20 Minutes Till Dawn / #白倉感想ログ

前回書いたバイオ・プロトタイプ / #白倉感想ログ |白倉彼子 (note.com)がなかなか楽しかったので、また感想を記そうと思う。

前回は予想以上に長くなってしまったので、今回は短めで行きたい……3000文字は多すぎる気がするな、さすがに

それと、今回からは必要に応じて目次機能を使ってみようと思う。
noteの目次がついている記事、かっこいいので。

20 Minutes Till Dawn - コズミックな敵から、20分間生き残れ

20 Minutes Till Dawnは、前回紹介したバイオ・プロトタイプと同様、Vampire Survivorsの系譜を継いだ、強力な武器で規定時間生き残るローグライクアクションだ。

ヴァンサバ系のゲームは、いくつかのタイプに分けられると思う。

  • バイオ・プロトタイプのような、特殊な要素を加えたもの

  • ほぼVampire Survivorsと変わらないもの

  • 操作難易度を上げたもの

  • その他いろいろ……

今回紹介する20 Minutes Till Dawnは、これらの中だと「操作難易度を上げたもの」に該当すると思う。「高難易度ヴァンサバライク」と言っても良い。
というのも、このゲームでは基本的に、「複雑な操作」「ゲーム開始時に選んだ武器を強化していく」ことが求められるからだ。
順を追って紹介しよう。


複雑な操作 - キャタクターと武器の選択

Vampire Survivorsではキャラクターごとに初期装備が異なるが、20 Minutes Till Dawnではキャラクターと武器をバラバラに選ぶことになる。
ちなみにキャラクターは(たぶん)みんな女性である。

キャラクター選択画面
キャラクターごとに体力や能力が異なる
武器の選択画面 こちらも武器により特徴が異なる

キャラクター・武器にはそれぞれ特徴があり、好みのものを選んでゲームを開始することになる。
そしてこの武器を自分で操作し、敵に標準を合わせ、攻撃する必要がある。
ついでにいうと、キャラクターによっては左クリックに特殊能力が割り当てられていたりもする。

Vampire Survivorsやバイオ・プロトタイプは、「○○秒おきに能力が発動する」タイプで、プレイヤーに要求される操作は「キャラクターの移動・アップグレードの選択」に限られる
一方20 Minutes Till Dawnでは、プレイヤーに要求される操作は「キャラクターの移動・標準合わせ・射撃(攻撃)・特殊能力の使用・リロード・アップグレードの選択」と、途端に数が増えることになる。
武器によっては、「爆風に自分も巻き込まれる」「長押しで性能が変わる」などの能力を持つ
ため、これも考慮しなければいけないこともある。

中央右下の赤いアイコンが標準(数字は弾の残数)。
一応自動標準を切り替えることもできるが、個人的には手動をお勧めしたい

例えば、ヒナとクロスボウの組合せで攻略してみるとしよう。

ヒナは「影」を召喚し、周囲の敵を攻撃させたり、「影」の召喚時に高速で回避できるスキルを持っている。
クロスボウは射撃ボタンを長押ししてチャージすることで、ダメージと貫通力をアップすることができる。

実際動かすと、こうなる。

敵を避けつつチャージしして、エイムを合わせ、影を召喚している

つまり、ヒナでクロスボウを持っていくと、要求される操作は……

  • キャラクターの移動

  • エイム合わせ

  • 射撃(通常)

  • 射撃(長押しでのチャージ攻撃)

  • リロード(クロスボウは初期弾数1のため一回の射撃ごとにリロードが入るが、レベルアップ時のアップグレードで弾数を増やすと、自分でリロードしなければいけないタイミングがあるかもしれない……)

  • ヒナの「影」の召喚

  • アップグレードの選択

になるわけだ。

単純にやること・考えることが多い分、操作難易度も高くなる。
感覚的にはヴァンサバ系のゲームに見られる「ギリ乗り越えられるが、気を抜くと死ぬ時間」がずっと続いているようなものだ。
Vampire Survivorsのような体力ゲージ制ではないのもその一因だろうか。
この少しピリピリした気分が好きな人は、このゲームも好きだと思う。

強化しきったときに俺TUEEEEができないこともないが、それでも気を抜くと即死してしまうので、逆に言うと、Vampire Survivorsの「むしろ死ぬ方が難しい状況を作る」のが好きな人には向いていないかもしれない。

暴れたくても、最強に思えても、気を抜いたらゲームオーバーになる。
20 Minutes Till Dawnの難しい点でもあり、魅力でもある。


武器の強化 - アップグレードの種類

このゲームは、Vampire Survivorsと同様に、敵を倒して得た経験値によってレベルアップし、アップグレードを選択することで能力を強化していく。
アップグレードにはいくつか種類がある。大きく分けると、

