は12試合に先発し防御率2点台とまずまずの投球を披露。

またベテラン石川も勝ち星に恵まれませんでしたが巧みな投球術で投手陣を支えてくれたと思います。

それでもそれ以外の投手は期待に応えられず新外国人のイノーアとクックは戦力になれず、中堅の高梨はローテこそ守ったものの3勝6敗、期待のルーキー吉田大喜も2勝7敗と大きく負け越してしまいました。

しかし悪いことばかりでななく「未完の大器」高橋奎二は阪神戦でプロ最長の8回無失点で勝利を挙げました。

殻を破ったようにみえましたがその後足踏みが続き結局その1勝に終わりましたが防御率3点台にまとめ来季に覚醒の含みを持たせました。

他にも高卒3年目の金久保の初先発、敗れはしましたがゴールデンルーキー奥川も神宮最終戦で初先発するなど来季へ期待が高まりました。

・リリーフ陣


続いてリリーフ陣ですがクローザーの石山が安定した投球を見せ防御率2.01、20S、投球回を大きく上回る58奪三振と申し分ない成績を残してくれました。

そして今季大躍進だったのが2年目の清水。

OP戦から好調を維持しセットアッパーの地位を確立すると30HPを挙げ最優秀中継ぎのタイトルを獲得し広島森下と新人王争いを繰り広げました。

後ろ二人が確立したのはチームとして大きく来季からの巻き返しへ武器になるでしょう。(ここでは石山のFA問題には触れません。)

近年勝ちパターンとして活躍した近藤は今季成績不振で退団、レジェンドリリーフの五十嵐とドラ1左腕中澤が引退となり長らくブルペンに支えた面々がスワローズを去りました。

しかし序盤こそ奮いませんでしたが徐々に調子を上げた助っ人マクガフと梅野が2年連続で好成績を残し、伸び悩んでいた高卒ドラ1の寺島、昨季楽天を戦力外となった今野も防御率2点台と活躍。

ソフトバンクから移籍した長谷川も終盤失点を重ね数字こそ付いてきませんでしたが150㎞超を連発し存在感を魅せました。

登板過多が気になりますが、先発に比べリリーフ陣は若い芽も出てきて数字以上に良かったのではないかと思います。


・野手

火ヤク庫と揶揄された超強力打線も今季はチーム打率.242とリーグ最低、得点もリーグ5位となりを潜めてしまいました。

その原因は何と言っても主軸の山田哲人の大不振。

怪我を抱えながらの出場となり過去最低の成績となりました。

MLBでG.G賞を獲得など抜群の実績引っさげて入団したエスコバーも時折見せるスーパープレーは目を見張りますが本塁打が僅か1本と助っ人としては物足りない数字となりました。

ベテラン組の坂口と雄平もシーズン通して活躍は出来ず全盛期と比べると物足りなさを感じてしまいます。

青木をレフトへ配置転換しセンターのポジションを空けて塩見、山崎を積極的に起用しましたがレギュラーを奪う活躍には至りませんでした。
しかし持ち味はそれぞれ発揮してくれたとは思うのでこの2人のレギュラー争いは来季へ持ち越しです。

前述したエスコバーの獲得の経緯には西浦と廣岡の遊撃のレギュラーを期待されている選手がなかなか期待通りの成績を残せず、この2人のカンフル剤としての意味もあったと思います。
肝心のその2人ですが廣岡は風物詩となりつつあるシーズン序盤の不振とシーズン終盤の絶好調で今年シーズン通すと成績は物足りず。
逆に西浦は春男の異名通りシーズン序盤は好調でシーズン通すと.245と物足りない成績となりました。

この2人のレギュラー争いも来季へ持ち越しでセンターラインの2ポジションのレギュラーが早く決まることが巻き返しの必要不可欠なピースになるのかもしれません。

良かった点で言えばなんといっても村上の成長です。
昨年は36本塁打を放ち新人王を獲得するも打率は.231と精度を欠きました。

今年はバレンティンが抜け主砲として去年以上成績を求められる中120試合全て4番に座り、.307、28本塁打、84打点の成績を残し見事に期待に応えてくれました。
いや、期待以上で想像超える成長曲線と言えるかもしれません。

見事に2年目のジンクスに打ち勝った村上がいれば4番はしばらく安泰かもしれません。

そして今年もう1人活躍してくれたのはキャプテン青木宣親です。

107試合に出場し.317、18本塁打と衰えを知れぬ活躍をしてくれました。

休養日も増えましたが前述したように今季からレフトへ回り負担が減ったのでまだまだシーズン通しての活躍も期待できそうです。

前人未到の3000本安打を目指し45歳まで現役を目指して欲しいです。

他にも今季チームへ貢献してくれた選手が多く、その筆頭は西田。

ここ数年戸田暮らしが続いていましたが2軍監督の高津監督が1軍監督に就任し出番が急増。

きっと2軍時代も腐らず頑張っていたことが想像出来てファンとしては嬉しいものです。

打撃では長打力を活かし7本塁打や小川のノーヒットノーランをリードで引っ張りました。

宮本も山田の離脱時や休養日などに抜擢され非凡な打撃センスを披露。

また高卒2年目の濱田も3本塁打と大気の片鱗の見せ、村上に次ぐ大砲へ覚醒の含みを持たせました。


シーズン終盤には高卒ルーキーの武岡、長岡コンビも揃ってデビュー。

走攻守に楽しみな逸材ということを再確認出来ました。


・まとめ

今季は最下位に沈みチームとしてもファンとしても歯痒いシーズンとなりました。

しかし、高津監督の若手起用に応え来季以降楽しみな逸材が多く、2〜3年後にはチームの中心となってくれるであろう選手たちをシーズン通してたくさん観れたのはファンとして楽しかったです。

ノムさんのように1年目に種を撒き、2年目に水をやり、3年目に花を咲かせてくれるのではないかと期待したいです。

こんなところで2020年ヤクルトスワローズの通信簿を終わりたいと思います。


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