24.3.1-3 元気展2によせて
2024年3月1日〜3日で開催されました
「写真ってなんか元気でるよね2」
通称「元気展2」に出展いたしました。
今回、この写真展に出そうと思ったのは
前回の1回目を拝見してとても感銘を受けたからです。
元気になる写真ということもですが、統一感のある展示空間も良くって
何より「家に飾れるかどうか」が条件になっていて実際に飾れる額で展示できるというのが参加の決め手でした。
一人ひとりが「○○って元気出るよね」の「○○」に当てはまる内容を決めて1人1枚出すというスタイル。シンプルで簡潔。
少しだけ明るさを落とした照明、生花がところどころに花瓶に活けられ落ち着いた音楽が流れる空間に
やさしい木目調の額装、コメントノート、キャプションが統一され、写真に合わせたゾーニング、全員分の作品に目を通されて方向性を統一
これは本当に全くもって簡単なことではなく、主催のたっきーさんの経験と手腕が光る展示空間だったと思います。これは特に会場で見るべき展示。
前回もそれを感じたので、この空間に出展者として同席できて本当に良かったです。ありがとうございました。
さて、私が今回出したのは、自分の娘の写真でした。
「赤ちゃんほっぺって元気でるよね」
昨年秋に子供を産み、ちょうど生後4ヶ月になりました。
この4ヶ月、娘は出生児体重が倍になり、すくすくむちむちと日々成長しています。
私たち夫婦はオープンなインターネットで娘の顔を絶対にアップしないと決めているので
展示した写真は会場のみで公開するものとしました。ので、ここにも掲載はいたしません。
(展示にあたっては夫の許可を取りました)
元気展2の公募が開始された頃はちょうど臨月、予定日1週間前で
その時にはもう娘のことを展示で出そうというのは決めていました。
ここで突然ですが私の出産レポ(かなりオブラートに包んだもの)を。
(痛い表現とか血とか苦手な人は気をつけてね)(読み飛ばしてもらっても文脈的に大丈夫です)
ちなみに無痛でもない普通分娩でした。病院が対応してなかったもんで…
今でこそ言えますが、女子カメ展4に途中で行けなくなったのは切迫流産(※)と診断されて安静を指示されたからでした。
(※…流産の一歩手前の症状)
出産は病気ではないだとか、みんな通ってきている道だとか、いろいろなことを言われがちですが
何もかもが当たり前ではなくて、引き合いに出したくないけど悲しい思いをする方もたくさんいる
赤ちゃんも母親もがんばっていて、ひとりひとりが全身全霊をかけ、大袈裟ではなく命をかけていること
いろいろな不調に耐え、トツキトオカという長い月日を過ごすということ
子どもを持つということ自体は各々の選択ではありますが、その命をかけた選択を見守り、尊重し、支え合える世の中になってほしいと昨今の言説を見て切に思います。まぁ、これは出産に限らずだけど。
話を戻して展示のことですが
私は自分の人生で一番と言っても過言ではないこの経験と、懸命に生きるこの姿を写真に残して飾りたいという思いで
予定通り娘の写真を家で撮って展示したのでした。
"赤ちゃんって元気でるよね"
はちょっと何だか烏滸がましく感じて
おてて?あんよ?とか色々パーツを考えましたが
今回は1枚だけの展示ということで
パッと見て赤ちゃんとわかる、お顔とほっぺたをチョイスしました。
自宅はでかい座椅子みたいなソファーを使ってるんですけど
肘置き部分に頭が来るように少し上体が起きる寝かせ方をしていつもふれあい遊びとかをしていて
その時に何枚か撮ったうちの1枚です。
もっと上体を起こすとさらに頬っぺたが重力に負けてデロリアンなのですが
それはまたいつかの機会で。(あるのかな)
また話が飛ぶんですが
2020年夏から子ども写真館にてカメラマンのお仕事をさせてもらっています。
それこそ0歳児の赤ちゃんから、定番なのはお宮参り、100日祝い、ハーフバースデー、お誕生日、七五三、卒入学祝いと幅広く、大人も成人式やマタニティ、還暦や古希や米寿など様々なシーンで撮影にお越しくださっています
独身一人暮らしの時に平日の仕事の傍らで副業として始めましたが
今はこの仕事のみ、育児の合間を見て入らせてもらっていて
たくさんのご家族にとっての今しかない瞬間に立ちあわせていただいています
今回の元気展で思ったことにも通じるのですが
写真ってその時々の一瞬を永遠にすることができる、素晴らしいものだと思っていて
撮り直してもまったく同じものはなぜか撮れなかったりして
何日何ヶ月何年か経って見返してる時に、あの時こうだったね、こんなハプニングがあったね、なんて思い出と共にあることができる。
亡くなった人との時間も。
そんなところに魅力を感じるから、写真をやっていてよかったと思います
仕事にしたのは、それを写すための確かな力がほしかったから
伝えたいものが伝わらないのが自分の実力不足によるものでありたくなかったからで
今回コメントノートにお寄せいただいたり、お客様と話している中で
肌の質感が伝わる、触りたくなる、瞳のうるおいを感じる、赤ちゃんの匂いがするようだ、といった五感に響いた感想をいただけたことは
カメラマンとしてこの上ない喜びです。
正直、仕事ではこういう写真は弾くのだけど
(陰影がある、コントラストが強い、ちょっとお化けライト的な光の当たり方になるので)
頬っぺたが立体的に見えるように狙って写した&現像処理をかけたものだったから
伝わったのかな、と思えてうれしかったです。
まだまだ未熟な点はありますが
これからも日々精進してまいりたいと思います。
写真って「なんか」元気でるよね、の「なんか」に込められた思いが
会場全体を包みこむような優しさとあたたかさと充足感になっていたと思いますし
先に書いた"写真のいいところ"をストレートに楽しむことのできた展示会だと感じました。
改めて、寒い中会場まで足をお運びいただきご覧くださったすべてのお客さま、
コメントノートに感想をお寄せくださった方、
搬入搬出や在廊対応をしてくださった出展者様、
そしてこの素敵な展示をつくってくださった主催のたっきーさん、
すべての方に感謝しております。
本当にありがとうございました!
すみません、最後に一つだけお知らせさせてください。
私と百堰まいちゃんと2人で運営している「女子カメ展」ですが、第5回目となる「女子カメ展5」を2025年初夏に開催することに決定しました!
会場や会期などはこれから確定でき次第お知らせとなりますが
今回の全体テーマは「ホーム」です
思い浮かべるのは何でしょうか?
お家や家族、ふるさと、自分のルーツや原点…今回も十人十色の解釈が見れるのでは、という楽しみも込めて、決定しました。私が思う女子カメ展の良さだと思っています。
出展者は今回も全員公募制です。どうぞ続報をお楽しみにお待ちください。
2024年3月3日 ひな祭りの日
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