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どんな夏でしたか

夏が終わりそう。雰囲気がそう言っている。
秋の気配はまだ無い。往生際の悪い馬鹿な暑さが残るから。
ここ数年はそんな感じ。

昼寝を遮ったうるさい蝉は、今頃土と化してる
花火の音も聞こえてこなくなったし、浴衣の女の子を見かけることも減った。

別に夏が好きな訳では無い。秋の方が好きだ。
だから別に夏が終わるからどうとか、そんな思いは無い。

だが、何故だろう。切ない。
ただただ切ない。

常になんだか寂しい心に拍車がかかる。
こういう時には苛立ちとか、そういった感情はどこかへと姿を消してしまう。
活動的な怒りのエネルギーを静的な空虚が飲み込んでしまう。

変わるはずだった夏。変われなかった夏。
思っているより時間が流れるのは早いらしい。
このペースじゃ息が詰まる。

地球の自転が時速1700kmとかナメてる。
誰かが言ってた「時間が進んでいる限り停滞はない。それは後退だ」と。

どうやら俺は、時速1700kmの速さで後退しているらしい。



そんなことは言わないで欲しい。

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