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SUZUKI SPACIA

今回はスズキ自動車の軽自動車スペーシアのTVコマーシャル「おとなりはスペシア 登場」篇30秒を研究していきます。
短い尺のコマーシャルにも、設定とストーリーがあります。今回は「パパ・柄本佑さん、ママ・宮澤エマさん、娘・鈴木凛子さんの3人かぞくは、そんな新型スペーシアに大興奮!思わずはしゃいでしまいます。その様子をそっと見守るおとなりの大学生・芦田愛菜さんも新型スペーシアに興味津々!おとなりのかぞくと芦田愛菜さんの、新しいストーリーがはじまります。」という設定になります。
冒頭はシンプルな背景で撮影された新型車両の商品カットです。

カット01

ファーストカットは真正面から。車の場合、新しいデザインで重要なポイントが正面からの見た目です。最近ではグリルのデザインで評価されることが多いようです。実際に運転する場合は、バックミラーで正面顔を見ることが多いので頷けます。
芦田「のスペーシアがかなり進化したらしい」

カット02

2カット目は真横からの構図。画面いっぱいの左向き、助手席側です。このコマーシャルのコンセプトが「やってくる」ですから左向きの構図は心理的有効性があります。
芦田「家族思いの技術と工夫で」

カット03

3カット目はターンテーブルに乗った左向きの構図。カメラ位置は少しだけ低くなります。
芦田「ここまで変われちゃう?って感じらしい」

カット04

前のカットと車は同ポジで背景が変化します。どこにでもありそうな住宅の前です。ここまでの4カットで、新型の新車が家に届いた感が滲み出ています。スタジオセットが住宅に変化するアイディアは素晴らしい演出です。
芦田「そんなスペーシアがなんと」

カット05

ここで新車を買った家族よりも先におとなりの大学生のカットになります。冒頭からのナレーションがおとなりさんだとわかるカットです。手にしているにはカメラです。庭に咲いている花に蝶がとまっていてそれを撮影しようとしていました。カメラの機種は不明ですが、単焦点レンズの少し古めのフィルムカメラのような気がします。大学生の芦田さんがフィルムカメラを大切に使っているということになります。
芦田「おとなりにやってきた」

カット06

ここで車を購入したパパ、ママ、娘が登場します。立ち位置は家の前の道路です。まるで帰宅したら家に新車が届いていたみたいなシチュエーションです。普通納車は販売店なのですが、その辺はコマーシャルということで。短い尺のものは少しくらい常識を飛び越えても疑問にならず、かえってインパクトさえ感じます。そこでパパが叫ぶのです。
パパ「来た!」

カット07

家族が車に寄り添います。カット04と同じような構図ですが、より広い構図です。日本の住宅事情ならこの丁度いい大きさだよという感じがします。特に手間の道路と私有地の境界線を入れ込むことで、道路にはみ出さない大きさだとわかります。
パパ「おーこの感じ」
まま「いい感じじゃない」

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