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これを見たら診療明細書を見ずに捨てるなんてできなくなる。

大好きな女優さん(嶋尾明奈さん)が再現ドラマに出演されるということで見始めたのだが、それ以上に内容に食い入ってしまった。

病院で診察を受ければ当たり前のようにもらっている「診療明細書」。
一応保管はしているけど、きちんと見たことはなかった。いや、見たことはあったかもしれない。
ただ、

・見てもよく分からない
・一体何の為に渡されているんだろう
・紙の無駄

そんな風に思ってさえいたのだ。

しかしこの番組を見て、次からは隅から隅まで全部確認しよう!と決めた。


◆医療明細書とは

最近病院にかかったことのある方なら、必ず目にしたことがある↓コレのこと。
どんな検査をしたのか、どんな治療をしたのかが、細かく記載される紙である。

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ちなみにコレ↑は、去年受診した際の物で、指の痛みや腫れ、浮腫みがあった時に、
とても丁寧に診察してくれたクリニックのもの。

読んだところでよく分からないのだけれど、分からない言葉はネットで検索すれば
出てくることが多いと思う(それを読んで理解できるかはまた別だが)。

2010年に改訂され、発行については“原則義務化”となっている。

厚労省PDFファイル


◆番組基本情報◆

制作・放送:NHK総合
初回放送日:月曜22時00分~22時50分(金・月に再放送あり)

司   会:山里亮太(南海キャンディーズ)
      杉浦友紀(NHKアナウンサー)

逆転無罪判決、スポーツ大番狂わせ、奇跡の生還・・・。
泣いて、笑って、勇気をもらえる。
ドラマよりドラマチックな真実の逆転劇です。

<<公式サイトより引用>>


◆今回の放送「娘が残した宿題 社会を変えた医療裁判」

初回放送日:2021年11月1日

産まれてすぐの娘を亡くした勝村夫妻。
妊娠中の体調も、お腹の子どもの成長も、問題なく順調だった。
出産中に一体何が起こったのか?!

自分自身のお産を思い出しても、つわりもそれほではなかったし、体重管理などの含め、いたって健康的だった。
それでも出産となると少し話は変わってきて、番組内でも取り上げられ、
勝村夫妻が疑問視していた「陣痛促進剤」を、私も使っている(後述する)。
その時は体が辛過ぎたし、病院の言うこと・やることを信じないという思考は一切なかったので、当たり前に受け入れたけれど、
思い返すとけっこう怖かったなと感じることがある。
番組を見て、もしかしたら自分の身に起きていても、おかしくなかったかもしれないと感じた。

勝村夫妻は、自分達の子どもの死の真相を知りたいと掛け合うが、
当時は医療の情報開示は絶望的で、裁判でも完全敗訴となる。

恐ろしいのが手書きカルテの改ざん。
それすらも開示されることは難しく、別機関に保管されているレセプトも、ルールに基づきまず開示されることはない。
病院内で何が起きても(医療ミス等)、闇から闇へ…で、泣き寝入りするしか無いということ。

長い年月をかけ、協力してくれる医師をただ一人だけ見つけ、逆転勝訴。

医師が自分らの立場を考えれば、勝村夫妻に協力することは損にしかならないという判断がほぼだった。
唯一きちんとした見解を示してくれた医師がいたことで、矛盾点がつかれていき、勝訴できたのは、
奇跡に近いことだったかもしれない。
勝村さんの執念ともいえる地道な努力が、医師としての正義を持った人に出会う運命を引き寄せたのだと思う。

けれど実はそこからがまた始まりで、勝村さんは制度改革に乗り込む。
まずは戦ってきた相手である病院で、スタッフや利用者を前に講演会を行い、
結果、その病院で希望者への診療明細書の発行が始まる!

これを見て思い返してみると、確かに昔の病院の会計では、日にちと金額くらいしか書いてないレシートだった気がする。
いつから薬の明細や、診療の明細をもらうようになったのかは忘れてしまったし、
たぶん、なんか最近色んな紙くれるなー、くらいにしか思っていなかった気がする。

しかし、勝村さんが考えていたのは、全ての人が必ず診療明細をもらえるというルール作りであり、
そこまでたどりつくのに、お子さんを亡くしてから20年もかかることになる。

この、なんなら別にいらないのに…等と思ってしまっていた診療明細書を、
私達が当たり前のように受け取れるようになるまでには、勝村夫妻が育み、待ち望んできたお子さんの命や、
沢山の怒り、悲しみ、そして強い意志があった。
それを知ったら、この紙をチラリと見ただけで捨ててしまうなんてことは、もうできない。


◆陣痛促進剤のこと(私の体験談)

勝村さんの訴えの中で「陣痛促進剤」「陣痛誘発剤」の使用が適切であったかどうかという争点がある。
勝村さんの場合、強い陣痛があったにも関わらず誘発剤が使われたり、促進剤も注射で一気に注入したりと、
誰がどう聞いても不適切極まりないのだが、それを裁判で立証できないことのもどかしさ!

