山の天気は変わりやすい
超低山に慣れた都内在住の初心者は、どう山を選ぶべきか。
現時点でこの問いに対する解を持っている訳ではないのだが、恐らく少なくない登山者に共通するテーマなのではないかと思い、実践を繰り返し、その体験を記録する中で何らかの示唆を導いていきたいと思う。
ただし、今回は荒天になってしまったこと、また、準備不足の側面があり、選定方法が良かったかどうかの評価が難しいことを先に記しておく。
前提:筆者の登山レベル
バックグラウンド
筆者含む登山仲間の友人たちは大学体育会で共に汗を流した30代後半の女性だ。当時はもちろん健脚という自負はあったが、オフィスワークに追われる日々で、当時からの著しい体力の衰えを実感している。
登山歴
22年7月 鍋割山
22年8月 富士山
23年5月 金時山
23年11月 御嶽山
24年4月 神馬山
今回登る山は奥多摩・川苔山
選定基準
登山仲間全員が東京23区在住であり、そこから電車でアクセス可能かつ日帰りができる山、というのがまず譲れない選定基準だ。
悩みどころ
先述の通り、都心からアクセス可能な超低山は制覇してしまった。また、東京近郊で真っ先に候補に挙がる丹沢エリアは、この時期ヒルが出るため、候補から外さざるを得なかった。
下記の記事なども参考にしながら、奥多摩エリアに白羽の矢を立て、初心者でも登れるというフレコミを信じて川苔山を選定した。
https://yamahack.com/472
実際に登ってみて
結論、とにかくきつかった。
暑さによる消耗
都心よりは体感で3−4℃は低温だったとは言え、8月半ばの東京の朝8時半では30℃は優に超えており、当然ながら大量の汗をかいていた。
ただし、Finetrackのドライレイヤーベーシックをベースレイヤーに着ていたので、この時点では冷えを感じることはなく順調に歩いていた。しかし、VAAMのパウダーと水を飲む程度で、特にエネルギー源となるものを摂取していなかったので、知らず知らずのうちに消耗していて、それが後に響いたところはあったと思う。
突然の雨
事前に天気予報をチェックしていた時には、特に雨の予報はなかったのだが、見どころの百尋の滝を超えたところで雨が急に降り出す。最初は暑さを和らげてくれる恵みの雨の様にも感じていたが、止む気配もなく雨足も強まってきたので、レインウェアを着用した。
暑さにかまけてレインウェアを着るまでに15分ほどは歩いて無駄に体を濡らしてしまったのは、体力の消耗に繋がる大きな失敗だった。
改めて感じる自然の怖さ
流石のFinetrackでも発散しきれず、雨によって気温が大きく下がったこともあり、頂上まで約2kmの行程を身体の冷えを感じながら登ることになった。
また、雨の装備は準備していたものの、食料をほとんど持ち合わせていなかったこともあり、かなりフラフラの状態で登り切ることになった。
書いていると当たり前なのだが、雨に降られたのが初めてで、判断が遅れたのは経験不足の感も否めなかったかなと思う。
暑さで傷むことを恐れたこと、また、事前のルート共有が不十分で、滝で引き返すルートを想定していたこともあり、食料を持っていかなかったのは大きな失敗だった。体質的に汗をかきやすく、人よりも夏場の体力の消耗が激しい気がするので、食料は多めに用意しておくべきだった。
自然相手だから怖さがあるとわかっていはいたものの、同じメンバーでの登山を重ねてきたこともあり、事前のコミュニケーションを含めて準備に少し油断があったことは否めないと思う。
反省はこれからに活かして
下りは岩場が多く、かなり体への負荷は高かったが、全体的に人も多くなく、川も緑も綺麗で、雨がなければ非常に良いコースだった。
ただ、いつ雨が降ってもおかしくないことを考えると、現在の体力では、これぐらいの山が限界だなとも思った。そして、十二分とも言える準備をしていくことを肝に銘じて、これからも登山を楽しみたいと思う。
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