カリブの女王 第11章 海賊の一団⑦
翌日、稲妻号はユカタン半島の東岸に沿って進み、コスメル島を楽々と横切ってカトチェ岬に到着した。キューバ島に近いことから、沿岸水域でスペイン船に出くわす可能性がとても高かった。それで、稲妻号は危険が迫った時に、沖に出やすいようユカタン海峡の真ん中を進んだ。黒い海賊にとって、その水域で姿を見られないことが大事だった。稲妻号の本当の航路を疑われ、誰かがメキシコやカンペチェの海洋都市に知らせに走り、警戒することがないようにするためだった。
幸い、ユカタン海峡での航行は、敵と出会う