七草にちかLPの感想
にちかのLP鑑賞です。
(にちかの他のカードやシナリオイベントのネタバレがたくさんあります)
まだ、どこにも
プロデューサーと一緒に買い物をする姿は、3次【夜よこノ窓は塗らないデ】で一緒に買い物をしていた姿を思い出します。
プロデューサーがわかってる、みたいな目で見ているとにちかが感じるのは、今の自分にとってプロデューサーが理解者に感じられるということではないでしょうか。
これは靴の話ですね。 ここでの靴は大きく二つで重複的な解釈が可能だと思います。
1. GRADでプロデューサーからもらったにちかの足に合うけど、履きたくなさそうな靴
2. ’そうだよ’の歌詞の’私を連れて行ってくれる靴’
プロデューサーが準備してくれた靴、アイドルとしての方向性あるいは仕事をまだアイドルとしての目標を達成していないため、どこにもいってなかったためはくことができず、はきたくないと解釈できます。 セリフが出てくる状況を考えてみると、プロデューサーがまだ離れていないのではけないともみえるんですが、そういう場合は後ろのはきたくないという言葉が少しぎこちなくなるため、’そうだよ’の歌詞のように靴は私を月まで連れて行ってくれる存在なのに私はまだアイドルとしての目標を達成できず、どこにも行けなかったからまだはけずはきたくないと解釈できます。
その後、路上で見たコンビの一人が番組に出演したのを見てこう思います。 コンビについてはノー・カラットで登場したことがあります。
私と言おうとして私たちと言うこの部分。 すごいなと思います。 今は美琴さんのユニットではなく私たち、そして私(一人)から私たち(シーズ)に変わったんです。 もうシーズは一人が二人いただけのユニットではないということです。
セヴン♯スのこの部分を見ると、にちかはまだシーズとしての位置よりも、美琴さんの隣という位置に注目していました。
けど、セヴン♯ス のこの流れによって、美琴とにちかはやっと一つのユニットとしてシーズになり、にちかの精神的な不安も解消されました。
みえて、きたって
まだたぶんという言葉がついてはいるけど、一緒に目指してるというセリフをにちかの口から聞けるのは本当にいいことですね。 やはりセヴン♯スの後なので、美琴と’一緒に’やっているという認識がちゃんとできて嬉しいです。
ダンストレーナーのこうした評価を見ると、にちかのアイドルの外的な部分は確実に成長したと思います。
にちかの自己卑下的な言葉がまた出てきましたが、違う点はプロデューサーがそれに対して否定し、その言葉ににちかが反論できなかったということです。 それまでのにちかなら、プロデューサーが否定しても聞かずにずっと自分を傷つけながら文句を言ったでしょう。
学生の中でシーズのファンが多いと聞いたのにこのような心配をすることはまだ自信が足りない状態だと思います。そしてシーズのファンなら美琴さんのファンだとまだ思ってるんですよね。 自分を応援するファンがいるとは思っていない状態です。
そういう、目
にちかがこんなに褒められる場面を見るまで何年も待ってきたのでしょうか…
このセリフを言いながら背景にセヴン♯スのエンディングのフェンスを見せる演出は本当にずるいと思います。
この部分はにちかが褒められ、自信感を回復される場面だと見えるんですが私はにちかの魅力を十分に気付く部分とも見えます。
にちかのキャラクター性は何か?について質問すると多分ほとんどのにちかの話を知っている人たちは'犯人'あるいは平凡さを話します。にちかは加入初期から様々な言葉を通じてとても平凡な才能の少女という事実が強調されてきました。
でも、プロデューサーはにちかの中で何かを発見したから彼女を合格させてプロデュースしました。
ここでプロデューサーの言葉をもう一度考えてみましょう。 283プロの子たちには皆特別な面がありますが、普通な女の子だという意味になりますが、どの才能もないにちかにとっては果たして特別な点は何だろうという疑問が生じます。 以前まではこの疑問に対する答えを私は普通な子も夢に向かって努力し続ければいつかアイドルになれると解釈していました。 でもセヴン♯スを読みながら、そして今回のLPを通してこの解釈は変わりました。 にちかはとても普通ですが、アイドルへの情熱はすごい子です。
にちかはアイドルへの情熱が大きすぎて必死に努力し、その姿を見る人たちにこの子を幸せにしてあげたい、あるいは私も頑張らなきゃという気持ちをあげる特別な力があり、これこそにちかが持つ才能でありキャラクター性ではないかと思います。
今までは単に自分を傷つけるために使用してきた言葉が今は意味が変わってしまいました。この言葉を聞きながらこれほど心が苦しくないことはなかったです。
凡人、枠
新人お笑いについては、先ほど言ったようにノー・カラットでも一度登場し、にちかが自分をなぞって自己卑下的な意味で批判する場面が出てきました。 ここで再登場したお笑いも、にちかが自分をなぞらえて見る対象という役割をそのまま持っています。 シーズのように二人コンビということ、二人のうち一人だけが芸能活動に活発に参加していたこと、キャラクターが重なるかもしれないと言った点、そしてお笑いの目標がにちかのように家を建てることだというのがこれを表しています。
にちかが自分をなぞらえて見ている相手にこんなことを言われる場面はとてもつらいのではないかと思いますが
と言って順にノー・カラット、モノラル・ダイアローグス、セヴン♯スの場面が通り過ぎる演出と共に克服する姿。にちか… 成長したんだ… やはりセヴン♯スの後のにちかは安心です。
にちかがこんなに打ち返せるほど内面が成長するなんて…
