夢日記8/16
チェンソーマンの吉田ヒロフミとわたしが廃ビルの一室にいて、なにかから隠れてた。状況を把握できてないわたしをよそに吉田ヒロフミは脱出の機を窺っていて、窓から脱出しようとしてガラスを開けたら、マキマさんがいた。
マキマさんは書状のようなものを一瞥してそれをパタンと閉じ、優しい声で「さようなら」と言った。
その時わたしの目には吉田ヒロフミの下半身しか映ってなかったのだが、突如窓枠にかけた吉田ヒロフミの足が強張り、大量の血が飛び散ってきた。多分頭を掴んで潰されていた。
吉田ヒロフミは「どうして」って言ってた。
わけがわからなくなって、唯々ここからも逃げなきゃと思って、外に出た。瞬間、町中にサイレンが鳴り響いた。
元気な女の人の声で「それでは皆さん集まってくださいね」というアナウンスが入った。そうしたらその辺の家という家から住人が出てきて、次々とその廃ビルに向かって来始めた。みんな何かに支配されているような感じだった。
そこからしばらく坂を登って行ったところにわたしの実家があり、様子が気にかかったので、人の流れに逆らって実家に戻ることにした。早足で歩くのが精一杯なくらい疲弊していた。
わたしの他に坂を登ってくる人は誰もおらず、全員がぼうっとした様子でぞろぞろと下っていく。歩いているうちに「なんで自分だけ操られていないんだ……?」と思い始めてきた。わたしはデンジだったのか?とすら考えたけど、胸にあの引っ張るやつ付いてないし、それは違った。
実家のあたりに到達すると、父と母とご近所の方々が集まっていて、やはりそろそろ歩き出しそうな感じになっていた。とりわけ父の様子がおかしくて、前後にふらふらとしながら「なんか……わからない……行かなくちゃ……」というようなことをモゴモゴと呟いていた。起きしなだったのか、寝間着だった。
母の方はまだ幾分正気が残っているようだったが、いよいよ坂の下の方へ歩を進めていく父たちの背をやはり追おうとし始めたので、焦って「お母さん」と強く呼び止めた。
母は「ああ、ちょっとそこまで行ってくるわ、お父さんの様子も心配だし」と、いつものように笑って言っていた。
「行ってはダメだ」とどうしても伝えたいのに、なぜかそう言った類の言葉だけは発せなかった。
母は私の様子からなにかを察したらしかった。それが何だったのかは分からなかったが。おもむろにわたしに近寄り、抱き寄せ「今までずっとつらい思いをさせたね」と言ってわたしの頭を軽く撫で、じゃあねと踵を返した。
少しずつ遠ざかる母の背中に向かって、アッ、アッ、と声にならない音を漏らしながら、やっとかけた言葉は何故か、
「今度は免許取って車で迎えに行くから」
だった。母はやっぱり笑いながら振り向いて、
「待ってるよ」と私に返し、それきり振り向かずに坂を下っていった。
最後その背中に何かを叫ぼうとして、あまりに喉が痛くてたまらず起きた
昼寝で見るボリュームじゃなかった。
生活に足させていただきます