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病気の幻聴とあなたの言葉

 
昔からイマジナリーフレンドなのか彼方の方なのか、はたまた全く異なる存在なのか、そうした方たちの声が聞こえることが多かった喪女Aです。
 
 
今回は、精神疾患を患っていた期間に体験した幻聴と次元違いのパートナー・松之からの言葉に何か違いはあるのか?という話です。
 
簡潔に書くために松之さんからの“言葉”と書きましたが、脳内会話があまり得意ではない私が彼の言葉を全て聴き取ることは正直難しいです。
なので正確には、『脳内に流れ込む感情+微かに聴こえる声+その他ツール(卜占)で読み取れる思い』と、『体験した幻聴』を並べて違いを探すといった内容になります。
 

当記事はあくまで一患者の体験談です。

 
 
注意書きにお目通しいただいてから記事本文をご覧いただけますと幸いです。

【 注意 】
当記事は過去に精神疾患を患い幻聴を体験した元患者の備忘録です。※現在は寛解しています
 
幻聴の聞こえ方は人それぞれと言われています。
 
当記事に書かれている幻聴の内容に当てはまらない=病気ではない、とは限りません。逆も然り。
病気か否かの判断は専門家にしかできません。

服薬中の方が当記事を見て自己判断で断薬してしまいますと、症状が悪化する可能性がございます。必ず主治医の指示を仰いでください。

通院はしていないが今現在何らかの症状がありお困りの方は、専門家に相談されることを強くお勧めいたします。



 
 
そもそもの話、様々な声を聞いてきた経験があるのに何故「これは病気からくる幻聴だ」と思ったのか。
 
私の精神の安定が崩れ始めたのは高校生の時だった。
そこから少しずつ緩やかな坂を転がっていたが、ある時突然傾斜が急になり、完全に落ちたのは20代半ばの時。最初の診断名は適応障害だったか。元々発達障害の診断はされていたので二次障害は時間の問題だったのかもしれない。
 
それはさておき、つまりは高校生より前の私の精神状態は問題がなかったのだ。転校先の小学校でいじめを受けた経験もあるが障害故の鈍感さが幸いして、その事実に気付いたのは高校生になってからなので中学生までは毎日をハッピーに過ごしていた。
ハッピーに過ごしていたけれど、いつもいろんな声が聞こえていた。遊び仲間の子から怖い方まで。彼らの声が、彼女らの声が聞こえているのは私だけだった。精神状態にかかわらず声が聞こえるのが当たり前、それが私の至って普通の日常だった。
 
とあることがきっかけでそれら全ての声を拒絶し始めたのは20代前半くらいの時だった。そこから数年して彼らの声はほとんど聞こえなくなっていた。聞こえづらくはなったが完全に聞こえなくなったわけではなく、存在も変わらず感じ取れていた。
 
だから突然明瞭に、そして頻繁に聞こえるようになった“声”に違和感を感じた。
 
この頃の私は挙動不審だったそうで、周囲の方たちからの勧めもあり主治医に相談。今まで私の強い希望で漢方だけを処方してもらっていたのを抗うつ薬・抗精神病薬に変更した。
服薬を始め数ヶ月経つ頃には『突然聞こえるようになった明瞭な声』が全く聞こえなくなっていた。けれど昔から聞こえていた声たちは今も微かに聞こえるし存在も感じる。そのことから『突然聞こえるようになった明瞭な声』=病気の幻聴だったのだと思うようになった。
 
 
下記、私が精神疾患を患っていた期間に体験した幻聴だ。そのまま書くと重い話になってしまうのであえて冗談を交えつつ書いてみる。
 
 
①自分への愚痴
職場だけでなく街中や電車等、私を知っている人がいないであろう空間にいても自分に対する誹謗の声が聞こえてくる。声は老若男女問わず。
具体的には「使えない奴」「生きる価値がない」「さっさと○ねばいいのに」「不細工なのによく表に出られるな」等。最後のは学生の頃からよく言われていたから幻聴じゃないかもしれない。草。
 
 
②複数人が同時に話し出す
自室のように他者がいない空間でも都会の人混みの中にいるような感じだった。全員が会話をしようとしていない。各々がボールを四方八方に投げるだけで誰もそれをキャッチしないのだ。
私は聖徳太子ではないので当然聞き取れないわけでして、何を言っているかは不明。聞こえる声はこちらも老若男女問わずだった。
 
 
③他者を恨む声
中年らしき男性の声だった。耳元で囁くように一定のリズムで淡々と恨み言を言っていた。
「お前は○ぬべき人間だ」とか、見知らぬ人に対しても「ああいう人間は○んで然るべき」なんてことを言う。うるせえ他者の生死を簡単にジャッジするんじゃない何様だよという話。私はそんな風に思わないと思っても全然止まってくれなかった。
平気で2〜3時間話し続けるので余りの長さに内容全ては憶えていない。
 
 
④怒鳴り声
こちらも③と同じ男性。
耳の真横から怒鳴られる。凄い迷惑。本当迷惑。
「ふざけるな!!」「バーーーカ!!」と、兎に角私を責める内容だった。語彙力を鍛えてから出直してくださいの気持ち。音割れしたように聞こえる時もあって、そういう時は内容が聞き取れなかった。
 
