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2022/05/22 楽器選びの旅

 息子1に楽器を買うことになった。管、金管楽器である。見出し画像の楽器。もっと早く買いたかったのだけど、感染禍で部活の練習も進まない昨今。まともに出来ていたらもっと伸びているのに、もどかしいばかりの日々だった。ずっと見てきて、やっと自力で選べるレベルに達したのと、自分の楽器無しでは渡り合えない地点に来てしまったため。

 楽器選びは難しい。かつて教え子のものや依頼されて楽器選びの手伝いをしてきたし、自分も数回、買い替えてきた。一本一本仕上がりが違う上に人それぞれだから、誰それさんに合うものが本人に合うとも限らない。プロの演奏家の選定品もまあ参考程度。本人の感触が一番大切だと感じている。それを得るために、本人がある程度楽器を鳴らせないと合うものも選べないのでここまで待っていたところ、本人希望のハードな部活の学校に入ったらまあ面白いぐらいこの1ヶ月で伸びた。ということで、満を持しての楽器購入へ進むこととなった。

 今回は全くお付き合いのない楽器店に行くことにした。なぜ、という話なのだけど、誰も恨まないため。いやはや楽器選びは遺恨が残る。付き合いのある楽器屋さんがこれはいいですよ、と推してくるのは断りにくい。そしてそれがあまり良い印象じゃない楽器だったら。安くしてもらったとしても態度や顔に出る。あと、プロ奏者に吹いてもらって選定してもらうのも、目安程度。まあ人が違えば感触が違うし、それが外れれば遺恨が生まれる。幸い両親が長く楽器世界に浸かっているため耳だけはあるので、気楽にしがらみのないところへ行くこととした。

 熊本は知ってる所ばかりなので、福岡へ。福岡にずっと整備を頼んでいたところがあるけれど、数年前、担当の方が急逝してご縁が切れてしまった。たくさん試奏が出来るところなんて数えるほどしか無い。そのうちの一つの国内最大手のメーカーはあまり息子が乗り気でないため、そこの直営店は無し。ということで自動的に一店に絞られて、そこへ。

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 そもそも今日は様子を見るため。軽い気持ちで行くのにオットも私も息子1も、行く前から「こわいよー、知らないお店こわいー」「もう帰りたい(まだ家)」「もう通販でいいんじゃ」などと弱気。出掛けにマクドでイモを買って、盛り上げてみる。イモは美味いがこわいことは変わらず。

 2時間かからず到着。私達の目的を告げて、楽器を見せてもらうとたくさんある。

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 試奏を誘われたのでさせてもらう。
 やはり息子1と、親の意見が違って面白い。楽器は声と同じで、本人以外に聞こえる音が違う。それでいて吹奏感は本人にしかわからない。オットと私の一推しはわかりやすく同じ。そしてそれが一番値が張ってギャッとなる。息子1はあまりこれは吹いた感じが好きではない、と言う。

 残念だったのは、息子1の大本命が全然良くなかったことと、買うのをためらう安値のものが良く鳴ったこと。あまり安いものもこわいのよね。担当さんは寡黙ながら、親切で誠実な接客をしてくれた。買うならここにしようと来月また来ることにして辞した。

 お店を出ると通りは眩しいばかり。気持ちの良い五月。

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 次の目的地は太宰府。受験の合格祈願の御札をお返しするため。
 実は道真に文句言ってやろうと思っていた。悪い意味のお礼参りに近い。実のところ、息子1の受験は当初の予定通りに進まなかったから。あんたなんてことしてくれたんや、と言うつもりだったけれど、息子1が「やめて。俺行きたいところに入って満足しているのに」と言う。

 確かに。予定通りには進まなかったけれど、施設が良く、本人の行きたかった部活があるところに決まって今親子ともかなりホクホク気分ではある。確かに文句言ったら悪い。もしかしたらいい方に導いてくれたのかもー、なんて思えるほど私はいい人ではないけれど、結果良いようになったから、あんたなんてことしてくれたんだよう、でもいいとこに入れてよかったからありがとう、と言っておいた。参道の梅園さんでうその餅を買った。

 変な時間にマクドでイモを食べたので夕方空腹に。ラーメンを食べて夕食と兼ねてから高速へ、自宅へ。

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 帰宅後、沈没。乏しい社会性を振り絞って入店して疲れたのと、大本命の楽器がイマイチだったショックと。でもそれでも、楽器購入の糸口はつかめた。前に進んだことをよしとする。

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