カリブの女王 第10章 ユカタン半島の海岸⑦
黒い海賊の期待通りだった。2日ほどあとに海賊は、湾から50から60マイルほどのところを行く小さな船を見つけた。海賊の頭(かしら)たちが外洋に送った偵察船だった。稲妻号に気がつくとすぐに旗で合図し、空砲を2発撃って素早く向かってきた。
「わたしたちを待っていたんだ」黒い海賊がモーガンに行った。「一団がメキシコ総督の快速帆船にも立ち向かえるくらい大勢だといいのだが」
「仲間が全員いるでしょう」副長が答えた。
しばらくして黒い海賊はタックで近づいてくる小さな船を注意深く見ながら