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バイオ・プロトタイプ / #白倉感想ログ

最近文字を書く習慣がまるでなくなってしまい、思うように筆が進まないのと、いつも好きなものを誰かにおすすめしたいとき、「その……いいんですよ」みたいな語彙を失った言葉しか出てこない。

人に好きなものをちゃんと勧められたためしがない。
助けてくれ。

という訳で、何かで遊んだ時、観たとき、読んだとき、作ったときetc……に軽い感想ログを取ろうと思う。

まあレビューみたいなものにはなるけれど、本当にゆる~く感想を言語化したいだけなので、飽くまでも「レビューみたいなもの」であり、「レビュー」ではないことはご承知いただきたい。
感想を残しておきたい、と思ったものの感想を残したいだけで、批評をしたいわけではないし、おおよそ私が「良い」と思ったものをまとめているばかりになるだろう。

という訳で記念すべき第一回。

バイオ・プロトタイプ 

2022年10月21日、「Vampire Survivors」というゲームがSteam上でリリースされた。
敵を倒して、経験値を集めて、レベルアップしたら新しい武器・補助アイテムを買ったり、そのアップグレードをしたり……を繰り返して、30分生き残れたらクリア!という極々シンプルなゲームシステムながらも、やたらと高い中毒性と射幸心を煽る演出から、なんやかんや大人気になったゲームだ。

(Vampire Survivorsがどんなゲームなのかは、nintendo Hello!インディーにて詳しく紹介されている。PC・スマホで遊べるほか、switchでも遊べるようになるらしいので、興味があればぜひ遊んでみてほしい→「Hello! インディー」戦い続けて、30分間生き残れ。『Vampire Survivors』 | トピックス | Nintendo

ちなみに当の開発者は「なぜこんなに成功したのかわからない」と言っているらしい。そんなことある?

さて、このゲームがリリースされてから、Vampire Survivorsのフォロワー作品が多数生まれることになった。
「大量の敵と戦い続け、特定の時間生き残る」という根底のシステムこそ共通するものの、多種多様な差別化が行われており、俗にヴァンサバ系・ヴァンサバライクと呼ばれる一大ジャンルになるまでに至った。

今回感想を記す「バイオ・プロトタイプ」もまた、ヴァンサバライクと呼べる作品の一つだ。

強力な武器で大量の敵と戦い続け、特定の時間生き残る……というシステムは変わらないものの、バイオ・プロトタイプには他に代えがたい特徴がある。

通常、本家Vimpire Survivorsやヴァンサバライクのゲームでは、レベルアップごとに何らかの強力な武器・能力・アップグレードアイテムを購入し、それらをさらにレベルアップして生存を目指す。
つまり、「もともと強力な武器・能力」を用いて、それでもギリギリ捌ききれるかどうかの数の敵と張り合うのが本家の楽しみだと言えるだろう。

私は鞭が好き

では一方、バイオ・プロトタイプはどうかというと、まず本家や他のヴァンサバライクにみられる「レベルアップ」は無い。20分~30分の長い制限時間の間に何度もレベルアップするのではなく、数十秒~数分程度の短い「ラウンド」をクリアするごとに、性能をアップグレードできるようになる。
そして何より特徴的なのが、手に入るのが「武器そのものではなく武器のパーツ」である点だ。
このパーツを組み合わせていくことで、強力なブキを作り上げる。そして次のラウンドを生き残り、さらに強力なパーツを集め……と、「集めたパーツで作った強力な武器」で、いくつものラウンドを乗り越えていくのが、バイオ・プロトタイプの特徴的な点であり、面白い部分でもある。

繁殖率まわりのことはまだよくわかっていない

これらのパーツも制限なく組み合わせることができるか、というとそうではなく、一定のルールに従って組み合わせていくことになる。

まず、器官(パーツ)には2つの種類がある。
「弾を出す」「範囲攻撃」などの能力が決まっている◇器官と、「一定時間ごとに、右に接続した器官を発動する」「前につながっている器官が敵を倒したとき、右の器官を発動する」など、◇器官の能力を発動するためのトリガーとなる〇器官の2種類だ。
これらは、基本的に〇→◇→〇→◇……の順でつないでいく必要がある。

