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2022/07/07 7月の子

 やっと7月らしい天気に。
 この時期が一年で一番好き。夏の始まる期待感も、光の感じも、ジュライ、ジュイエという音の響きも。生んでくれなんて頼んでないわい、と長年思い続け、自分の誕生自体には屈託しか無いくせに、7月に生まれてラッキーだとは思っているし、なんだったら7月の晴れた金曜日生まれなんて最強だろ、と思うぐらいに7月は好き。そもそも戸籍名も7月にまつわるものだ。こうして書いているうちに、そうか私は7月の子なんだと真顔で納得するぐらいは厚顔で馬鹿でもある。いいんだ私が良ければ、と思う。

 6時に起きて、ノープランから弁当作り。リスキーゲーム。

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 ちくわと玉ねぎのプラックペッバー炒め、卵焼き、人参きんぴら、ソーセージと冷食、ご飯は高菜油炒めふりかけ(高菜油炒めは北部九州人たちの大好物。高菜は油で炒めると3階級特進のような味変を果たすけれど、ふりかけって! と驚いて買ってきたもの)という弁当と、ツナきゅうりのロールパンサンドの朝食を40分で作る。毎日がレースのような祝祭。もう少し工程を簡略化出来たらもっと早く出来るんだろうか。

 朝食で息子1が「サラダ記念日じゃん、昨日」と言い出す。「待って、思い出す」と言って考え始める。「ケツの方は『言ったから7月6日はサラダ記念日』だから…」と苦しんでいる。結局頭の引き出しは開かず。種明かし。

「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日
 俵 万智 『サラダ記念日』 1987年 河出書房新社

 この「」よく抜かして引用されている。

 午前、書き物と資料よみと作歌。月中まではこれ。音符の方のお仕事はそれまでお休み。どうしてものものしかしていない。大抵がパソコンとスマホで済んでこわいような気持ち。

 そろそろやり変えたいので足と手のネイルをオフしようとして、最近買ったアセトンフリーだというリムーバーを使う。なんかしらんけど、やたらめったら甘い匂いがついている。安っぽくて不穏な甘さ。リムーバー独特のにおいよりよっぽど刺激的。においから色々なことを思い出す。子供の頃のこと、大人になってからのこと。このにおいは良い思い出を連れてこない。初めて思い出す記憶もあって、頭の中の引き出しは神秘だと思う。においは一番記憶に結びつく、と昨日テレビのクイズ番組で言っていたけれど、そうかも。この言質がプルーストのみだったら嫌だなと思いつつ。

 私はスプラッターホラーも死体写真も映像も正直何ともない。どんな悲惨なものもなんともないのは、においがしないからだと思っている。でも大抵の人がフルーティーに感じるある香料のにおいの奥底に人の死体のにおいがするものがあって、嗅ぐたびにウェェとなる。古墳の中とかもたまにそのにおいがする。知ってしまったゆえのことで、がっつり記憶に結びついている。多くの戦争体験者がにおいが今もつらい、と言っているし、やっぱりこれは本当だな、と思う。

 もうずいぶん、人に爪をやってもらっていない。若い頃、ある程度ネイルの勉強をして道具も揃えたのでずっとそれ一本。自分で爪をきれいにするとものすごく、やったぜ感が得られるのだ。この感覚は誰か人と比べて無いので優越感でもない。達成感に近いけれど、それプラス謎の高揚と安心があって、やったぜ感としか言いようがない。

 それにしても臭いリムーバー。意識高いお買い物をしたと思っていたけれど、私自身は意識が高いわけではなく、排気ガスやガソリンや有機溶剤の刺激臭大好き人間。買い替え決定。はーすごい。洗っても取れない。恐ろし。

 朝の息子1とのやり取りから、もうなんというか言い足りず、エッセイを書き始めて夕方上げてしまう。やらないかん差し迫ったことがあるのに。完全な現実逃避だけれど、言っておきたかったのよ。誰にってわけでないけれど。

何首か引いて少し鑑賞もつけてます。よろしかったらどうぞー。

 夕方、七夕飾りを作る。実のところ笹だけなら1週間出ていた。やっと着手。飾りを入れていた袋から、子らの黒歴史的短冊が出てきて笑う。出すのが遅くなったけれど、1日飾りになんてしない。旧暦まで引っ張るつもり。

 晩飯、鶏の照焼き、冷奴(かつおぶし)、味噌汁(大根・豆腐・わかめ。熊本産原料・無添加の合わせ味噌)。

 このところ寝苦しい。1度寝て1時間ぐらいで寝苦しくて起きる。トイレに行こうと廊下に出たら、むわっとした暑さ。夜もこれではしんどい。


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