カリブの女王 第9章 ヤーラの憎しみ⑦
「お前の国は金が豊富にあったのか?」黒い海賊が尋ねた。
「はい。豊かな金鉱があり、何世紀も前からわたしたちの奴隷が働いて、ダリエンの王に年貢を納めていました。莫大な宝が山の中洞窟に積み上げられていて、族長だけがその場所を知っていました。
ある日、わたしの父は白い男を信用して洞窟に連れて行き、巨万の富を見せたのです。悪党は、してもらった親切を忘れ、その日からわたしたちの民を裏切ることばかり考えました。金の山を自分のものにするために。
病気になったふりをして、しばらくのあいだ