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樺沢紫苑『精神科医が見つけた3つの幸福 最新科学から最高の人生をつくる方法』

脳内で幸福物質が出た状態が幸せであり、幸福物質を出す条件というのが『幸せになる方法』である

私的要約

日本はGDPで世界第3位の経済大国であり、治安もよく、医療費も格安、その上中学までは義務教育であるのに、日本人の幸福度は世界第62位であり、主要先進国では最低である。
これは、私たちが漠然とした『幸せ』を強く望むものの、具体的に何をすれば『幸せ』になるのかがよくわからず、結果として、『間違った努力』『無駄な努力』をして、『幸せ』への筋道をおそろしく遠回りしているからである。
精神医学、脳科学に基づき、私たちが『幸せ』を感じる時には脳内ではどのような反応が起きているかを解明したところ、私たちの日常的な幸福感を構成する主たる幸福物質として、『ドーパミン』『セロトニン』『オキシトシン』の3つが三大幸福物質といってもよさそうなことがわかった。つまり、有史以来、多くの人が頭を悩ませてきた『幸福とは何か』の問いに対する答えとは、『脳内でドーパミン、セロトニン、オキシトシンなどの幸福物質が出た状態』が『幸せ』であり、『幸福物質を出す条件』というのが『幸せになる方法』であると言える。
幸福には3種類の幸福があり、
① ドーパミン的幸福:成功・お金・達成・富・名誉・地位などの幸福
② オキシトシン的幸福:つながりと愛(友情・人間関係・コミュニティの所属など)の幸福
③ セロトニン的幸福:心と体の健康の幸福
に分けることができる。しかし、これら3つの幸福を全て手に入れている人は非常に少ない。それは、この3つの幸福を得るためには『優先順位』があり、その優先順位を誤ると、幸せにはなれない。
これらの優先順位とは、
セロトニン的幸福→オキシトシン的幸福→ドーパミン的幸福
の順番である。日本人は勤勉でまじめに仕事をする人が多いのに幸福感を感じられない人が多いのは、この順番を誤っている人が多いからである。健康、つまりセロトニン的幸福をないがしろにして、成功、つまりドーパミン的幸福を目指すと、メンタル疾患や身体疾患に陥り、幸福になるどころか不幸になってしまうのだ。また、つながり、つまりオキシトシン的幸福をないがしろにして、ドーパミン的幸福を目指すと、家庭不和になる、などというのもよく聞く話である。
つまり、『健康』こそが全ての基盤であり、それから『つながり』を大切にしながら『成功』を目指していくのが、幸福を手に入れていくために重要な順序なのである。

教育×読書

子どもたちは、今、何のために勉強しているのか。
私たち教育者は、今、何のために子どもたちに勉強させているのか。
それは、子どもたちに将来、幸せになってほしいからである。(子どもたち自身の中には、理由もわからず勉強している子もいるとは思うが。)
しかし、『幸せ』の定義となると、この書で最初に言われてある通り、具体的に何をすれば『幸せ』になれるのかは正直言ってわからないところだ。3大幸福のどの部分に重きを置くかというのは、置かれている状況などによって変わるのかもしれない。
一般的には、ドーパミン的幸福と手に入れるための手法を(受験)勉強と呼ぶのかもしれないが、こうやって、セロトニン的幸福やオキシトシン的幸福に目を向けられること、目の前に見えている物の裏側に潜む本質を突き詰める力を養うのもまた勉強であると思う。
私はありがたいことに、受験生だけでなく、低学年から関わることができる環境にいる。
『ドーパミン的幸福』である、『第一志望校(あるいはそのワンランク上)合格』の先にある成功を子どもたちに掴みとってもらえるよう、『幸せになる方法』を私たち自身がしっかりと理解し、実践していかなければならないのであろう。
ただし、はき違えてはならないのは、私たち塾講師の至上命題はあくまでも志望校合格であることだということは付け加えておきたい。(それが学習塾の使命なので。)

私的感想

幸せとは何か、考えてしまいますね。幸福の優先順位には納得です。
この書は実践書として様々な手法が書かれてありました。印象的なのは、3行ポジティブ日記。寝る前15分以内、できれば寝る直前に『今日あった楽しい出来事を3つ書く』というものです。1行ずつ3個。これを継続することで、日々の生活が『ポジティブ』『幸せ』にあふれていることに気づいていくということでした。
生徒たちにもさせたいですよね。寝る前に、今日できるようになったことを3つ書いて寝てもらったら、ポジティブに勉強していけるんじゃないかと思います。
私もポジティブ日記を実践しながら、幸福の優先順位を間違えずに成功を勝ち取っていきたいと思います。



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