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手の美術館

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『手の美術館』は、インターネットの中だけにある美術館。展示されるのは、手の写真ばかりです。 手は体の中で最も「生業」が刻まれる部分です。生業の裏には、必ず人生があります。ここでは…
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#コラム

<作品03>貴石研磨職人 依田和夫の手

よだ・かずお 職業:貴石の研磨職人 ---------- 「この仕事をやる前は女の子のような手だったんだよ。」 と言って、こちらに手をかざしながら笑う。爪の間に仕事の汚れが染み込んではいるが、確かにその指は、男性にしては細く華奢(きゃしゃ)である。 「結婚した時、指輪が9号でね。奥さんは13号だったんだけんど、巫女さんが間違って、私の指輪を奥さんに渡しちゃったわけ。入らんつうわけだけど、緊張してるもんだから違うって言えんでね。」 甲州訛りを言葉の端に覗かせながらそう

<作品01>絵描き 近藤康平の手(2019)

こんどう・こうへい 職業:絵描き、ライブペインティングパフォーマー ---------- 薄暗いライブハウスに浮かび上がる、真っ白なキャンバス。ミュージシャンがメロディーを奏で始めると、キャンバスの前でうつむいていた一人の男が、突然何かを思い立ったように、堰を切ったようにアクリル絵の具の塊を手ですくい始める。筆ではなく、自らのその手で。ライブペインティングの幕が開く瞬間だ。 彼の名は、近藤康平。木製のパネルに筆を使って描き込む絵画の創作の一方、音楽からインスピレーション