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早稲田大学ビジネススクール春学期を終えて(授業編)

怒涛の授業とちょっとの夏休み

MBA取得のために早稲田大学に入学をして、気づけば8月。この4ヶ月間、仕事も勉強も両立は決して容易ではなかったけれど、経験したことのない刺激を毎日もらっている。1年目の春学期を終えてみての感想を書き連ねようと思う。

一学期の授業構成

授業は春学期と秋学期に分かれている。春の授業は、4種類に分かれている。春、夏Qで授業を取りすぎなくても、集中講義を活用すれば分散して単位を取れる。

  1. 春クオーター(4−6月)

  2. 夏クオーター(6−7月)

  3. 通期(4−7月)

  4. 集中講義(GW、夏休みの2回)

どんな授業を取ったのか

私の時間割はこんな感じだった。春Qに取った授業は全部必修なので、卒業までに必ず取らなければならない。同じ講義タイトルでも異なる教授によっていくつも開講されているので、自分の時間割りに合わせて授業を選べる。人気な教授の授業は倍率が高く、履修申告時に落ちることもしばしばあるそうだが、私はラッキーなことに人気教授の授業を全て取れた。

2022年春Q


2020年夏Q

授業は春、夏、それぞれ履修申請のタイミングが異なるので、春を経て夏Qで履修内容を調整をした。本当はもっと授業を取りたかったが、春Qで平日に2日間学校に通うのが大変で、仕事との両立が困難になりそうだったので夏Qは控えめにした。ただ、夏Qはコマ数は少ないがヘビーな授業が多かったので結果的には大変さは変わらなかった気もする。

春クオーターの授業

苦手のオンパレードを乗り切る

ずっと企画職をやってきた私にとって「ファイナンス」と「財務会計」はアレルギーが出るほど苦手領域だ。高校の時は数学のテストは常に赤点、追試でなんとかパスしていたくらいだ。授業前に事前に高校生の数学くらいは復習しておくように、簿記3級レベルは勉強しておくようにアナウンスがあったが、アレルギー反応が出て、もちろん準備しなかった。

そういえば入学前講座で、数学の復習を行う講義が準備されていた。任意で受講できるもので、単位には換算されないので受けなかったが、今春に戻れるなら受けておけば良かった。

ただ、1年生4月のやる気に満ち溢れたこのタイミングで、ファイナンスと財務会計を取っておいたのは良かったと思う。入学直後のモチベーションが高い状態だったから乗り切れた。必修授業は先に済ませて、後から自分の興味領域の授業を取るという戦略は間違っていなかった。

ファイナンス専修のM2生徒の自主講義に助けられる

WBSでは自主的に勉強会を開く真面目な会や、同じ趣味同士が集まる楽しい会など、様々な切り口でコミュニティーが存在している。今では当たり前のように企画したり、参加したりしているが、こういった活動もMBAならではだと思う。

春Qが終盤に差し掛かり、期末テストが近づいたときにファイナンス専修のM2の先輩が講義を行ってくれることになった。休日に自主的に何十人かが集まる形でファイナンスの基礎を教えてくれた。学校も申請をすれば教室を開放してくれる、こんな事ができるのを学部生の時は知らなかった。これまで授業で学んできたことを丁寧に噛み砕いて教えてくれ、なんとかファイナンスの期末試験はパスできた。大変感謝している。

空き時間に数名で集まって自習

土曜日は3限から授業だったので、少し早めに早稲田に行ってランチを開拓をしていた。授業が始まってからしばらくして、同じ授業を取っているメンバー数名から空き時間を使って自習をしようと誘ってもらった。土曜日2限にグループワークができる自習室を取って、会話しながら数名で勉強をした。この時間のお陰で苦手分野に取り組むモチベーションになった。ここでも得意な人に助けられて、授業出でた宿題を一緒に取り組んだ。本当に感謝、感謝だ。

楽しい授業は時間を忘れて没頭

春Qで大変だけど、楽しかった授業は「マーケティング」だった。毎回「ケース」を読み込んで、それに対して自分で回答を準備して提出するというものだ。ケーススタディーを解くのもMBAっぽい授業らしいのだが、MBAらしいという前提を知らなかったので、授業を受けて初めて「ケース」というものの存在を知った。
毎回異なる企業のケースを読んでマーケティング戦略を考える。授業でセオリーを学び、アウトプットする。楽しくて、唯一の休日である日曜日はほとんどマーケティングの課題をやっていた。
優秀レポートは授業で発表されるのだが、なんとか1回だけ選ばれた。これは自信になった。休みの日に何時間もかけてフィールドワークをしてデータ収集や調査を行っている生徒も少なくはなく、たった1週間で高いレベルのアウトプットを出している同じ生徒のレポートを見るのは刺激になった。

