世界が終わる前に1
エイプリルフールなんて、とっくの前に終わったはずじゃないか。
隕石が地球にぶつかって僕らの一生は明日までだなんて、どんなB級映画の内容なんだ。
だけれどどんなにテレビのチャンネルを変えても、同じ報道しかしていない。
いつしか、テレビの画面は真っ暗に。
確かに明日までしか生きられないなら、テレビ放映してても仕方ないだろう。
どうやら世界包みのくだらないドッキリでもないらしい。
カーテンから部屋の外を覗くと、異様なほどに静かだ。
現実が受け入れられないのだろうか、それともはたまた突拍子もなさすぎてくだらないドッキリと思うしかないのだろうか。
けれど、実際終わりが来る瞬間というのはこういうものなのかもしれない。
こんなにも明確な死へのタイムリミット。
きっとそれぞれに物語があるのだろう。
あと24時間しかない命。
僕はどうしようかと想いをめぐらせるのであった。
(続く)