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「年の功」がモノいう仕事。

転職市場といわれる界隈では、若手人材に人気が集まります。

入社後に活躍してくれる期間が長くなるわけですから、企業が若手を欲しがるのは当然です。若く、染まりきっていなければ、自社のカラーに馴染んでくれやすいという面もあるでしょう。

今はだいぶ状況が変わりましたが、かつては「35歳転職限界説」などとささやかれたこともありました。確かに、30歳の人の転職支援よりも、40歳の方が我々の支援の難易度も上がります。50歳以上の方を受け入れる求人となると、我々の企業開拓の努力不足もあってほぼ皆無です。

ある環境で長く働いていると、その領域に関しては専門性が増していきますが、それ以外の場所で同じように活躍できる、いわゆる汎用性は失われていく部分もあります。難しいところです。

私も気がつけば45歳。転職市場では厳しい年齢といわざるをえません(笑)。総合広告会社の営業、雑誌編集者、制作会社のプロデューサー、事業会社のマーケターを経て今の仕事に辿り着きました。多様といえば聞こえはいいですが、一貫性はあるようでありません。

ただ、私の場合、最終的に「広告・マーケティング・クリエイティブ領域専門の転職エージェント」という仕事に巡り合ったことで、幸いなことに年齢を重ねたことを武器にできるようになりました。

ポイントは2つあります。

1つは「説得力」の面です。転職の相談に行って、いかにも大学を出たての、スーツ姿もこなれない若いエージェントが出てきて、「あなたのキャリア、もっとこうした方がいいのでは?」とアドバイスされたら、ちょっと微妙じゃないですか?

私が普段お会いする求職者は必然的にほとんどが年下の方々です。私の実力の程は別として、見るからにオッサンであるからか、皆さん私の話をよく聞いてくださいます。そして腹を割って話してくださいます。ありがたいことです。こうなると、年々増えていくシワや白髪さえも「説得力の演出要素」と笑い飛ばせます。

もう1つは「人脈」の面。私が歳をとったということは、私の友人も、先輩も、後輩も、元上司も同じ数だけ年齢を重ねています。私は特に成長も出世もしていなくても、同級生が大手広告会社の役員の一歩手前になっていたりします。古巣の会社でよくしてもらっていた先輩が、その後転職して外資代理店の取締役制作本部長に君臨していたりもします。

コンサルタント数名の、吹けば飛ぶような零細エージェントは普通ならアポイントさえもらえないはずのところが、人事のトップを紹介してもらえたり、力を伴った推薦をしていただけたりするという、ありがたいことが割と高い頻度で起こったりするのです。

まさに「年の功」。この先、仕事のペースは徐々に落ち着かせていくにしても、おかげさまでライフワークとして70歳までこの仕事をしたいと思えています。幸せなことです。

(この投稿はnote開始前のブログで2019年5月26日に発信した内容です)

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