  • 武器の単純強化
    ダメージ、球の大きさ、発射速度、弾数、リロード時間などの強化

  • キャラクターの単純強化
    ライフの上昇、移動速度UPなど

  • 武器に属性攻撃を付与する強化
    炎・氷・雷・神罰・呪いの攻撃
    着弾時、球切れ時、○○発ごと……などに能力を発揮するため、
    これらを強化しても武器の操作はほぼ必須である

  • 召喚物
    槍・ドラゴン・オバケ・鎌など
    キャタクターを操作しなくても、勝手に動く

の4つになるだろう。

レベルアップのたび、(基本的には)5つの選択肢から1つを選び取得する。表示されるものはランダムで、自分の欲しいものが手に入るとは限らない。

各アップグレードは4つで一つの塊になっており、
1つ目を取ると2段目(左右どちらか)、2段目を取れば3段目が取れる……という形になっている。逆に言えば、3段目が欲しければ1段目・2段目も取得しなければならない。

高速射撃からゴム弾・軽量弾に派生し、最終はスタンディング射撃が獲得できる

これらのアップグレードの中から、好みなものを選んで強化していくわけだ。
相性がいいものもあれば、相性の悪いものもある。キャラクターと噛みあうものもあればかみ合わないものもある。それなりに考えながら、強くなるための手段を選択しなけれればならない。

なお、アップグレードは必ずしもプラスの効果ではなく、マイナスの効果が付随することがある。


アップグレード・武器・キャタクターの相性

アップグレードにもいろいろな種類がある訳だが、前述したように相性の良いものもあれば、相性の悪いものもある。

まずは相性の悪い一例を紹介しよう。

神聖術。弾切れのたび周囲に20ダメージを与える。強化すると「残りHPでダメージUP」「神聖術で○○体敵を倒すと体力+1」などに派生する。

先ほど紹介した高速射撃から派生する「軽量弾」。発射速度と最大弾数、弾の速度が強化される。

さて、この2つのどこが相性の悪い組合せなのか分かるだろうか。

正解は「神聖術の『弾切れのたび』という発動条件と、軽量弾の『最大弾数の増加』」である。
最大弾数がアップすれば、弾切れまで時間がかかるようになる。すると神聖術がなかなか発動されず……という流れである。

もちろん、このデメリットがあったとしてもこれらを選択したい状況になることもあり得るわけだが、なんとなく「相性の悪い組合せがある」ということはご理解いただけたのではないだろうか。

他には、「移動速度が高いほど、回避しやすくなる」と「他の能力はアップするが、移動速度が下がる」の食い合わせが悪い、だとか、
アップグレード自体は素晴らしいが、武器との食い合わせが悪い……だとかもあるので、このあたりは注意が必要だ。

では今度は、相性の良い組合せを考えよう。

ショットガン。威力がやや高めだが、2発撃つとリロードが入る
氷結魔法の二段目、弾切れ時に凍結を付与する弾を放つ「氷の破片」
先ほど紹介した神聖術。弾切れごとにダメージを与える

考え方は単純で、「弾切れ時」と「最大弾数の上昇」の食い合わせがわるいのであれば、最大弾数が少なければよいのだ。

2発撃つたび、神聖術と氷の破片が発動している様子

これらを3つ取れば、弾切れのたびに氷の破片と神聖術が発動するようになる。個人的に属性攻撃が好きなので、氷をまけるようになるとうれしい。

その他、召喚物に強化を重ねると一発数千ダメージが出るようになったり、貫通・反射を付け攻撃範囲を広くしたり、それなりにビルドにもバリエーションがある。

また、特定のアップグレードを入手したとき、その組み合わせによっては「シナジー」が取得できるようになる。
プレイ感的な意味合いで「シナジーがある」のではなく、ゲームのシステムとして、強力なアップグレード「シナジー」が存在する。
デメリットも合わせて記載されていることが多いが、おおよそは通常のアップグレードよりも強力なものだ。シナジーの詳細はゲーム中メニューから確認することが出来るので、余裕が出てきたら覗いてみると良い。


能力強化の宝箱と、二者択一の魔術書、3分岐する武器

さて、このゲームは数分おきに、赤い線で囲まれた強力な敵が出現する。単純にHPが高く、倒すのに時間が掛かる敵(今回の記事では、便宜上『エリート』と呼ぶことにする)、特殊な攻撃を行ってくる敵(以下『ボス』)だ。

エリートを倒すと宝箱、ボスを倒すと魔術書がドロップする。

宝箱から得られるのは、各キャラクターの特殊能力のアップグレードだ。
1点のみ与えられ、選択することもできれば、放棄することもできる。
よほどのことがない限り取得してよいだろう。

