読点「、」を適切に打って情報を読み取りやすくしよう
クイズ
読点(、)を打つ目的は何でしょうか? 何のために読点を打つと思いますか?
たかが読点、されど読点
携帯メールが普及し始めた頃からでしょうか。読点がまったく打たれていない文章(特に大学生の文章)を目にするようになりました。携帯メールの短い文章ならば読点がなくてもよいかもしれません。しかし、読点が打たれていないレポートは、本当に読みにくいのです。
逆に、読点が適切に打たれている文章はとても読みやすい。たかが「、」ですが、とても大切な「、」なのです。
読点を打って意味のまとまりを示すことにより、情報を読み取りやすくする
例文をみてみましょう。
例A-1は読点がないので、どこからどこまでが意味のまとまりなのかがよくわかりません。
一方、例A-2は読点が打たれているため、前半「オンライン会議システムを使うと」までが条件、後半「ディスカッションをより効率的に進めることができる」がその効果であることがわかります。その結果、情報を読み取りやすくなっています。
読み手に勘違いさせないために読点を打つ
「読み間違い」というと、なんだか読み手がいけないような感じがありますね。しかし、本当は書き手が読点を適切に打っていないために、読み手に「勘違いさせている」のです。
以下の例文は、読み手に勘違いさせてしまう文章です。
例B-1は読点がないので、「パトカーはフルスピードで逃げる」と一瞬読んでしまいます。最後まで読んでやっと「フルスピードで逃げるのはバイク」であることがわかります。
この文は短いし、パトカーの役割を知っているので、私たちは意味を理解できます。しかし、専門的な内容で、かつ文が長くなると、どうでしょうか?何度も読み直すかもしれませんし、意味を勘違いしてしまうかもしれません。
オススメの書籍
テクニカルコミュニケーター協会編(2016)『日本語スタイルガイド第3版』テクニカルコミュニケーター協会
読点の打ち方のルール「漢字やひらがなが続いていて、読みにくいときに打つ」「語句の係り受けをはっきりさせるために打つ」「文頭の副詞や接続詞のあとに打つ」などが例文とともに紹介されています。
見延庄士郎(2016)『新版 理系のためのレポート・論文』講談社
とても良い本です。「理系のため」となっていますが、文系学生にも役に立つ本です。具体例が豊富でわかりやすいです。この本の中でも「読点で構造を明確に」と説明されています。読点、大事!