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[恋愛小説]1981年の甘い生活... 1 /Dolce Vita 甘い生活

あらすじ
前作「1978年の恋人たち」で建築技術者を目指す主人公の福野優樹と恋人の水原美愛が遠距離恋愛や様々な困難を乗り越え、結ばれた。この章は、その後の二人の「甘い生活」を通して二人の愛を育てていく過程を描いていく。

あらすじ

優樹と美愛は、調布のテニスクラブのコートでラリーを打ち合っている。

最近、美愛はテニスにハマっている。元々は優樹に誘われて、始めたが最近では、美愛の方が熱心にコートへ行こうと言う。

中学・高校時は、陸上部に入っていた。いつも補欠だったが。独身時代…とっても、短大卒業前後、優樹と付き合い始めた頃、冬になると地元のスキー同好会に誘われて数度、スキーに行った。だからスポーツは嫌いではなく、どちらかと言えば興味はあった。

初めは優樹に誘われ付いていったが、今では優樹よりも日曜日のテニスを楽しみにしている。
先週は、最新のラケットを手に入れた、今までのは優樹のお下がりだったから、このカーボン製のラージサイズラケットを使うのを楽しみにしている。

優樹は、大学生のころから、研究室の仲間達と毎週テニスをしていた。上野成文や有村昌はその仲間なのである。みんな自己流で覚えたので、大した腕では無いが、普段からデスクワークが多いので、休日に体を動かすのは大切なイベントになっていた。それに、同期の仲間と集まり、日頃の仕事関係とは違った、昔の気の置けない会話や話題を話せる、そんな時間は貴重だった。

そのメンバーの中で、真っ先に結婚したのが、優樹だった。上野達は最初遠慮してそういうイベントや飲み会に優樹たちを誘わなかったが、最近では優樹と美愛にも声を掛けるようになっていた。

美愛は、転勤した新宿支店で働いている。結婚したので、本当は退職しなければならないので、臨時社員で正社員並みの待遇らしい。優樹はあまり聞かないようにしているが、時折美愛が話す内容だと、どうも子供が出来るまでということらしい。

終業後の美愛は、活動的だ。アフター5も上京する前から、計画して3つを実行している。何事も決めて実行するのが、好きな性格だからか…。

第一目標は、ゆーちゃんにとって良妻賢母になること。だから、習い事、趣味もフィジカルトレーニングの3本建ても両立させようと頑張っている。

習い事は毎週火曜日に、新宿駅前のクッキングスタジオのクッキングコースから初め、今ではバリエーションクラスにレベルを上げている。地元に居たときに、2年掛けて基礎クラスは既にマスターしているから、殆どの定番家庭料理は、出来る。魚も下ろせるし、だしをきかせた肉じゃがも手早く出せる。

実際、優樹は美愛と暮らし始めて、体重が増えてきて、職場の健康診断で引っかかた。3ヶ月で5kgも増えたのである。それまでの、貧困な弁当生活から最低3品という、美愛の愛情こもる食生活への急激な変化の結果である。

第2は、自分の教養や昔の言葉で言えば習い事をしたかった。今は新宿御苑傍のピアノ教室を木曜に習っている。これは、初心者コースで、始めたばかりで、これからだろう。

第3は、エアロビに週1回行っている。これも都合の良いときだけ行っているが、体型の維持には気を遣っている。結婚して、体型が崩れるのだけは避けたい。ゆーちゃんにそう言われないように、頑張っている。

だから、美愛は日々忙しいのである。子作りの前にやることは沢山ある。子供は3,4年待とうということなので、その話題には日々触れないでいる。

それにしても、優樹の事務所は相変わらず、ハードである、岐阜の団地計画が終わって、一段落する間もなく、岡山の福祉施設や金沢の集合住宅の手伝い、で今は徳島の住宅団地で高層と中層の計画をしているらしい、来月は徳島へ出張らしい。ホントに体は大丈夫かしら…本人は面白いらしく、それはいいのだが…心配。

日常生活は、大分慣れたが、二人働いていると、どうしても顔を合わせる時間も限られるので、休日は二人一緒に居るか行動している。
暮らし初めた頃は、土日は外出もしないで、金曜日の夜から月曜の朝まで、甘い生活をしている。
二人とも人並み以上に、愛し合った。恥ずかしいので、詳しくは書けないが…。これって、甘い生活っていうんだよ、とゆーちゃん、が言ってた。



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