会長最後の夜

 こんばんは。私は、明日の総会にて会長の任を降りる。2年間の会長期間の思いを生暖かいうちに書き起こしておきたいと思い4年ぶりにNOTEを開きました。
 自身の過去記事を見てると、今見ると恥ずかしいながらも当時のことを鮮明に思い出します。ここは私にとって思い出の引き出しといったところでしょうか。

私が会長を務めていたのは、「熊本県青年農業者連絡協議会」通称4Hクラブ、熊本県連でした。
この組織とは何ぞやというと、農業者を中心とした世界規模の団体です。
青少年の健全な育成を目的とし、関係機関の方々の支援など受けながら、各々の農業経営の改善と農村への発展に寄与する人材を目指し、日々活動しています。
 ルーツはさかのぼること戦後農政立て直し真っ最中の1948年農業改良助長法。農村全人口を普及対象とする画期的な取り組みの中での、青年に対する教育的事業だった。つまり、当初の主たる組織の目的は当時の農業改良局長小倉武一氏が掲げた「考える農民の育成」に資するための教育的な組織であったと推察している。
 4Hの名前の由来ともなっている4つのHは
綱領であり、それぞれ

HAND 農業改良と生活改善に役立つ腕を磨く
HEART 友情に富む心を培う
HEAD 科学的に考えられる脳を培う
HEALTH 元気で楽しく暮らす

である。行動規範のようなものだ。これは、非常に抽象性が高い。そして、それぞれの主観にゆだねられている部分も多い。(気がする)
だが歴史をさかのぼると、小倉氏の掲げていた「考える農民」というスローガンに対して4Hクラブは、非常にいい意味で余白の多い、それぞれの主観で上書きする余地のある組織だなとも思っている。まさに、「考える農民」になるべく考える余地を与えてくれているようにも感じる。

さて、本題に入ろう。(眠くなってきたので)
1.会長になったときに一つだけ貫いたこと

2.これからの4Hクラブへの期待

3.楽しく!「考える農民」でありたい



1.会長になったときに一つだけ貫いたこと
 全体最適を求めた

 組織はある一定程度のところに達するまでは、できるだけ、それぞれの意思や思いを形に変えたい。そのためには、綱領や規則を理解することに努めて、私や執行部がどのような方向性で考えているかを構成員と共有することが必要と思った。皆さんの協力のおかげで、それぞれの議事に対して共通認識を持ちながら討議できたことはとても大切な経験となった。その時の会長の仕事は、会議前後の内容についての打ち合わせや段取りの根回しくらいだった。ただそれも、後々はほとんど必要なくなっていた。
 4Hは、綱領の抽象が高いゆえに多くの意見や以前からのしきたりをご指摘されることも多々あったが、温故知新も必要である。
 ただ、全体最適ばかりを求めていては、広く浅くでしか動けないので、物足りなさを感じ始めてくる。期中にもこのような発言が出てきたことは、組織として次のステップに進んでいるのだと個人的に感じていた。
 4Hクラブ員新規会員勧誘についての課題があるが、今現在の構成員が活動にやりがいを感じ、満足感や経験を積み重ねることで時間はかかるが、自然と魅力のある組織になると思う。私は今の組織に対してもそう思うが、組織の中の人が輝けば、しかるべき姿になると信じている。

2.これからの4Hクラブへの期待
どんなアップデートがされるのか楽しみ!!

 先に述べたところだが、私が会長を務めさせていただいていたときは、WITHコロナ、アフターコロナと初めての状況での活動を続けてきた。時にコロナ警戒レベルとにらめっこしながら、集合形式での開催を断念したり、ギリギリまで判断に悩んだりした時期もあった。
 そんな中にあって、定例でこれまで慣習的に行われてきていたイベントの意義について再検討する時間が多くできた。この時間は、今日の県連にとって、イベント企画運営をしていく中での大きな意味を持ったのではないかと思う。意味はおおむね同じでも、言葉や文脈が昔の体だったらすっと入ってこないと思う。
活動の目的について過去に目指していたところをくみ取って、今の私たちの言葉としてどんどんアップデートしていってほしい。
 現会長の事業計画そのものだが、時代の変化に適応し、挑戦していかれることと期待している。


3.楽しく!「考える農民」でありたい
将来に希望をもち、工夫しながら今を楽しく生きる!!

 私は、4Hに所属する中でたくさんの出会いに恵まれた。今もまだ経営に余力はなく、孫就農で経営継承して若手農家のモデルケースになる!と大学卒業時に掲げた目標はまだ道半ばであるが、道中で多くの尊敬できる仲間に出会えた。
 考える農民の本質はなにか
個人的な現時点での見解を述べておしまいにする。
本質とはなにか。
それは・・・
考えることをやめないことと変化を恐れないことである。
温故知新の精神と、今日よりも明日、より良い生活を目指して精進することではなかろうか。
 
ここで一言補足しておきたいのは、「撤退も戦略である」ということだ。
前に進むだけが精進ではない、心身の充実あってこその生活と仕事と考える。休んだり、やめることは、時に必要となる選択肢なのだ。

まだまだ、書き足りないこともあるしいろいろ仕事思い出したりしてぼちぼち書いてたらあっという間に一週間以上たってしまった。
時がたつのは早い。20代も後半にきてさらに加速度が増したようだ。

思い立ったら行動と思いNOTEを開いたが、もう年を取ると思い立っても意外といろんなことしてしまいがちだ。いろんなことに気を取られ、仕事があふれて手につかない。

だからこそ、思い立ったら即行動!のつもりでこれから来る30代の自分には是非とも頑張っていただきたい。


 最後に、4H会長をしていて特に感じたことをかいて終わろう。 
私が思うに4Hクラブは、農民自らが求めることによりこの組織の価値は最大化され、また支援機関や仲間とのシナジーも無限大に引き出すことができると思う。
「4Hクラブのメリットは何ですか」
としばしば質問されることがあった。
私の答えは、
「青年農業者からでも、求めれば多くのものはここにあり、学びや実際に経験をすることができる。そして、その過程をも学びとすることが非常に重要」と思ってます。

「求めよ、さらば与えられん」という言葉があります。4Hの綱領の抽象性と、あえてあけられた解釈の余白には、小倉さんがそれぞれの主観を当てはめて取り組むことを期待していたのではないかと個人的に感じています。
そういった多様性こそが、今後の日本農業を強く支えると信じています。


 少し話はそれましたが、今後の4Hクラブの益々の発展を祈るばかりであります。いちクラブ員として、県連の皆さんのご活躍を、陰ながら応援しています。


今宵も夜が深くなってきましたね。
それでは、おやすみなさい。

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