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雨の日にはクルマを磨いて 五木寛之の解説

ちょっと普通では手に入らない粋なクルマたちにまつわる短編集は、とある連載の掲載を集めたものであるのだが、出てくるクルマがグロッサーメルツェデスであったりサーブはサーブでも96Sであったりと強烈過ぎてなんとも言えないものがある。

文言としてはボルボ122Sやサーブ900カブリオレも出てはくるが、なんというか、北欧の風習を含めた話しには少なくとも20年間のどちらもに現地にいる経験が無ければ文字にする事は出来ようはずもない。

そんな中でその解説を書いているのが、二玄社NAVI誌でチンクエチェント愛を語っていた松本葉氏であった。いかにも良家の子女であるたおやかな文体なので一番楽しみにしていたコラムであった。

二玄社のライターとして、大矢アキオ氏と並び、イタリアに移住しているある意味別世界のライターさんなのだが、CGTVでイタリア取材があるとテレビにも出ていたのを思い出しなんだかほっこりとした。

その後もときおり見かける松本葉氏のコラムはクルマのことよりも、イタリアでの暮らしを感じさせるものが多く、クルマはその脇役的な位置付けが実に爽やかで好きです。日常の中の心の機微を書く視点は今でも自分を支えています。

思えば、二玄社にはさまざまな編集者がいた中で小林彰太郎氏の言葉には、自動車ジャーナリストとして日本の自動車文化を創り上げるという高い目標に値する発言がその端々に感じられた。

そして、私がNAVI誌をよく読んでいた時の鈴木正文編集長は、慶應大学時代に東大安田講堂事件で逮捕された経歴を踏まえて、自らとシトロエン2CVとの話しをドン・キホーテのように面白おかしく書いたものを読むたびに「時代と共に生きている」方なんだなと感じさせられました。

NAVI編集長時代のMG RV8に憧れもして、今でもそのチャンスを狙っていますが、日本国内からすっかり無くなってしまって選ぶのは難しくなってしまいました。

スズキさんはENGINE誌を立ち上げ、さらにはGQ JAPAN誌の編集長をされたことはきっとみなさまも良くご存知であると思います。

2022年からは自らのサイトを、立ち上げ今も発信を続けておられる。

小林彰太郎氏と鈴木正文氏は何ごともハッキリ言うので敵も多かったのでは無いかと思います。

業界に対してもハッキリモノを言うからこそ、たぶん彼らだったら、2023年のWbyT株譲渡の話題については彼ら自身が記事を書いていたハズだと感じました。

小林さんは自動車が好きすぎるあまり、スズキさんは生まれもっての正義感のために、思わず言ってしまう。

今の時代は監視がキツ過ぎるあまり反響が怖くて言いたいことを言うとやられる。しかも相手は見えない場所から攻撃してくるのでやられっぱなしになる。相互監視社会の足を引っ張る悪い面ばかりが助長されている気がします。

良いとか悪いとかではなくて、これが今の時代なんだなぁと思いつつ「出る杭は打たれる」は昔から言われてましたね。。。

話しを戻して、五木寛之氏の「雨の日には車を磨いて」はこういったある種車が優雅な世界の憧れと重なっていた時代を思い出させる小説だなぁと感じました。

車好きの方一読されてみてはいかがでしょうか?メルカリアンバサダーのリンクをはっておきます。

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