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石の美術館 STONE PLAZA/隈研吾 建築探訪@2005.08 その16

2000年開館 2005年訪問、栃木県那須町(芦野地区)。栃木県北西には、隈研吾氏の建築作品が多く、その一つ「石の美術館 STONE PLAZA」を見学した時の画像を掲載します。
近くに那須歴史探訪館もあり、後日掲載予定。
旧奥州街道の宿場町に、地元産の芦野石・白河石が石蔵や土木用材として多く利用されていた。その石蔵が、リノベーションされ、更に展示室が数棟追加されて芦野石等の石材を展示する美術館に成っている。通常の建築形式とは異なり、単一の建築でなく、分散配置型の建築群となり、水の池を挟んで配置している。
特にこの石の美術館は、すべてが石で出来ている。石の茶室もある。

水鏡に建物が映り込み美しい

配置について。
訪問時は少し雨が降っていたが、分散配置型のマイナーな点は各棟への移動時に天候に左右されることがある。しかも池を跨ぐ通路も石なので、滑らない様に気を使う。逆に天候が良いときは、開放感があり、気持ちが良い。敷地は所謂うなぎの寝床で間口が狭く、奥行きが長いので、配置計画は苦労したと思う。が、隈研吾事務所は、丁寧に分散配置計画をしており、各棟への移動は、スムーズに迷いもなく出来る。


茶室、既存石蔵
既存石蔵は石の積み方が違う

建築について。
建築も石材だけで構成されており、外壁・屋根材等梁・垂木等以外は見える箇所の部材はすべて石材という、徹底ぶりである。開口部はすべてサッシは無い、無目である。だから素通しで、光だけでなく、風も雨も入ってくる。最後の石の茶室に至るまでであり、過食気味にさえなる。其れ位徹底しているので、ある意味清々しささえ感じる。

展示室は暗い

ディテールについて。
隈研吾氏の建築のディテールは、触れないほうが良いのかもしれない。吉村建築とは対象的である。ある意味アメリカ的な奔放さに近いと思う。


化粧柱の端部は、屋根下地板に直接伸びる。受ける部材は無い。

上は石の茶室の上部である。納まりは余り気にしていない。デザイン優先と思われる。

床・壁は石材の展示室。


既存の石蔵を展示室に転用している。木造の補強材がある。

一部既存の石蔵を展示室に転用している。内部に木造軸組があるが、補強だけでなく、デザイン的な要素が強い。

如何せん20年前の訪問で、忘れていることも多いので、また再訪したい美術館である。

以下、おまけ

美しいアンモニアの化石が展示されていた。一つ欲しい。


直角石(オルソセラス) 化石 デボン紀の頭足類


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