破壊神マグちゃんの読み切り版を読んだので感想書くマン


こんにちは。

ららいしゅうから、週刊少年ジャンプで破壊神マグちゃんという漫画が始まるみたいです。みたいだからどうしたのか?って話なんですが、偶々調べてみたら少年ジャンプの実験上としても名高いジャンプGIGA2019夏にプロトタイプ版であろう読み切りが掲載されている情報がネット上でみつかりました。はいこういう時バックナンバー読み放題って楽ですね。電子書籍つよつよ。

基本的にジャンプGIGAって僕は殆ど読みません。なぜなら、読み切りめちゃくちゃあって読みきれないからです。昔は胃もたれなくなんの漫画でも読めておりましたが、最近は精々Twitterで話題になった漫画を流し読みする程度の能力しかありません。

というわけで、今日は破壊神マグちゃんよんでみたら面白かったぜって話を描こうとおもいます。基本的にネタバレ前提です。といいつつあらすじをを書いていくスタイル。あっでもオチは書かないかんじのあらすじです。


破壊神マグちゃんのあらすじ

海沿いの田舎町に住む女の子が海岸を歩いていたら破壊神の封印された宝玉を波打ち際で発見。その宝玉を何かの拍子で割ってしまったところ、長き眠りについていた破壊神がクソ雑魚ナメクジみたいな姿で復活。女の子に豆腐とか与えられつつ、ペットとして飼われる事になむた破壊神は、何か破壊する事に限って一つだけ願いを叶える約束を女の子と交わします。そんな女の子の境遇は父親は早くに亡くし、母親は離島のドクターコトーのため家では一人ぼっち状態な子供でした。見ず知らずな破壊神をペットのように飼う事のできるバイタリティを持つ彼女のバックグラウンドには、誰かと一緒に生活がしたいという願望があり、そんな彼女にとってたった1人の大事な家族である母親との時間はかけがえのないものでした。そして、何もない田舎町にとっての一大イベントである夏祭りは女の子にとって大切なものでした。それは祭りがある事よりも、特に久しぶりに母親が離島から帰ってくるタイミングだったからです。ですが、何を思ったのか祭り前日の天候は最悪であり、祭りは中止になりそうだわ、母親は嵐で帰って来れなくなりそうだわで散々な事に。そんな女の子が破壊神にお願い事をするのです。何を願ったのかは実際読んでみてください。


そっかえらいね

破壊神はマグちゃんという渾名を女の子につけられます。かわいいですね。そんなマグちゃんは破壊神であるため、物理的に何かを破壊する事に対してためらいがありません。破壊するということは破壊される前までにあった関係性を消去したり、台無しにする事ですが、破壊神は破壊するものに対して感情を抱くという事があまりありません。勿論、そこらのマスコットキャラクターのような愛嬌という意味での無垢さや感情の揺れ動きもなくはないのですが、それらはちぃたんのように見た目な愛くるしさや可愛い仕草によって、うちに秘めた破壊性をカモフラージュ出来るほどの要素には繋がりません。もっと簡単にいって仕舞えば、あらゆる出来事に対して抱く感情が素直で、表層的です。例えば、自分を封印した宝玉が目の前にころがっていれば、一生懸命おっちゃんたちが整地したアスファルトの道路に穴が空くことなんかどうでもよく、憎たらしいから破壊して消します。その後その恨みを引き継ぐことなどなくおわり。もうすっきりしています。要は、複雑な感情を抱く前に破壊神は破壊光線を打てば解決してしまうほどの力を破壊神は持っているのです。現実世界が糞なら、現実世界を消すことのできる能力を持った存在。それが、マグちゃんです。ですので、彼は正直であり、極端でもあります。感情のパタメーターが1か0しかないのですから。

対して主人公の女の子は一見健気な様子で平たく言えば、天真爛漫そのものであり、ですが、一人ぼっちというマグちゃんと似た属性を持つ人間です。が、女の子は人間なので感情の持ち方にはスケールがあるため、マグちゃん程現実世界を極端に捉えていません。

マグちゃんはそもそもマグちゃんという名前ではなく、これは女の子につけられた愛称でした。このマグちゃんという愛称は呼びやすさというよりは、女の子とマグちゃんの関係を紐づけら行為に他なりません。互いが互いを補うような関係性を保つようにするためです。突き放す関係を2人の中に持たせるならば、夜神月とリュークのような間柄になります。共生関係か共犯関係かといわれれば、この漫画は前者でしょう。

マグちゃんは封印される前はあらゆる人間に恐れ崇め立てられた神でした。そんな破壊神マグちゃんは関係性を消去し、破壊する事の神様ですから、当然1人で寂しいといった感情を持つ事がありません。というか持っている神様であれば、少なくとも人間の形を持ち、自分の何もかも破壊尽くしてしまうその能力について葛藤する姿が描かれるはずです。マグちゃんは人間の感情を持っていないからこそ、人外の形を宿す必要があります。

この2人の間に跨る感情のベクトルが正反対であることがわかる描写がこの漫画には描かれています。それが、そっかえらいねのセリフが載ったあの一コマです。このセリフは破壊神マグちゃんが、1人で寂しいとか思った事ないよ。というセリフを何も想うことなくぽろっと口に出した時に、女の子から返ってきたセリフです。

その一コマについては天才級に面白いです。横長で一ページの3分の1程度の空間を一コマで使用しながら、描かれているのは主人公の女の子の顔と台詞のみです。ページを開いた時、画面上部に女の子のなんともいえない感情を隠した時のような、一瞬世界が静止した時に反射的に口から飛び出たような女の子の反応が大きくポツンと載っているのです。構図も面白くて、画面の右半分に大きな女の子の顔、左にそっかえらいねというセリフの乗った大きな吹き出しがあるのですが、漫画って右から左に流れていく物だと思っているのですが、ここではキャラの表情が右にのっているため、視線が右から左に受け流そうとした所で右に戻されます。つまり、漫画の読む手をとめされられるんですね。それで破壊神の何げない私は1人でも寂しいとか思った事ないけどみたいなセリフに対して女の子が、そっかえらいね。私にはそうは思えなかったり、まぁ色々あるんですけど我慢してんだよーうおーみたいな感情爆発する前の予備動作というよりは伏線が貼られています。

ここが全ての始まりであり、物語のクライマックスを語る上で非常に重要ななキーコマになります。この漫画は共生関係だといいました。これはお互いがお互いにとって欠けているものを補いながら成長する物語です。今まで会ってきた人間全てに破壊神はその力のみを必要とされ、利用され、捨てられた存在でした。ですが、力があるのでそんなことは気にせず人間って馬鹿だなぁ程度であしらってきたのがマグちゃんでした。一方女の子は一見元気いっぱいで活発そうに見えますが、母親のことになると自分の感情を抑えて抑えて我慢してしまう女の子でした。そんな女の子が破壊神に何を願ったのか、そしてその願いを受け取ったマグちゃんがその後何を思ったのか。というところがこの読み切りの結末であり、2人の成長なのです。



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