アカウント発行の高い高い壁

むかし仕事で、自社サービスの登録状況をみる立場にいました。


アカウントが発行されて、パスワードでマイページにログインするという仕組みです。


ユーザー目線で、一つ一つについて気にしだすと

強迫は留まることを知りません。


お客様がセキュリティを心配して「アカウントを抹消して欲しい」という要望はよくありましたが

ある男性のお客様は「消えたんですよね?」を10回以上聞いてきました。


私は、あまりに自分と同じ思考回路をしている男性に少し興味が湧き、同じ事を何度聞かれても初聞のように回答し続けてみました。

安易に相手が病気だと決めつけるのは良くないけれど

明らかに強迫の兆候があるお客様だったので、強く記憶に残っています。


私も、幾度となくそういった強迫に囚われたことがあります。

例えば、何気なくダウンロードしたアプリ。

無償に消したくなって、ただ、アカウントを完全に削除しないと許されないので

ログインしようとしたけれどIDやパスワードを忘れて出来ない。再設定したり、問い合わせたり、労力をかけてやっと削除画面に辿りつき、ここからスタート。

一つ一つの入力項目や画面を確認し続け、やり直し続け、永遠に終わらない。


もっと突き詰めてしまうと、スマホというブラックホールの中では完全に抹消するなんて不可能なのに。

面倒なら、最悪、そのまま放置したっていいのに。

(セキュリティ上よくはないけど、死ぬわけじゃなし)


結局のところ、セキュリティ上の不安があるというより

消されるべき物が存在することへの見えない汚染恐怖みたいな感覚です。

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