『参考文献』に載せる本は? 中山七里さんに言われたこと <小説執筆>
資料読みは必ず報われる
このところはずっと資料を読みあさっています。今日もそれを続けます。
手元には使おうと思っているアイディアやテーマに関連した書籍が10冊ほどあります。10冊読んで使えるのは、1~2冊だったりします。しかも役に立つのは数ページだけということも普通です。
その代わり一冊のほんの一行に書かれていることで、迷いが吹っ切れたり、先が見えたと有頂天になることもあります。
図書館にお世話になっています
この段階では無駄を恐れずに何冊も目を通すことにしています。だから資料は図書館にお世話になります。小説家の端くれなので、本は購入したいのですが、とてもお金と蔵書するスペースがついていきません。
図書館の棚で関係しそうな本があればごっそり借りますし、図書館のHPでキーワード検索して引っかかった本は端から予約します。おそらく地域の図書館を一番利用しているのではないかと思います。
余談ですが以前葛飾区に住んでいたときは、隣接する区の図書館も利用できたので、葛飾区・墨田区・江戸川区の三区の図書館利用カードを持っていて
常時数十冊借りて、数十冊予約をしていました。
(図書館利用の話はいずれどこかで)
『参考文献』に載せる本
何度も熟読して、ラインを引いたりメモを書き込んだりするために購入する本は、最終的に小説一冊につき、数冊ですが、それはもう宝物のような存在です。
小説を書くためにアドバイスしてくれて道を示してくれる相棒なのです。
私の本棚には、書いた小説と相棒の資料がセットになっています。
だから私は『幻の彼女』で福ミスを受賞したとき、それらの書籍を、受賞作の巻末に『参考文献』として載せたのです。
七里さんに言われたこと
私の授賞式のスペシャルゲストが、中山七里さんでした。すごい気配りの方で場をなごやかに盛り上げてくださいました。『幻の彼女』についても、いろいろと感想をいただきました。
その中で「参考文献がネタバレになってますよ」と言われたのです。私は書籍とその著者に感謝の意味を込めたつもりだったですが、確かにその書名が『幻の彼女』のトリックをずばり説明していたのです。
ミステリを書くときは最後まで気が抜けないと感じ入りました。「まあ、参考文献を最初に読むのは僕ぐらいでしょうけどね」と七里さんが笑ったのを今でも思い出します。
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