げんかつぎ
私の生態を定期的に見聞きしたりでよく知っている人なら分かると思うのですが、私はげんかつぎがおそらく大好きな部類だと思います。
雑誌の占いコーナー等で、'やぎ座のみなさん今週は赤いマフラー巻いて!'なんて書いてあるのを見つけようものなら、何何!とすぐ素直に反応を示し、ちゃっかり赤の何かしらを纏って元気よく群衆に紛れてみるタイプ(笑)
今日はげんかつぎの食べ物の話です。
私には、このコロナ禍で混乱するニ年近くの間、日本に現存する三件の温泉町のストリップ劇場で踊り子として従事する時間がたくさんありました。
蔓延防止のお触れ通りの人の動きに左右され、観光のお客さんたちもパタりと姿をみなくなる時期や他にも避けようのない災害などが降り掛かる時期に私は特に従事する巡りあわせでした。
それでも劇場さん方も、わたし共の生活を案じて下さったり、一度止めてしまった営業を再開させる大変さを慮られてか、色んな工夫と苦労を背負って今も営業を続ける判断を下されています。
どうしたって、こんな時は人も歩かない、来るお客さんだって、予定していた人だってさすがに今回は見送ろう…ゴーストタウン化した温泉町を前にして、決まった時間が来ればお店の看板には灯りがつき、シャッターはあげられる。
もしかしたら今日はお客さん誰も来ないかも知れないけれど…せめて元気をつけなくては
これはまごうことなき気持ちで
…
今でこそ、その傾向がだいぶ真っ当におさまってきたから白状できるのですが、一昨年の一年間はだいぶげんかつぎが食より酒に向いてしまっていました。勿論、終演後のお酒なんて、それは、そんな最高なひとときは決して諦めるべきではないとは、いまでも志かたくありますが、ほどほどにおさめることとの両立が大変難しく厳しくあることは永遠の真実です。
段々と最近は、今までも仕事が何よりも大事なことに変わりはないので、なけなしの理性でもって'仕事に関して'だけは、ギリギリのところでアウトはまだないと思っているのですが、何せ徐々に酒をもって破壊することを憶えてきた脳みそは、おいしい酒を止めるを中々頑張れず…
今はやっと、ステージでどう振る舞いたいのかが、はっきりとしてきた為、優先順位の問題で控えめにが可能となってきた開演前のげんかつぎの一杯(とみせかけた即興的な奇数杯、と言っても誓っても十日に一遍あるかないか程!)ですが、何せ気持ちのよいところで止めるストッパーを豪快に破壊し続けたこの十数年ですので、うっかり'げんかつぎ'と言って、これはと思う酒をのみ始めた日には…
'仕事は何よりも大切'が骨の髄まで染み付いているもので、どうにか人の目が届かない場所では白目を剥いてくたばっていても…
そんな場合かよという状況に自分が自分で仕向けてしまう、'眠い、眠すぎる'な時に限り、姿をついぞみかけないお客さんが、不思議と集まってくるのです…
これに関しては、一昨年も汗汗な実績が。とある劇場さんで、やはり魔の曜日に開演予定時刻になっても、どうしてもお客さんの来場がない日が後にも先にも一日あった。化粧前には頂きものや自分が取り寄せ、あくまでも終演後に呑むのを楽しみにしていたお酒が並んでいるので、絶対に白状しても怒られたりはしなさそうな共演の方々だったので、『私がこんな時に、ひと口やふた口と何か酒を呑みだすと、お客さんが何故だか来るんですよ(笑)!』と話をふると、'そんな馬鹿な、ただ飲みたいだけでしょうよ…'と若干呆れられているのは肌に感じながらも、(えぃ、今だ、のんじまえ)トクトク(注ぐ効果音)ゴクリ(今日はもうお開きだい…!←謎の自棄キャラ)したらば
…
お客さんの登場を伝えられるインターフォンのブザーが急に鳴り始め…
共演の方のどこか疑心暗鬼と安堵とその時の話の結びへの笑顔が忘れられません。
そんな今日のお話のオチ?はカツカレーです。
いつ何時も食べたいと思うメニューではないのですが、何かと意気消沈として飲みすぎてしまった合間にめずらしく欲し、丁度ありつけて満足した暁には…
羽振りのよい、福の神さまのようなお客さまが、突如と、まさかという状況の中を現れるのです。
ジンクスというのか、げんかつぎというのか、パワーフード?ラッキーフード?と言うのか…
ある時はエッセイストでもある素敵な踊り子さんは、酒とカツカレーのげんかつぎのどちらにも同空間を共有しており、'計らずして…食べたい又はのみたい時にげんをかつぐからよい'というようなことを感想に下さり、なるほどと思いました。
金の斧、鉄の斧…的な?笑
(来週も、人知れず三度目のカツカレーを試してみたいと思っています。他のブームが来てしまったらば素直に諦めますが…笑笑笑)
(そして、びっくりすぎるくらいの好物を予期せず食べた日のご来場(限りなく事実に近い推測)は…まだ書けない。アイコンの三国のワカメ塩が素晴らしいことだけを今は記します。)
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