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街の将棋指しの投了と諦めない気持ち ※キャリアを重ねた人に読んでほしい記事

1月まで週5日の練習でやっていこうと考えて、練習での組技の比率を抑えて打撃を増すことで、組み合うコンタクトからくる負担を軽減して、やっていこうとの魂胆なのですが、思った以上に効果が出ていて「5日の練習をこなせる」のは試合に向けての好材料の一つです。

僕の体感と経験則ではあるのですが、消耗度合いが一番高いのは組技だと思います。10月のマイキームスメシ戦の前に週5日で組技の練習をしようと思ったら身体が保たなかったので、身体への負担とコンディショニングを考えるとベテラン選手の組み技の練習比率には注意をせねばなりません。逆に若い選手はどんどん組むことで身体もできて、トレーニングの代用になって一石二鳥なので、組技で軸を作ることをお勧めします。

1月の試合に臨むにあたって、「粘り」や「諦めない」気持ちをどれだけ持てるかが大事だと改めて感じています。僕の試合スタイルとこれまでの経験や知識のデメリットの部分は相手の手も自分の手も読めてしまって、「詰み」の状態にいち早く気がついてしまう(気づける)ので、「参りました」の投了の状態になってしまうところがあります。人が僕の試合が淡白と捉えるのもわかります。

佐藤大輔さんが僕のことを「街の将棋指し」と言っていたのですが、さすがの的を射た表現で「参りました」です。僕の格闘技は将棋における美学に近いところがあって、理屈で闘う理詰めの格闘技をやっているので「説明できないことがない状態」を大事にしていて、技術を説明できるので再現性が高く指導する際や解説する際に強みを発揮してはいます。

将棋は手が読めて自らの負けを察した際に投了するのは、腕であり美学でもあると思うのですが、僕がやっているのは格闘技で「闘い」なので、「粘り」や「諦めない」気持ちが大事になってくるのは重々承知どころか、耳が痛い話で闘わねばなりません。粘ることで相手の自爆を誘発できる可能性もあるわけで最後まで勝負を投げない姿勢は大事です。

20年間プロ格闘技をやっていて、知識も経験も実体験として積み上げてきていて、格闘技者としては間違いなく上積みされて強くなっていますが、その弊害として見えなくてもいいことが見えてしまっているのも事実です。高い所から飛び降りたら怪我をすることを知っているから、飛び降りずに安全ではあるけれど、怪我をするリスクをとってまでも最短距離で進行することができなくなっているような話で、知識や経験がなく恐怖心のない子供のうちに運動を覚えさせる理屈に似ています。

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