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その小説の狙いは? <小説執筆>

新作のプロット作業は、アイディア出しがほぼ完了しました。ここから第二段階に入ります。小説の全体像が俯瞰できる『シーン表』を作成していきます。

『シーン表』は名前の通り、小説のシーンを一覧化したものです。その中の「シーン」を繋げると「あらすじ」になるようになっています。私の場合、この「あらすじ」を書くまでを、プロット作業だと考えていますので、とても大切です。

『シーン表』の構成や書き方は、以前の記事にまとめました。興味があればご覧ください。

【小説の狙い】

今、取り組んでいることの報告です。
【小説の狙い】をしっかりストーリーに反映させること。
今回の小説は何が狙いなのか? 何を書きたいのか? どういうミステリなのか? そして読者をどのようにもてなすのか?

どういうことか具体的に言うと、
本格ミステリなのか、社会派なのか、特殊設定なのか、サイコホラーなのか、サスペンスなのか、SFミステリなのか、……というようなことです。

これは極めて重要なのですが、ともすると書くことの楽しさと完成を急ぐあまり、忘れてしまいがちです。しかしこの狙いがぶれてしまうと、
何が書きたいのか意味不明で、読者が楽しめない、中途半端で独りよがりな小説になってしまいます。
(そこまで言わなくても良さそうですが)
そうならないように、この設計段階でしっかりと精査しておきます。

シーン表に一つの欄を加えて、そこに狙いをメモしておくのです。一つの節に一つ以上、その狙いを反映する要素が入るようにします。
本格ならば、謎は何か、トリックは? 探偵役のキャラは? 伏線と回収はなどなど。
(すでに入っている場合は、内容を確認しダブらないようにします)

ミステリのネタが割れてしまいますから内容は書けませんが、例えば前作の『ロスト・ドッグ』でイメージしてもらいます。『ロスト・ドッグ』は、
犬好きの人に読んでもらう社会派ミステリを目指しましたから、この【小説の狙い】の欄の内容は
【人とペットの向き合い方でした。

どの節にも必ず、飼い主の犬への思い、犬の無償の愛情、現実的な高額医療費の問題、さまざまな人間の事情、犬を取り巻く社会問題……などを書くことで、小説の骨の部分が読者に伝わるようにしました。

【小説の狙い】がすべてのシーンの隣の欄に入れば、揺るぎないシーン表ができるはずです。なので現在の作業としては、【小説の狙い】を確認しながら、一つ一つのシーンを書いています。

シーンを書きながら、主人公の行動がおかしくないか、余計な話をしていないか、足りないものがないか……狙いからはずれていないか、確認しています。

地道な作業ですが、これによって完成した小説のクオリティは上がっているはずです。
こういうことをおろそかにすると、後からブラッシュアップという手間が発生するのです。

以上、進捗報告でした。



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