<王者>上野勇希 vs 青木真也<挑戦者> 中年は希望と期待を持って生きる
KO-D無差別級選手権試合
<王者>上野勇希 vs 青木真也<挑戦者>
7月の両国での王座挑戦決定から前哨戦があるわけでもなく、何かそれっぽいいざこざがあるわけでもなく、互いに目の前にあることを懸命に取り組んで積み上げていく日々を過ごしているように感じています。少なくとも青木真也は8月25日まで必死に生きる所存です。
青木真也も上野勇希も試合までに徹底して積み上げていくだろうから、試合として強度純度の高いぶつかり合いが見せられることは必至です。ただ昨今のSNS全盛格闘技の会見で掴み合って、ときに椅子をぶん投げあって(それも下手だから本当に当たっちゃう)、賛否も含めてとりあえずアテンションを集めるプロモーションとは一線を画していて、「闘い」を見せられたとしても俗に言う「バズる」や「現象」にはならないだろうと思っています。それこそブレイキングダウンやRIZINのメインのような話題性のある試合になるともなろうとも微塵も思っていません。僕はそこらへんを一通り体験しての今なので、自分の納得できる良い物を御理解頂けるお客さんにお届けするのが一番の幸せです。
青木真也と上野勇希の試合は今までのDDTの世界観とは一線を画した試合というか、DDTのコミュニティの中での記号的な受けを狙える動きはないというか、ただただ互いの強さをぶつけ合う無骨な試合です。大衆に受ける試合ではないとは思いますが、そもそも大衆に受けようともしてしない試合というか、互いにとって必要で互いを成長させるために必須の試合なので、それで良いのです。それでもこの試合に対する青木真也と上野勇希さんの賭ける思いや存在を感じて、会場まで来てくださるお客様には感謝でしかないですし、アテンションやバズを用いて大衆にアプローチはしていないけれど、分かってくれる人には分かってもらえる試合であって、僕の思想信念主義主張と共通しています。青木真也を追っていたら見なくてはいけない試合で青木真也が賭けているのが伝わっているはずです。
上野勇希さんは僕への敬意や憧れを持ってくださっているのは重々承知しています。上野勇希さんが敬意と憧れを超えたところで僕を踏み台にしようというか、超えていこうとする上野勇希の野心を感じて、僕は嬉しさと腹立たしさとワクワクを感じています。上野勇希が上野勇希として立つために青木真也が必要と踏んだのは筋が良いとは思うけれど、青木真也が青木真也として生きるために僕は超えられるわけにはいきません。41歳だけれど、僕はまだ生きることに希望や期待を持っているのです。
40歳前後の俗に言う中年になると諦観や達観に悲観まで入ってきて、自らにの場所や成長を譲るものですが、僕はまだまだ希望と期待を持っていて、今以上に自分を表現して自分の人生は豊かで実りあるものにできると思っています。上野勇希に青木真也が易々と超えられるわけにはいかないのです。
希望と期待。最近、改めて大事なことだと思っています。
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