カリブの女王 第14章 タミアワのラグーン⑦
「わあっ!」カルモーが驚いて叫んだ。「何が起ころうとしているんだ? あのワニどもは俺たちを嫌っているわけじゃなさそうだな」
「そうだな、相棒」モコが答えた。
鋭い叫び声が、続けざまに2つ起こった。別のカイマンワニが2匹、しっぽで激しく水を打つと、水路の真ん中に身を躍らせた。1番小さいワニが身を引いて、島を囲むマングローブに寄り掛かった。残りの4匹はものすごい激しさで互いに飛びかかり、口を開き、恐ろしい歯を見せた。怒った雄牛のように鳴き、激しくしっぽを振って、波を泡立たせた。