実際のゲーム画面

上のゲーム画面では、「〇白狐の脊髄」と「◇サナギの触角」がつながっている。
〇白狐の脊髄「一定時間ごとに右の器官を発動する(発動周期1秒/回)」により、◇サナギの触角「発動時、球を発射する」が発動している状態になる。
つまり、この状態では、「一秒ごとに、球を発射する」という武器が出来ていることになる。

〇白狐の脊髄により一秒ごとに◇サナギの触角が発動している

ここで、他の器官を入れ替えてみる。
今回はひとまず、◇サナギの触角と◇竜虎獣のツノを入れ替えた。

器官は脳から接続されており、竜虎獣のツノは脳から離れるほどダメージが低くなる

この入替えで、〇白狐の脊髄「一定時間ごとに右の器官を発動する(発動周期1秒/回)」により、今度は◇竜虎獣のツノ「発動時、稲妻で敵にダメージを与える」が発動するようになった。一秒ごとに稲妻が発生するわけだ。

一秒ごとに稲妻が発生している

このような具合に、器官の組合せを変えるだけで武器としての性質もずいぶん変わってしまう。

さらにパーツをつなげよう。
器官によっては「血管」を持つものがあり、さらにパーツをつなげることができる。

今回は、〇マンモスの脊髄(発動周期2.86秒/回)→◇サナギの触角(発動時、球を発射する)→〇白狐の脊髄(発動周期1秒/回)→◇竜虎獣のツノ(発動時、稲妻で敵にダメージを与える)の順につないだ。
これを実際に動かしてみると……

「1秒後に稲妻で敵にダメージを与える」弾が、「2.86秒ごとに発射される」状態になった。

また性質の違う武器が誕生したことになる。
更にラウンドを進めて、新たな器官を手に入れたので、つなげてみる。

先ほどの4つに、さらに〇ハゲタカの網膜(左の器官、今回はツノが敵を倒したとき、右の器官を発動する)と◇スケルトンの前足(発動時、短距離の扇形攻撃)をつなぐ。すると……

先ほどの稲妻に、「敵を倒したとき、短距離の扇形攻撃をする」能力が追加された。
つまり、現状の攻撃は、「2.86秒ごとに弾が発射される」「弾は、1秒後に周囲に稲妻で攻撃をする」「稲妻で敵を倒すと、そこから短距離の扇形攻撃をする」という状態になったわけである。

分かりにくそうだったので少し大きめでお届け

といったように、組み合わせ次第で新しい性質の攻撃ができるようになる。

……察しの良い方はすでに気づいているかもしれないが、このゲームはなかなか頭を使う。
もちろん、本家Vimpire Survivorsでも、進化(特定のアイテム同士の組合せで、さらに強力な別アイテムにすること)のために、どのアイテムを入手していくか……など、頭を使わないわけではない。
ただ、バイオ・プロトタイプは段違いに頭を使う。
思い通りに能力が発動することもあれば、思ったように発動しないこともある。その理由がわかることもあれば、いまいちよくわからないこともある。
一つ組合せを変えただけで最強になることもあれば、たった一か所の変更で最弱になってしまうこともある。

ただ何も考えずに組み合わせていくだけでは、いずれゲームオーバーになってしまうだろう。

なんというか……趣味でHTML/CSSをいじるとき、paddingやmaringをいじって全てのレイアウトが壊滅した日のことを思い出す。
display:flex;の記述忘れに一切気が付かなかった日のことを思い出す。
そしてそれらが全てうまくかみ合って、思った通りに作れた日の喜びを思い出す。
似たような経験のある人には、このゲームの魅力が伝わるのではないだろうか。

〇器官、◇器官も、今回紹介しきれなかった様々な種類と効果がある。それらを組み合わせることで、最強にも最弱にもなれるのがバイオ・プロトタイプの魅力的な点だ。
バイオ・プロトタイプはsteamの他、switchでも配信されている。
もしこれを読んで興味を持った人がいれば、ぜひ遊んでみていただきたい。


なんか思ったより長くなったな…………

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