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東京の密度

東京の地名は、全国に轟いている。

新宿、渋谷、品川、吉祥寺、八王子、下北沢……

きっと、かなりの地名が全国で名刺代わりになるはずだ。
ただ、筆者が住んでいたのは西東京地域だったので、名刺とは呼べない。
代わりに「八王子の方に住んでいました」と言うと大抵は通じる。

「ああ、あっちの方ね」と。

そんな、地名ばかりが独り歩きする東京都には、実際暮らすことで分かる狭さがある。

実際に東京に住んでみないと分からない感覚だと思う。未知の世界なのに、
少し進めば知っている土地、もう少し進んでも知っている土地。どこも見知った場所で、そこが故郷だと錯覚してしまうほどに密度が高い。

筆者は、この錯覚が東京一極集中を引き起こしているんじゃないかと考察しているぐらいだ。

例えば、中央・総武線を例にしてみよう。

東京→三鷹間は電車で約30分。この間のほとんどが、有名な駅名だ。

秋葉原、御茶ノ水、信濃町、新宿、大久保、中野、高円寺、荻窪、吉祥寺、三鷹などなど……

一度はテレビで見たことがある名前ばかり。都心の観光に疎かった筆者だって、ほとんどの地名を知っている。ただ、実際に何があるかと言われれば、説明は難しい。名前だけ独り歩きしているのは、東京の凄さでもある。

この、東京~吉祥寺間を距離に直してみると……

たったの20キロ

筆者のマラソンペースだと2時間で全てを回れてしまう計算だ。これを知ってから、筆者の行動範囲は急激に伸びていった。路線と観光地が、自転車・徒歩圏内に詰まっている。横断も縦断もし放題の密度だった。


東京の密度体感していただけただろうか。

筆者は4年間を東京で過ごした。
今は地方に引っ越したから東京の凄さを身をもって実感している。今暮らしている地域は、原付で2時間走っても同じ市内。流石にこれには驚いた。

まぁ、薄っぺらい田舎の風景も悪くはない。
それは、東京にいたから気づけた良さでもある。

東京は、価値観をいい意味でも悪い意味でも変えてくれる場所。

東京一極集中は辞めましょう……。












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