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#009と#010 春名真歩のポッドキャスト

春名真歩の作品に出合ったのは東京都美術館で開催されていた東北芸術工科大学の東京選抜展だった。当初は日程を間違えていて搬入日に出かけてしまった。大型作品が多い同展、搬入の様子を見つつも、仕方がないので、他の展示を見て出直すことになる。この日は上野から出発して、代官山まで、かなりの数の展覧会を回った。そして、東北芸工大の選抜展の開催初日に出かけられなかった。なにしろ翌日から名古屋の予定だったから。

今年は見られないかな。3年ぶりの開催で楽しみにしていただけに残念な気持ちで名古屋に向かったことを覚えている。IAMASの修了展、愛知県立芸術大学の卒展・修了展、名古屋芸術大学の卒展・修了展を見た。話はそれるが、このあたりの卒展を名古屋のFLOWのディレクター中澤賢さんと一緒に回る予定だったのだけど、赤石隆明さんの搬入タイミングと重なってしまった。

夜、赤石さんの展示を見せてもらった、そのまま中澤さんと飲みに行く。

IAMASの展示の感想と、その後で岐阜県美術館にでかけたこと。(そういえば館長が藝大の学長になっていた。)それまで見てきた東京と京都の卒展・修了展などについて意見交換する。翌日は県芸に行くつもりだと伝えると、「名芸は?」と聞かれた。行くつもりは無かったのだけど、夕方までには時間がある。美術館に行こうと思っていた予定を変えて午前中に県芸、午後に名芸に出かけることにした。

そして名芸では、なんやさんの作品に出合った。

名芸でへとへとになったエピソードはポッドキャストで話をしていたかな。

夕方は再びFlowで後藤繁雄先生、赤石さん、中澤さんと、またまた意見交換する。いろいろと刺激があった。

日曜日の午前中、開場時間あたりに上野に到着する。この時期は aaploit で西本春佳展を開催しているタイミングであり、オープンの時間までに戻らなくてはならなかった。

大きな作品の多い東北芸工大の卒展。選抜展ということもあって作品の見ごたえがある。二周して、印象に残ったのが春名真歩さんの作品だった。東京都美の広い壁を埋め尽くすほどに展示された大きな作品、ステートメントには空気を描いているとある。

タイミングが良かったのか、会場に春名さんが居て、話を聞くことができた。そして、その後に西本展を見に来てくれた。こたつにあたりながら、追加の打ち合わせをすることができた。その場に、たまたま植松さんも居た。

こたつは人の距離を縮めてくれるのかもしれない。春名さんの展示の話が決まり、今後の春名さんの作家活動などについて確認することができた。卒業後は岡山で制作をするということ。

打ち合わせを何度か重ねて、展覧会がスタートした。2月の寒さを忘れるほどの炎天下の8月、ライブペインティングから展覧会は始まる。

春名さんは、山形と岡山で制作をしてきた。東京で制作するとどのようになるのか興味深かった。センサーのように周囲の状況を感じ取り、それを画面に写し取るように描いていく。そうしたら、これほど騒々しい東京では、どのようになるのだろう。

描いているところを初めて見る。筆、指、手のひら、足、タオルを使い、広げた絵具、クレヨン、チューブから直接キャンバスになすりつける。絵具をひろげて、オイルや水をまく。ギャラリーに漂う静かな緊張感、前面の道路を走るトラックの音と振動が続く。5時間ほど経ち、残りはアトリエで仕上げることとなった。

夕方の予定があったため、早めにギャラリーを開けていたのだけど、通常のオープン時間と捉えていた方たちがライブペインティングを見に来てくれた。オープン時間の頃には既に5時間ほどの制作があったことを伝え、ライブペインティングの完成は展覧会会期終了までに見せられるか、次回の春名さんの展覧会でお見せできるか、と説明する。

春名さんの作品や、展覧会について書かなかったのは、ポッドキャストで北さんが話をしていた、アートライティング第4回に、こっそりテキストを書いたから。そちらに全部とは言わないまでも、書ききった。

会期は来週8/27まで、まだ何かが起きそうな予感がする。

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