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atsuko
2020年12月28日 18:51
二〇二〇年、令和二年という年は、全世界が不安に包まれる一年でした。文明が高度に進んだかに見えた私たち人類の非力を見せつけられ、身を護り、心折れず、生き抜く術を試され続けています。この期間、尾崎一雄さんの作品をいくつか読み直したのですが、もし今の世に尾崎一雄という文学者が生きていたら、どんな言葉でこの状況を表しただろうかと思ったものでした。戦後の尾崎さんは、作品を通して、行き過ぎた科学万能主義に