ヒナの例。「ダッシュ中無敵」は強すぎると思う
その他、ヒナの場合は「影の攻撃速度3倍」などがある。


ボスを倒し得られる書では、おおよそ二者択一のアップグレードを取得することができる。
強化もあればそれに伴う弱体化もあるのが魔術書だ。弱体化を考慮しても強化が魅力的であったり、ビルドと食い合うものがあれば取得すると良い。

私は移動速度が低くなるデメリットを無視した結果、何もかもに当たり即死したことがある。
かなしい。

また、Ver1.0からは武器も3種類に分岐強化できるようになった。

特徴が異なる3種類から1つ選んでいくことになるが、基本的な考え方はアップグレードと同様「嚙みあうかどうか」で問題ない。見た目が変わるものもあるので、もし見た目が気に入って使っていればそこは注意点になるかもしれない。

私はこれらのシステムが好きで、特に「少し苦しいウェーブを乗り越えたご褒美」として宝箱・魔導書・武器強化があるのが好きだ。
これらの強化をもらったとして、気を抜けばゲームオーバーになるのはいたって変わりないのだが、ビルドによってはこれが転機になることもあり、わずかな希望の光に手を伸ばしている感覚がたのしい。
もっと宝箱・書・武器強化の内容が増えたらいいなあと思う。


気になる点も、まあなくはない

さてここまで大絶賛してきた20 Minutes Till Dawnだが、正直気になる点や不満点も……あると言えば、ある。
Steamのレビューを見るに、似たような意見がまま見られるため、おおよそプレイヤー共通だと思って問題ないのではないだろうか。

私が気になるのは、

  • ゲームの雰囲気は好みだが、見にくい。

  • ステージが記事執筆時点3種類しかない。

  • ステージ選択と別に選べるチャレンジの内容が気にかかる。

の3点だ。

1.ゲームの雰囲気は好みだが、見にくい。
なんとなくこれまでのスクリーンショットから感じているかもしれないが、このゲーム、慣れるまでは画面が非常に見にくい。というか、慣れても見にくい。
このゲームは公式が「ラブクラフト系の敵を倒す」と銘打っている通りで、どちらかといえば(コズミック)ホラー的、クトゥルフ神話的な雰囲気のあるゲームだ。
実際、出てくる敵がクトゥルフっぽかったり、ティンダロスの猟犬っぽいものがボスになっていたり、黄衣がいたり……というのは、もともとクトゥルフ神話に触れていた私としてはなかなか楽しいものがある。

が、その雰囲気を重視するあまり、画面が見にくい。
何故ならこのゲーム、基本的に「黒・薄い緑・白・赤」の三色で構成されているからである。
敵も味方も地形も自分もこの色で構成されているので、単純に判断がしにくい。

「気を抜いたら死ぬ」というのは、ゲームの操作難易度と、この見にくさで成り立っていると思う。
雰囲気が好きなら購入して損はないと思うが、雰囲気よりもゲーム性が気になるのであれば一旦無料版「10 Minutes Till Dawn」からのスタートをおすすめする。
と言おうと思ったら無料版は利用できなくなっていた。かなし

2.ステージが記事執筆時点3種類しかない
好きなゲームなのでもっとステージがほしい。ステージごとに登場する敵が違うため、用意が難しいんだろうか……

3.ステージ選択と別に選べるチャレンジの内容が気にかかる
はじめは「敵の体力アップ」「敵の量が増える」などの単純に難易度を上げるものなので構わないのだが、後半「経験値獲得量が減り、レベルアップが難しくなる」チャレンジがある。
ヴァンサバ系、特にレベル制のゲームは、苦しい中でも着実にレベルを上げていき、強化して生き残ることに楽しみがあると思う。
しかしこのチャレンジでは、「レベルを上げにくい」状態になる。「レベルを上げ強化する」という楽しみが失われてしまう気がしてならない。
このチャレンジをやらなければよいだけではあるが……


なんやかんやいいつつ、おすすめのゲーム

気になる点もまあなくはないが、個人的には大好きでおすすめのゲームだ。
特に「ゲームをプレイしている」「命がけで敵をさばいている」「気を抜いたら死ぬ」というピリピリとした感覚は、他のヴァンサバ系の追随を許さないと思う。
単純に雰囲気が気に入ったり、「高難易度のヴァンサバライク」が気になったり、その他気になる部分があればぜひ遊んでみていただきたい。

20 Minutes Till Dawnは、Steamにて配信中だ。
記事執筆時点でサマーセールの対象にもなっている。





とかなんとか言ってたな……
なんで?

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