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2024/1/9 月1ワークショップ 【第4回】 レポート

年をまたいでの4回目のワークショップでは、他者とのワークの前に、ゆっくり自分のからだに意識を向けて動かすことから、スタートしました。骨盤をゆらゆら揺らすところから、肩甲骨や肋骨、背骨など、からだの「骨」に意識を向けて動かしていきました。

そして午後の部では、自分から「他者に触れにいく」ことをテーマに、そこに起きる緊張や安心について話したり、対話のなかで出てきた「緊張を感じる状況」から、どのように安心に近づいていくことができるか、皆で動いたり話したりしながら検討しました。

夜の部では、他者を水袋のように揺らすワークを行いました。自分と相手のからだを馴染ませるように意識したり、触れ返してみたり、触れるときに相手のほうをあまり見ないようにしたり。触れている感覚に意識を向ける際に「目を閉じる/開ける」ことで生まれる変化について、対話をしました。

ワークの様子

【午後】自分のからだに触れることと、人のからだに触れることを繰り返しながら、
どんな質感を感じるか確認する。「自分自身が、どう感じるか」に意識を向ける。
【午後】寝ている人にどう触れに行くことができるか、皆で一緒に考えました。
触れに行く人は、どんなことに緊張するのか。
寝ている人は、どんな時に痛みや心地よさを感じているのか。
【夜】目を閉じている相手のからだを、水袋のように揺らしてみる。
最初は手で、次第にからだ全体で。
どうやったら相手と一緒に、安心して水袋のように揺れることができるか。
【夜】形をつくることより、やわらかい水袋になることを優先する。
結果的に動かされたり、動かしたりしながら、水袋が色んな形に変わっていく。

対話の時間

【午後の部】
・体重をかけるときと違って、かけられたときにある安心感。人に重さをかけられて、重たいとか、苦しいとかじゃなくて、安心するんだなってわかったら、自分もやってみたいと思えるようになった。
・お互いに動きあって、動きのなかで触れていくのと比べて、寝ている人(止まっている人)に触れに行くのは、緊張する。
・相手が動かないときに、自分がどう動きたいのかは、見つけにくい。
・相手が動かないことも、自分の動きに影響しているんだなと気づいた。

ワークと対話を行き来するなかで、触れる前に「見る」ことで判断することが多いと、気づくようになっていきました。触れる前に、見えた状態で判断してしまうのではなく、触れることでどう感じるのかに、皆で意識を向けていきました。

決して緊張がなくなるわけではないので、寝ていて動かない人に触れにいくときに自身が感じる緊張を受け止めて、その緊張とともに、相手に近づいて触れる。
相手のからだの反応を感じながら、ゆっくり動いてみたり、一度離れてみたりしながら、時間をかけて、触れてみる。触れるときに、相手の状態をゆっくり知ろうとすることの大切さについて、皆で話しました。そして、自分の状態に意識を向けることも同じように大切、ということを再確認しました。

「正しい触れ方をしないと」や「もっとこういう動きをしたい」など、動きの「形」にばかり意識が向くと、自分のからだの状態や、いま相手がどういう印象を自分に持っているのかまで、気が回らなくるのかもしれない。という話が出てきました。


【夜の部】
・目を開けているときは、すごい思考が働く。相手の人に、次どうしたらいいだろうとか、気遣いをしなきゃとか、すごく頭が働いて忙しくなる。
・相手が、どれくらい触れるのが気持ちいいのか、心配になった。
・ちょっと触れただけでも相手が動いていくので、それに自分も沿って動いていくことができた。共鳴していく感じ。
・どうしたらいいのかなって言葉が、頭のなかに浮かんでくる。相手を寝てて、どうやってここから動かそうかなって。動かすの申し訳ないなって。
・自分は目を閉じていたときに、座っちゃった。申し訳ないって話があったけど、相手が座った自分に合わせて動いてくれたのが、けっこう良かった。立たせようとせずに、座った状態でそのまま動いてくれるほうが、柔らかい感じがした。
・途中から、リードする/されるっていうことを、考えなくなって。相手がこう動きたいっていうのをサポートして支えてあげている、というよりは、どんどん混ざっていく。
・私は、目を閉じているほうが不安で。感覚に没頭しすぎて、相手を感じられなくなっちゃうみたいな。触れている感覚じゃなくて、自分の方に集中しすぎてしまって、相手のことが薄れていく。
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いろいろな相手とペアを組むなかで、ピタッとはまる人もいれば、動きにくさを感じる人もいると分かった、という話も出ました。
相手とのズレを感じるのが通常なのでは、という視点から、ズレていても良い状態っていうのをどう見つけていくのかが、大事なテーマとして浮かび上がってきました。この、ズレをズレのまま埋める埋め方がお互いに上手いと、体格が違ったり性別が違ったりしても、良い感じに動くことができる。

参加者の皆さんのやりとりを聞きながら、ワークショップという場を通じて、まだよく知らない相手とのズレや違いを受け取りながら、お互いに良い状態をつくろうと試行錯誤することに向き合うことは、とても貴重な時間だなとあらためて感じます。
「共鳴していく感じ」という言葉がでましたが、自分が相手をからだを通じて見ているように、相手も自分を見ているということを、いつも心に留めておきたいなと、皆さんの対話を聞きながら思いました。

ワークショップも「安心」をテーマにした4回目まで終わり、次回の5回目からは「緊張」をテーマにした内容が始まります。

(第5回のレポートへ続く)

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