私事になるが、2000年に妊娠、出産した。
陣痛から出産までに丸3日かかり、最終的には陣痛促進剤を使った。
その際たいした説明もなかったが、特に疑いもせず、というか辛過ぎて自分では早くなんとかして欲しい!
という頭しかなかったし、夫も2日間ほぼ寝ていなかったり、
そもそも初めての出産だったので、経験も知識も持ち合わせていなかった。
全て病院から言われるがままだった。

水曜日の夕方に明らかに違う感覚を覚え、友人宅から慌てて帰宅。
そこから土曜日の出産まで、私はほぼ眠っていないし、食事もしていない。
病院に電話したものの、確実に5分間隔になるまで来ないように言われる。
後から分かったことだが、出産ラッシュで受け入れできなかったのだ。
それでも金曜の夜には体力的にも限界が来ていて、5分になりました!と言って入院。
大病院なのに病室も陣痛室も満員で、ストレッチャーに寝かされたまま、半日ほど廊下で待機となった。

土曜の朝、体力の消耗が激しいので、陣痛促進剤(点滴)を使うと言われる。それ以上の詳しい説明は無く始める。
昼過ぎ、水曜からの経緯を考えると「微弱陣痛」だろうと言わる。
説明はなかったが、この時促進剤の量を増やしていたと思われる(点滴の落ち方が早くなった と夫談)。
4時間後に変化なければ帝王切開になると言われる。
夕方、再度量を増やしたと思われる(夫談)。
直後にトイレで生みそうになるほどの強い陣痛に見舞われ、すぐに分娩室に入って3回いきんだだけで生まれた。

促進剤の使い方に問題はなかったとは思う。
ただ、何の説明もなかったことは、後から思えば恐ろしいことだ。
陣痛促進剤にデメリットがあったり、問題が発生する場合があることや、微弱陣痛のことも、何も分かっていなかった。
マタニティ教室でも教わらなかった。雑誌にも書いてなかった。
出産ラッシュで病院スタッフに声をかけることも難しく、時間をかけて説明してもらうという考えはまったく浮かばなかったし、
私の状態も、夫の状態も、自分から聞こうと思えるようなまともな状態ではなかった。3晩寝ていないのだから。

もし、勝村さんと同じように誘発剤を使われたり、注射で促進剤を打たれていたとしても、それを拒むことはなかっただろう。
後から思えば、すごい怖いことだったな と…。

また、噂で聞いたのは、日曜の出産を避けるため、土曜日に促進剤を使ったり、帝王切開が多い ということだった。
実際には日曜に出産していた方もいたので、どこまでが事実なのかは不明だが、
番組内でも同じことを言っていたので、そういう傾向はあるのだろうと思う。


◆医療の問題点

情報開示 病院に限らずだが、大きな組織の隠ぺい体質。
改ざん  同じく病院に限らずだが、大きな組織の杜撰さ。
・説明不足 そもそも以前はたいした説明も無かった。
・人員不足 だから説明不足にもつながる。
・知識無し 患者に医療のことは分からない。病院を信じるしかない。

診療明細書があることで、医療ミスを暴けるのかどうかは、正直なところ私には分からない。
これ自体が最初っから不備があったらどうすればいいんだろう…。

ただ、これをしっかりと確認するという行為は、自分が受けた診療がどういったものなのか ということに、
目を向けるきっかけになるし、常に意識できるようになるのではないかと思う。
治療の前に、説明を受ける、説明がなければ聞いていいということも、常識になっていけると思う。

患者側の権利をいかに有効に受けれるかは、意識の持ち方が重要なのだ。
自分の体のことは自分が一番知っているべきなのだ。


◆私達にできること

とはいえ、医師も看護師も、時代時代が作り出してきた“常識”の中で対応していたのだとは思う。
隠蔽などあってはならないけど、そういう社会を作ってしまったのも、
それもまた、人間1人1人のせいだと言わざるを得ない。

勝村さんが戦ってこられたように、私達も不都合な真実から目を背けてはいけない。
新しい社会を作っていくのは、自分達だから。



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というわけで、『NHK 逆転人生』~娘が残した宿題 社会を変えた医療裁判~の感想
「これを見たら診療明細書を見ずに捨てるなんてできなくなる。」でした。

読んでくださりありがとうございました。

見逃し配信あるので、ぜひ見て欲しいです。

NHK+ 配信期限 :2021/11/8(月)午後10:44 まで

NHKオンデマンド 配信期限:2022/11/1


ちなみに、お目当てだった女優の嶋尾明奈さんは、助産師役で出演されていた。
とても大好きな女優さんなのに、本当にぶっ飛ばしたくなるような役だった
…というか、
実際にあんな助産師がいたってことだからね、酷過ぎる(ー皿ー

嶋尾明奈さんについては、コチラ↓をご覧ください。



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