懸命さと、あと
美琴が目指している最高のパフォーマンスをこなしたら、美琴がどこかに行ってしまうのではないかというにちかの不安を解消してくれるプロデュースの言葉ですね。
頑張っている子供たちの姿からきらめきを見て、自分の中にはあんなきらめきがもうないとにちかは思います。
そしてそんなにちかにもっとまぶしいと言ってくれるプロデューサー。 頑張るということについて語るプロデューサーの言葉は、上で話したにちかのキャラクター性とも関係しています。 アイドルへの熱望があまりにも大きくて必死に努力するため、彼女を見る人たちが元気をもらいながらまぶしいと見えるのです。
期待を受けているという言葉を聞いてにちかの口から最高のパフォーマンスを見せなきゃという話が出るほどにちかは今成長しました。美琴のためだけではなく自分たちのステージを期待しているファン、子供たちのために最高のパフォーマンスを作ろうとするんです。
自己卑下的なところ、そしてシーズのちょっと上手くない方と呼ばれていたストレスなどが混ざって応援してくれるファンという存在に気づかず、感謝祭でも感謝する対象を見つけられずにいたにちかがファンの存在のおかげで自分の成長に気づき内面的にももっと成熟できる機会をつかむようになる、この流れは本当にお気に入りです。 もちろん感謝祭を読んだ当時は本当に胸が痛かったんですけどね。
’アイドル’という存在は基本、ファンという存在があることで成立が可能です。幼い時のにちかがまるでそうでした。家族というファンが存在したためアイドルだったが、アイドルではなくなって、アイドル活動をするけど、自分のファンの存在を直視しなかった時期がありました。これはファン感謝祭で感謝する対象を見つけられなかった姿とLPのシーズのファンが多いと聞いたけど不安にしている姿で見えます。シーズのファン=美琴さんのファンだと思うのです。しかし、自分のファンの存在を直視するようになった今こそにちかが再びアイドルになった瞬間ではないでしょうか。これはセヴン♯スでにちかがなみちゃんに言った言葉とも続きます。
家族というファンが存在することを認知しており、家族内でのアイドル活動を楽しんでいた家族内のアイドルだった時代。(過去)
283プロに入ってアイドル活動を始めるが、自分の能力不足、世間の評価、自分の席を奪われるかもしれないという不安感などでアイドル活動を楽しむことができず、自分のファンの存在を直視できなかったアイドルではないころ(セヴン♯ス前)
美琴が帰ってきたことで、持っていた不安感が解消され、プロデューサーがくれた靴のおかげで自ら傷つかず歩くようになり、自信もできて世間の評価も気にせず、自分のファンの存在を直視し始めて再びなり始めたアイドル(LP)だと思います。
Wingでも感謝祭でもGRADでもユニットシナリオでもステージを楽しめなかったにちかがこれほど楽しそうなトーンでステージを楽しむ姿は本当に感無量です。
その、せなかに
一人しか出られなかったお笑いがコンビに出て成功する姿を見て、にちかはシーズとしての自分たちを見ることができたのではないでしょうか?
にちかが作った豆腐のチーズケーキをプロデューサーに渡そうとしたところ、プロデューサーが忙しく出掛けるから冷蔵庫に入れておくから戻ってきて確認してくださいという場面です。ここは【夜よこノ窓は塗らないデ】でにちかと食べ物に関して’家族’という概念について話したことがあるんですが、これを思い出しました。
【夜よこノ窓は塗らないデ】ではにちかと買い物をしたり、同じ食べ物を食べる行動を通じて、にちかが持っている'家族'という概念について話が流れます。過去、家族とともにすき焼きをたべる時卵を破って良いことがあるように祈って食べた思い出を言ってくれたにちかにプロデューサーはにちかに良い事があるように二つも祈ります。同じ食べ物を同じ場所で一緒に食べているけど、同じ鍋ではなく個別の鍋で食べている場面でにちかの家族、もしくはそれに似た保護者の役割になりたいプロデューサーの姿とまだそのようには行われなかった姿が描かれました。けど、今回のLPでは、にちかが直接作った食べ物をプロデューサーに伝えてくれたというところで、ある程度進むことができたのではないでしょうか。
’行ってきます’と’いってらっしゃい’で終わる話。 本当に最後の余韻まで とてもいいストーリーでした。 【ヴぇりべりいかシたサマー】での’おかえり’、’ただいまです’のシーンを思い出すと、さらに余韻が大きく残ります。
【ヴぇりべりいかシたサマー】では自らの悔しさに飛び出したにちかが帰ってくる場所にプロデューサーがいることを見せたし、今回のLPではプロデューサーがしばらく離れても自分に戻ってきてくれることを知っていたからこそ出てこられた場面ではないでしょうか。
余談
にちかのLP、本当に素晴らしかったです。 八雲なみというアイドルを見て影響を受けた子供が、今は他の子供たちに影響を与えるアイドルに成長する物語… 本当に素晴らしいです。 Landing Pointという名前のように成長した姿もよく見せてくれて、しっかり着地したという感じが強かったですね。 確かに今までGRAD、セヴン♯スなどを経験しながらにちかに自己卑下的な面が減ってきたのが見え、子供たちと会ってからは自信も回復する姿も見られました。 ステージを楽しめるアイドルになった七草にちかの話はこれから始まるのではないでしょうか。
そして今回のLPを読んだ後にフェアリー・ガールを聴きながら、我儘なままでの紫月杏朱彩さんを思い出してください。 にちかが··· あんなに笑いながら歌っているんだよ…!!!
最後までお読みいただきありがとうございます。