GWの集中講義「マネジメントゲーム」

GW期間中の2日間、朝9時〜夜まで缶詰で集中講義が開催された。名物授業ということと、グループワーク中心と聞いていたので学友が増える期待から受講を決めた。
6~7名ほどのグループに分かれて、1グループ1部屋という形で膝を突き合わせて、経営シュミレーションを行っていくというものだった。経営シュミレーションのWebシステムが用意されており、去年までは紙で行っていたものを今年からは完全にオンラインで情報登録が出来るようになっていた。

このシュミレーションシステムを作ったのもWBS在校生だと聞いた時は、本当にマルチタレントな人が集合した稀有な環境だなあと感じた。いつか何かを返せる機会が来た時には、このコミュニティーに還元したいと思った。

楽しいけどやっぱり勉強は嫌い

MBA取得で入学前から不安に思っていたのは、勉強に対する苦手意識があることだ。勉強が自分の課題感を解決できる手段だと、MBAの門を叩いたのだが、春クオーターを通じて私が再認識したのは「それでもやっぱり勉強は嫌いだ」ということだ。
もちろん楽しい側面もあるし、ちょっと自信を得ているのも事実だ。だが、勉強はやっぱ苦手という意識はまだ払拭できていない。

夏クオーターの授業

やっと興味領域に取り組める喜び

勉強への苦手意識を再認識してしまった春Qだったが、夏Qは楽しみにしていた「デジタル化と破壊的イノベーション」と「アントレプレヌールシップ」があった。どっちも課題が重い授業というクチコミがあったが、春に比べて授業数も減らして万全の体制で挑んだ。

1つは、個人ワークで毎週の課題を提出するもの。もう1つは、最終プレゼンで全参加者の中で順位付けがされるものだった。

毎週の個人ワークが重い授業

個人ワークの授業は、WBSで一位二位を争うくらい大変だと聞いていたので受講前に決心していたが、それでも何度も心が折れそうになった。もう無理だと気持ちがキャパオーバーになって、泣きながら仕事して、仕事が終わるとすぐに課題に取り掛かっていた。正直、この時仕事の状況もきつくて「なんでMBAなんか取ろうと思ったんだろう、もう辞めたい」と飲み会で愚痴っていた。温かい気持ちで聞いてくれた学友に感謝だ。

個人ワークは毎週評価され、ある一定の基準をパスした人のレポートが受講生全員に公開される。選ばれたレポートも優・良・可といった具合で3段階にふるい分けされている。1回くらい最優秀のレポートに選ばれたいと思い、全力で取り組む週と、そうでない週でメリハリを付けて課題に取り組んだ。

お陰で2回ほど最優秀レポートに選ばれたが、仕事では勉強のように短期間でわかりやすい評価を得ることが少ないので、レポートが選ばれた時は学ぶ環境に飛び込んでよかったと心が踊った。そして翌週また鬱々しながら個人ワークに取り組むということを繰り返した。

先生の授業はとても面白かった。アカデミック寄りの先生だと聞いていたので、何か理論を覚えたりするのかと思ったがそんな事はなく、ビジネスシーンで起きている事象を抽象化して企業戦略について議論すると言うプロセスは楽しかった。

最終プレゼンが重いグループワーク中心の授業

グループワークがある授業は、ランダムで組成されたチームメンバーだったが素敵なメンバーに恵まれた。初対面の人も多い中でメンバーの1人が「優勝したい」と声を上げてくれ、一気に皆の目指す方向性が定まった。これを言えることは凄いことだと思う。

週1回の朝7時〜8時のオンラインミーティングと、土曜日の昼の時間を使ったグループワークで、計画的に最終プレゼンに向けて準備を行った。何度もディスカッションをするうちに、各人の強みが見えてきて、それぞれが自身の強みを発揮していたと思う。皆それぞれの個性を認識して褒め合いながら取り組んだのは素晴らしいチームワークだったと思う。

順位は2位で優勝はできなかったが、この順位が「勉強苦手」「MBAもう無理かもしれない」とメンヘラな気持ちを払拭してくれて、自信をくれたのは間違いない。

一学期を終えてみて

もう2年間のうちの4分の1が終わってしまったのかと思うと、あっという間の一学期だった。夏休みは溜めているNetflixを見て、ちょっと外出してリフレッシュしたい。MBA辞めたいと何度も頭をよぎったが、今はまだ秋も続けてみようと思えている。

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