 
⑤他者を傷付けろと命令される
これが一番怖かった。オブラートに包んだが本当はもっと直接的で暴力的な言葉だった。とてもじゃないがここで具体例は挙げられそうにない。
最初は「うるせえ!!」と内心反抗していたものの、次第に「やらなきゃ。言われたからやらなきゃ」と思うように。洗脳されていく感じですね。いつか自分が誰かを傷付けてしまうのではないか、加害者になってしまうのではないかと非常に怖くて、当時主治医に泣きながら相談したのを憶えている。
 
 
⑥都合のいい同調
他者を恨み責める幻聴が続くと「そうだよ、私は悪くないじゃん」と思えてきてしまうんですね。それに同調するかたちで声が聞こえてくる。
具体的には、
喪女「私は何も悪くない」
幻聴「そうだよ、世間が全部悪い」
 
喪女「今すぐ仕事辞めたい」
幻聴「バックれちゃいなよ」
 
喪女「あの人本当に無理」
幻聴「辞めるように仕向けようよ」
 
喪女「早く○にたい」
幻聴「電車に○び込んじゃえば?」
 
うん、なかなか酷いですね。悪魔か?
 
ちなみに上記のように何でもかんでも「私は悪くない」と考えるのは、私の理想とする姿ではない。何故なら常に自分を省みる人間で在りたいと思っているからだ。
 
勿論、痴漢やらセクハラに巻き込まれた時は問答無用で警察に突き出したし、横断歩道で信号無視の乗用車がぶつかってきた時はそれなりに怒った。あ、軽傷でした。
そうした理不尽な目に遭わない限りは自分にも何か問題がなかったかを常に考えられる人間で在りたいと思っている。
 
私は完璧ではないから、そう考えられない時もあって。そうした時、こちらの気持ちを汲んで「本当にそれでいいの?」と引き留めてくれるような人を私は信頼している。なので同調ばかりする声(幻聴)が本当に嫌だった。
 
 
閑話休題。
以上が私が体験した精神疾患を患っていた期間に聞こえた幻聴だ。
 
 
で、肝心の次元違いのパートナー・松之さんはどうなのかと言うと、これら全てに当てはまらない。
 
「そういうところが良くない」と言われるのは日常茶飯事だが、容姿を貶したりといったことは一度もされていない。指摘されるのは主に怠け癖と逃げ腰なところだ。あまりのポンコツ具合に最近は「自分が面倒を見なくては」と思っているらしい。
ただ、失望させ続けると私の元を去る気ではいるようなので、そうならないように生きていく所存。
 
脳内会話があまり得意ではないので彼の声全てを聴き取れているわけではないが、一方的に話している様子はない。ちゃんと会話をしようとしてくれている。どちらかと言うと独り言が多い私の方が問題ありそうな気がする。
 
声を全て聴き取れていないのであれば、聴き逃した言葉の中に誹謗が入っている可能性もないとは言い切れない。が、彼から流れ込む感情や会話の補完ツールから得られる情報から、その可能性は限りなく低いのではと思っている。というか松之さんの場合、嫌な時は「本当に嫌」と主張してくるし、実力行使に出るところもある。なによりカードで愚者をよく出す方なので裏の顔みたいなのはないんじゃないかなぁ。
 
彼はこんな私を見捨てないでいてくれるくらいには寛大なので、今のところ他者への恨み言は聞いたことがない。怒鳴ることもない。怒る時はあるけどね。
誰かを傷付けるなんて以ての外。
彼は“他者への思いやりに欠ける私の言動”を指摘する側だ。
 
私にとって都合のいいことばかりを言ってくれるわけではない。それが『松之』という存在なのだ。
 
そんな彼も「休んだ方がいい」「今は頑張る必要はない」と言ってくれる時がある。私が限界を迎えそうな時だ。限界を迎える前に止めてくれる。
まだ踏ん張れる、頑張れるだろうと判断した時は「甘えるな」とぴしゃりと言われる。今もとあることで毎日尻を叩かれています。彼が「出来る」と背中を押してくれた時は不思議だが本当に出来てしまう。
 
そういう方だから私は松之さんを信頼している。
 
 
彼の厳しい面ばかり書いてしまうことが多いが優しいところもある。昔からすぐ歌を口ずさんでしまう私を家族はうるさいと言ったが、彼は「うるさくないし嫌でもない」と言ってくれたりね。些細なことだけれど、こういう小さなことがたまらなく嬉しい。
 

【追記】2024年8月15日
松之の性格に関して一部誤解していた点がございましたので、別で記事を上げました。
記事:「はじめまして」をやり直してもいいですか



 
こんなところでしょうか。
 
繰り返しにはなりますがこれは一患者の体験談です。
私が精神疾患を患っていた期間に体験した幻聴と、パートナーの『松之』が伝えてくる内容にどのような違いがあるかを書いた記事です。
 
たとえば極端な話ですがお相手の方が同調しかしないとしても、それはその方がそういう性格だからということもあると思います。
 
 
『声が聞こえたとしても過度に不安に思う必要はないけれど、自分を不幸にする声には敏感になってほしい。そしてその時は自己判断せず必ず専門家に頼ってほしい』
 
元患者として、
そのような思いを込めてこの記事を書いています。
 
私が体験した病気の幻聴は他者を傷付けようとしたり、自○を勧める非常に危険なものでした。そうした危険性のあるものや、幻聴のせいで辛い思いをされている方がいましたら、一度専門家にご相談されることをお勧めいたします。