見出し画像

解像度を高く道筋を明確に

今回はオリンピック前ということもあり、柔道の練習や試合前の感覚について書きたいと思います。

中学生、高校生だった頃は試合前にとにかく練習、トレーニングを入念に行い、試合に臨むようにしていました。練習量やトレーニング量は自分自身の自信にも繋がっていたし、思い切って試合をすることができていました。また「調子が上がっている、調子がいい」と思い込むことも行っており、ちょっとのズレがあったとしてもそこには目を向けず「勝てる、いける」と自分に言い聞かしていました。その時は試合には勝つことはできていましたが、前にも書いていたように自分の柔道をただ相手に押し付けている様な感じでした。

大学生に入りこの準備の仕方では勝てないと痛感した試合がありました。大学2年生の時の全日本学生優勝大会です。東海大学は8連覇をかけた大会。決勝戦まで順当に勝ち上がりました。決勝戦の相手は筑波大学。先鋒戦から大将戦まで行われ、優劣がつかず代表戦に。東海大学は私、筑波大学は81kg級の永瀬貴規選手。階級も2つ下だし普通にやれば勝てるだろうと思っていました。結果は指導2で敗れ惨敗。試合の中で何もさせてもらうことができませんでした。今までの試合だと後半になるにつれて、少しづつ突破口が見えてきて最後には勝つことが多かったのでこの感覚は初めてでした。

この試合をきっかけに練習の仕方を変えるようになっていきました。ぼんやりしていたものを明確に。練習やトレーニングに目的を持つ様になりました。ただひたすらやるのではなく、何のためにやるのか。この練習をしたらこの技術、技が身につく。このトレーニングをしたらこの筋力が増える。この様に、道筋を明確にしていきました。また試合前も調子がいいと思い込むのではなく、その時の自分自身の本当の状態を解像度高く見る様になりました。今では調子が悪い、まだまだ準備できる部分があると思える時のほうが、自分のことを広い視野で解像度高く見れている感覚があります。逆に調子がいいと思い込みそうになる時はその気持ちに疑問を投げかける様になりました。自分の中で自分同士が会話することで、隙を無くしていくといった感じです。

東京オリンピックが終わった後はこの部分ができずに悩むところもありました。自分の向いている方向と気持ちの向いている方向が全く別という感覚になってしまったんです。私は本当に柔道がやりたいのか?現役生活を続けたいのか?柔道に対して正面から向き合えなくなっていました。そんな時に私が行ったのはとりあえず試合に出ることです。心の中で自問自答していても、本当の気持ちは行動してみないと分からないと思いました。試合に出ても勝てない日々が続きました。つらかったです。しかし、つらいと同時に負けたくない、チャンスがあるならもう一度柔道に向き合いたいと思える様になりました。そこからは、また道筋を明確にすることができる様になってきました。

全ての物事でこのことは活用できると思っています。何か達成したいものがあるんだったら、そこに向けての道筋を明確にする。解像度を上げる。自分の本当の気持ちが考えても分からないのなら、まずは行動してみる。

オリンピック3週間前を切り、今の状態は調子は良くもなく悪くもないといった感じです。試合当日まで、ここに書いたことを胸に準備していきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?